プレスリリース
2019-10-31
本学院生物圏科学専攻の仲岡雅裕教授(北方生物圏フィールド科学センター)と同専攻博士後期課程の須藤健二さん(当時)らの研究グループは,北日本のコンブ類の分布域が今後地球温暖化の進行に従って大きく減少すること,また分布が限られている複数の種が日本の海域から消失する可能性が高いことを明らかにしました。
なお,本研究成果は,2019年10月28日(月)公開のEcological Research誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
地球温暖化により北日本のコンブが著しく減少する可能性を予測~沿岸生態系の海洋生物多様性や生態系サービスに負の影響~(PDF)
2019-10-03
本学院環境起学専攻の平田貴文特任准教授(北極域研究センター)は,同センターの齊藤誠一研究員(研究推進支援教授)らとともに北海道大学及び東北大学が中心となって研究開発された国際理学観測衛星ライズサット(RISESAT:Rapid International Scientific Experiment Satellite)に搭載した海洋観測カメラ OOC(OceanObservation Camera,北海道大学,東北大学,株式会社パスコ及び国立台湾海洋大学が共同開発)による有色溶存有機物(CDOM:Colored Dissolved Organic Matter)の観測に成功しました。なお,ライズサットは JAXA 革新的衛星技術実証1号機を構成する 7 衛星の一つとして,イプシロンロケット4号機により打ち上げられました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
海洋観測カメラによる有色溶存有機物の観測に成功~超小型人工衛星を利用した北極域観測技術の構築に期待~(PDF)
2019-09-25
本学院地球圏科学専攻の関宰准教授は,高知大学海洋コア総合研究センターの松井浩紀特任助教,池原実教授らと共に,九州付近から沖ノ鳥島を経てミクロネシアのパラオ付近に至る南北 3000 km に渡る海底山脈である九州・パラオ海嶺で 1973 年に採取された Site 296 海洋コアを再解析しました。レガシー試料である Site 296 海洋コアは黒潮流路に近い九州・パラオ海嶺の北端から採取されたことから,黒潮の長期的な変遷を記録していると期待されます。コアレポジトリーの適切な保管・管理により,46 年の時を経たのちも Site 296 海洋コアを全く問題なく解析に資することができました。Site 296 海洋コアに含まれる微小なプランクトン化石の産出状況を再解析するとともに,ストロンチウム同位体比と炭素・酸素安定同位体比を統合することで,掘削当時は発展途上で十分に確立できていなかった Site 296 海洋コアの年代モデル(微化石層序・地球化学層序)を 46 年ぶりに再編することができました。この成果により Site 296 海洋コアが過去2000 万年間の海洋環境を連続的に記録した,北太平洋における極めて貴重な試料であることを明らかにしました。こうした過去 2000 万年間にわたって連続的に堆積した海洋コア試料は北太平洋では極めて稀であり,黒潮の流域では Site 296 海洋コアが唯一の報告例です。特に,現在よりも顕著に温暖だった時代における黒潮の流路や強さを解明していく上で,過去 3000 万年間において最も温暖な時代であったとされる中期中新世(約 1600 万年前〜1160 万年前)の連続的な試料は貴重で,今後も Site 296海洋コアの活用が期待されます。
本成果は学術誌「Newsletters on Stratigraphy」オンライン版に 2019 年 9⽉20⽇に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
九州・パラオ海嶺に過去 2000 万年間の連続的な堆積物があることを発見―1973 年に掘削されたレガシー試料の再解析―(PDF)
2019-09-12
本学院生物圏科学専攻の工藤岳准教授は,市民ボランティアと共同で,北海道大雪山における高山植物の長期開花調査を行い,地球温暖化によって高山植物群落の開花期間が将来どのように変化するのかを予測しました。
高山植物の開花時期は温度や積雪期間の変化に敏感であるため,地球温暖化の影響を強く受けると予測されていますが,その実態と将来予測に必要なモニタリング例はごくわずかでした。そのため本研究では,環境省生物多様性センターが行っている生態系長期モニタリングプロジェクト「モニタリングサイト 1000」の高山帯調査の一環として,市民ボランティアによって集積された高山植物開花調査データを解析しました。詳細な開花状況と気温・積雪データの解析により,気候変動に対して高山植物群落の開花時期がどのような影響を受けるのかを予測しました。その結果,積雪の少ない場所に生える高山植物は気温の影響を強く受け,温度が高いほど開花の進行が早く,1 度の気温上昇により開花期間は約 4 日間短縮されると予測されました。一方で雪解けの遅い場所に生育する植物は,気温よりも雪解け時期の影響を強く受けることが明らかになりました。更に温暖化によって 1 度の気温上昇と 10 日間の雪解けの早期化が起こった場合,高山帯の開花時期は約 5 日間短縮されるという予測が得られました。温暖化に伴う高山植物群落の開花シーズンの短縮は,花を利用する昆虫へも影響が及ぶことが懸念されます。本研究は,市民ボランティアによる生態系モニタリングの有効性を実証したものとして重要な成果です。
本研究成果は2019年8月2日(金)公開のEnvironmental and Experimental Botany 誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
地球温暖化は高山植物群落の開花シーズンを短縮する~市民ボランティアにより明らかにされた温暖化影響予測~(PDF)
2019-09-02
本学院環境起学専攻の先崎理之助教らの研究グループは,日本で繁殖する海鳥10種類の過去36年間の個体数変化を解析し,ウミガラスやエトピリカといった絶滅危惧種だけでなく,ウミネコやオオセグロカモメなどの,分布域が広く個体数が多いと思われていた種類も長期的に減少していることを明らかにしました。
本研究成果は,2019 年 8 月 28 日(水)公開の Bird Conservation International 誌でオンライン出版されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
日本で繁殖する主要海鳥種の個体数変化を初めて解明~ウミガラス・エトピリカ・ ウミネコ・オオセグロカモメの減少を確認~(PDF)
2019-08-06
本学院環境起学専攻の佐藤友徳准教授と中村哲博士研究員(地球環境科学研究院)の研究グループは,中・高緯度で近年しばしば発生する熱波の発生要因を解明するために,気候モデルによって再現された大量の過去気候データを解析し,過去のユーラシア大陸における夏の気温変動を,「地球温暖化に起因する気温変化」と「自然変動に起因する気温変化」に分離することに成功しました。
さらに,「自然変動に起因する気温変化」のうち,偏西風の蛇行に関連した,高温域と低温域が東西方向に交互に連なる波列状の気温分布が発生する要因を調べ,ユーラシア大陸における夏の気温パターンが北極域における晩冬~春の積雪深変動の影響を強く受けることを明らかにしました。波列状の気温分布が夏に卓越する年には,数か月前の晩冬~春の時点でロシア西部の積雪が普段に比べて多く,このような多雪の影響は,春の融雪を経た後には,高い土壌水分量として春から夏まで持続し,この地域の夏の気温を低温化します。地域的な低温化は偏西風の蛇行を促し,その周辺地域では反対に高温になりやすくなると考えられます。
中・高緯度帯では,日々の天気の移り変わりの早さに比べて,海洋や陸面状態(積雪や土壌水分など)は比較的ゆっくりと時間変化するため,その影響は長期間持続し,大気に継続的な影響を与える傾向があります。特に広大なユーラシア大陸では,陸面状態を詳細に調べることで,季節予報の精度向上が期待されます。また,本成果により北極域の陸面状態の変化が中・高緯度の夏の天候に影響を与えていることが明らかとなりました。これは,気候変動の要因分析において陸面環境と大気・海洋との相互作用系の理解が重要であることを指摘しています。
本研究は,文部科学省北極域研究推進プロジェクト「ArCS: Arctic Challenge for Sustainability Project」及び科学研究費補助金「日本およびアジア地域における過去の地域気候変動のアトリビューション」の一環として行われ,2019 年 7 月 26 日(金)公開の Scientific Reports 誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
北極域の積雪がユーラシア大陸の熱波を強めることを解明~雪氷圏のモニタリングによる夏の季節予報の改善を示唆~(PDF)
2019-07-30
本学院生物圏科学専攻の日浦勉教授(北方生物圏フィールド科学センター)らの研究グループは,気候変動によって原生状態の針広混交林に生育する針葉樹の割合が年々低下していることを明らかにしました。
気候変動は森林生態系に様々な影響を与えていると考えられていますが,樹種ごとの応答やそのメカニズムについてはまだ不明な点が多く,特に長期モニタリングデータに基づいた研究例はわずかです。
本研究では,北海道大学中川研究林の原生保存林において17.5ヘクタールに及ぶ森林の樹木1本1本を個体識別して成長や死亡などを約40年間モニタリングし,森林生態系の変化に対する気候変動や地形などの影響を調べました。その結果,夏期の気温上昇と降水量増加がトドマツなど針葉樹の成長に負の影響を与えている一方,イタヤカエデなど広葉樹の成長には正の影響を与えていることがわかりました。2004年の台風による死亡も,針葉樹でより深刻であることが判明しました。その結果,針葉樹の割合が約20%も減少した森林がありました。これらの結果は,気候変動によって森林の姿が大きく改変されるだけでなく,その機能にも影響を及ぼしてしまう可能性を示すものです。
本研究成果は,2019年7月22日(月)公開のForest Ecology and Management誌にオンライン掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
北海道の針葉樹は衰退している!~約40年間のモニタリングから原生林生態系への気候変動影響を解明~(PDF)
2019-07-30
本学院環境起学専攻の根岸淳二郎准教授,パシフィックコンサルタンツ株式会社の池田幸資さん(環境起学専攻で博士号を取得)らの研究グループは,水中に含まれる生物由来のDNA断片を分析する環境DNA解析により特定外来生物であるウチダザリガニが阿寒湖周辺に広域に分布していることを解明しました。
本研究成果は,2019年7月25日(木)公開のFreshwater Science誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
環境 DNA 解析により水を汲むだけで特定外来生物ウチダザリガニの分布拡大を把握(PDF)
2019-06-28
本学院生物圏科学専攻の工藤岳准教授とノルウェー北極大学のElisabeth Cooper教授は,春の雪解けが早まると春咲き植物(エゾエンゴサク)の開花日と,花粉運搬者であるマルハナバチの出現日が一致しなくなり,受粉に影響が出ることを明らかにしました。
地球温暖化は多くの生物の季節性に影響を及ぼすことが知られており,関連し合う生物種間の関係にも影響が及ぶ可能性が指摘されています。しかし,その実態とメカニズムについてはまだ不明な点が多く,特に植物と花粉媒介昆虫の季節撹乱に関する研究例はわずかです。
本研究では,北海道の森に生育する春咲き植物のエゾエンゴサクと,越冬直後にそれを蜜源として利用するマルハナバチの出現時期の同調性に着目し,春の雪解け時期と温度環境が両者の季節性にどのような影響をもたらすかを調べました。エゾエンゴサクの開花時期は雪解け時期に強く規定され, 雪解けが早い年には開花が早く起こります。一方で,地中で冬眠するマルハナバチは地温が6度に達した時に活動を始めることがわかりました。通常は開花時期とハチの出現時期は一致しますが,雪解けが異常に早く起こった年には植物の開花が先行し,その結果,受粉がうまく行われずに種子生産が低下することが判明しました。この結果は,温暖化により春の雪解けが早まると植物と花粉媒介昆虫の共生関係が崩壊するリスクが高まることを示唆するものです。
本研究成果は,協定世界時2019年6月12日(水)公開のProceedings of the Royal Society B誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
早い春の訪れは植物と送粉性昆虫との共生関係を破壊する~温暖化による生物の季節撹乱を解明~(PDF)
2019-04-22
本学院地球圏科学専攻のEvgeny Podolskiy助教(北極域研究センター),杉山慎教授(低温科学研究所)らの研究グループは,アウストラル大学(チリ)の箕輪昌紘研究員らと共同で,グリーンランド北西部のカービング氷河でカービングによって発生する津波を測定し,高い時間分解能で氷山の流出量を測定することに成功しました。
津波を使ったカービング観測は,同グループによって開発された手法で,今回初めてグリーンランドの氷河に応用しました。観測の結果,氷山の流出量が気温上昇,氷河加速,潮位変化に連動して増加することが明らかになりました。また,氷山の流出は氷河末端で失われる氷総量の20%に相当し,残りの80%は海中での融解によって生じることが示唆されました。これらの研究成果は,これまで困難であった氷山の流出量を測定する新しい手法を提案し,カービング氷河の変動に重要な役割を果たす氷河・海洋相互作用の理解を推し進めるものです。
なお,本研究成果は,2019年4月1日(月)公開のEarth and Planetary Science Letters誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
津波を使って氷河から流出する氷山の量を測定~グリーンランドで新しい観測手法を開発~(PDF)
2019-04-22
本学院生物圏科学専攻の宗原弘幸准教授(北方生物圏フィールド科学センター)は,大阪市立大学大学院理学研究科の安房田智司准教授らの研究グループとともに,他の生物に卵を預ける海産のカジカ科魚類8種について産卵宿主種(ホヤやカイメン)の特定に成功し,さらにはカジカ科魚類が産卵管を宿主種の種類や大きさに応じて進化させていることを世界で初めて発見しました。
今回の発見は,生態研究がほとんど進んでいない冷たい海域の動物の生態を知るうえで,非常に重要な成果と言えます。
本研究内容は2019年4月6日に海洋生物学の専門雑誌『Marine Biology』のオンライン版に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
ホヤに卵を預ける魚を初めて特定〜カジカ科魚類の産卵管と産卵行動は、産みつける宿主に応じて進化していた~(PDF)
2019-04-08
本学院地球圏科学専攻の飯塚芳徳准教授・北見工業大学の大野浩助教らの研究グループは,アラスカの地下氷(アイスウェッジ)に含まれるメタンスルホン酸イオン濃度から,過去の海洋環境の復元に世界で初めて成功しました。
同グループはアラスカ・バロー地域の永久凍土層内の地下氷に含まれるイオン種を分析し,いくつかあるイオン種のうちメタンスルホン酸イオンが過去の海洋生物由来物質であることを明らかにしました。メタンスルホン酸イオン濃度は約1万2700年前に起きた寒冷期(寒の戻り;ヤンガードリアス期)に高濃度であったことから,この寒冷期にも北極海アラスカ沖のビューフォート海が海氷によって閉ざされてはおらず,何らかの海洋生物の活動があったことが示唆されました。この寒冷期の北極海の海氷変動については様々な議論があり未だ結論は出ていません。北極圏の陸地のほとんどは地下氷を含む永久凍土であることから,今回の結果は,北極海の海氷変動を地下氷から復元する新しい環境指標(プロキシ)を提案したことになります。
この指標を用いて海氷面積変動のメカニズムが明らかになることで,近年の温暖化で著しく減少している北極海の海氷面積変動の将来予測の向上が期待されます。
本研究成果は,2019年3月26日(火)公開のEarth and Planetary Science Letters 誌にオンライン掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
世界で初めて地下氷から北極海の海洋環境を復元~北極海の海洋環境を包括的に復元する指標を提唱~(PDF)
2019-03-13
本学院地球圏科学専攻の杉山慎教授らの研究グループは,南米パタゴニアで湖に流れ込む氷河の水中観測に成功し,氷河の先端が水中でテラスのように突き出した様子を初めて確認しました。明らかになった氷河の形は,海水中で観測された結果とは大きく異なり,淡水に流れ込む氷河の変動メカニズムを知る上で重要な発見です。水中の氷には浮力がはたらくため,氷河の先端部分に大きな力がかかって崩壊する可能性が高まります。今回観測した氷河でも実際にそのような崩壊現象が起き,浮き上がってきた水中の氷を直接確認することに成功しました。
この研究結果は,これまでほとんど知られていなかった氷河の水中形状を明らかにし,氷河末端の崩壊メカニズムを新しく提案するものです。世界で氷河の融解が進む中,パタゴニアをはじめ多くの地域にみられる,湖に流入する氷河について,その変動メカニズムの理解につながるものと期待されます。
本研究成果は,2019年2月12日(火)公開の Geophysical Research Letter 誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
水中に突き出した氷が氷河の崩壊を引き起こす~南米パタゴニアで氷河の水中観測に成功~(PDF)
2019-03-13
社会性昆虫であるシロアリのコロニーでは,一部の個体が巨大化した大顎を持つ兵隊に分化し,防衛を行います。今回,本学院生物圏科学専攻の越川滋行准教授,大学院生(当時)の杉目康広さん,学術研究員の後藤寛貴さんらは,東京大学などの研究者らとともに,シロアリが兵隊へ分化する際に環境情報を伝達するホルモンの下流でダックスフンド遺伝子の発現が上昇することで大顎伸長が起こることを明らかにしました。この研究成果は,体の部位の大きさがどのようにして決まるのかという発生学の重要な課題に対して,環境情報を伝達するホルモンと体のつくりを規定する遺伝子の関係性を明確に示したものです。遺伝子と環境要因がどのようにして生物の形を作るのかを明らかとした本研究成果は,動物の表現型の進化や環境要因による表現型可塑性の機構を理解する上で重要な知見となることが期待されます。
本研究成果は,英国の科学雑誌Development誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
兵隊シロアリの大顎を伸ばすダックスフンド遺伝子:環境要因と形態形成を繋ぐ(PDF)
2019-03-07
地球環境科学研究院の中村哲博士研究員と山﨑孝治名誉教授は,三重大学ならびに新潟大学の研究者らとともに,北極振動と南極振動と呼ばれる現象が同期して変動していることを発見しました。北極振動は日本の寒冬や猛暑を引き起こし,南極振動はオゾンホールと関連します。北極と南極は地理学的に互いに最も遠くに位置していることから,北極振動と南極振動の同期した変動を調べた研究はこれまでありませんでした。多発する異常気象のいくつかは北極振動が原因であり,日本の異常気象が遠い南極と関係を持つことを初めて示唆した研究です。上空のオゾン層が北極振動と南極振動の同期の仲立ちとなっていると考えています。
本研究成果は,2018年12月28日にアメリカ・地球物理連合の学術誌Geophysical Research Letters誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
日本の異常気象が遠く南極に関係がある―北極振動と南極振動が一緒に変動していることを発見―(PDF)
2019-01-30
本学院生物圏科学専攻の山口良文教授(低温科学研究所)らの共同研究グループは餌を貯蔵しながら冬眠する哺乳類シリアンハムスターが,冬眠時,エネルギーを蓄える機能をもつ白色脂肪組織において,脂肪を合成する同化系と分解する異化系の両方を著しく増強させることを解明しました。
冬眠する哺乳類は,長い冬眠の間,体内に貯蔵した大量の脂肪を効率的に燃焼させてエネルギーを取り出すと考えられていますが,その仕組みは多くの点が不明です。本研究の成果は,この仕組みに迫ることで肥満症や生活習慣病の理解にも新たな視座を与えうるものです。
本研究成果は,英国時間 2019 年 1 月 28 日(月)公開のFrontiers in Physiology誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
冬眠ハムスターの白色脂肪組織に冬支度の秘密をみる~肥満や生活習慣病予防へも新たな視座~(PDF)
2019-01-25
本学院環境物質科学専攻の中村貴義教授(電子科学研究所)らの国際共同研究チームは塩酸などの有害な強酸の水溶液や蒸気に対して,色や蛍光発光のON/OFF が変化する外部刺激応答性の有機多孔質材料「水素結合性有機フレームワーク(HOF(Hydrogen-bonded Organic Framework))」の開発に成功しました。
本研究成果は,2019 年1月7日(月)公開のアメリカ化学会誌 Journal of the American Chemical Society 誌にオンライン版として掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
強酸を色で知らせる有機多孔質材料の開発に成功~物質吸蔵性と外部刺激応答性を併せ持つ新素材開発に道筋~(PDF)
2019-01-15
本学院環境起学専攻の佐藤友徳准教授(地球環境科学研究院)は国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」)気候変動適応技術開発プロジェクトチームおよび気象庁気象研究所とともに,文部科学省地球観測技術等調査研究委託事業「気候変動適応技術社会実装プログラム」に参画し,海洋地球科学分野等で利用されてきたJAMSTEC のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を用い,工業化以降の世界平均地上気温が 2℃上昇した気候状態を対象として,多数の高解像度温暖化シミュレーションを実施しました。ここで注目した気候状態は追加的な緩和努力を行わない場合の近未来(2030~2050 年頃) のものに相当します。シミュレーション出力を解析した結果から,「パリ協定」に準拠した国際的な温暖化緩和・抑制に向けた取り組みが機能したとしても,近未来気候においては極端な降水(年最大日降水量)の強度は増大する可能性が高いことが分かりました。また,連続して降水が無い期間(連続無降水日数)も増大する結果となりました。
これまでに温暖化の進行とともに降水量が増加し,降水現象がより極端になることが報告されていますが,数十年に 1 回の割合でしか起こらないような低頻度の極端な気象現象が将来どの程度変化するのか,特に近い将来の変化については防災や農業等の気候変動適応策の観点からも確度の高い予測が欠かせません。本研究の実験で作成された近未来気候予測データベースは,降水のみならず様々な極端現象の将来変化の評価及び適応策の検討のために活用されることが期待されています。
本成果は1月10日付けで科学誌「Geophysical Research Letters」に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
近未来気候でも豪雨はより強くなり連続無降水日は増加する―気候変動適応策の礎となる近未来気候予測データベースから導かれた成果―(PDF)
2018-11-07
本学院生物圏科学専攻の岸田治准教授(北方生物圏フィールド科学センター)と修士課程修了生のEvangelia Kazilaさんが,北海道在来の両生類の幼生が本州から北海道へ移入された国内外来種のアズマヒキガエルの幼生を捕食すると,強い毒性により中毒死することを実証しました。
本研究成果は,協定世界時2018年11月5日(月)公開のFreshwater Biology誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
本州から来たヒキガエルが北海道の両生類を殺す~国内外来種の脅威を示唆~(PDF)
2018-11-06
本学院生物圏科学専攻の大舘智志助教(低温科学研究所)らの研究グループが,日本固有種ニホンジネズミ(トガリネズミ科)の分布域全域からのサンプルを用いた遺伝型の分布調査により,日本列島の東西における分布状況を解明し,北海道と韓国済州島におけるニホンジネズミが人間活動によって移入されたことを明らかにしました。
本研究成果は,2018年10月19日付け公開のMammal Study誌にオンライン掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
2つの海峡を渡った日本固有種ニホンジネズミ~北海道と韓国済州島への人為的移動~(PDF)
2018-10-16
本学院生物圏科学専攻の小泉逸郎准教授(地球環境科学研究院)、本学院の修了生でもある油田照秋さん(山科鳥類研究所)、乃美大佑さんらの研究グループは,シジュウカラのメスが,直前の繁殖に失敗すると“つがい外父性”(浮気)率を高めることを野外実験で実証しました。
本研究成果は,2018年10月5日付け公開の行動生態学の専門誌 Behavioral Ecologyに掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
メスの浮気は確実な受精のため~シジュウカラ したたかな戦略~(PDF)
2018-10-16
本学院地球圏科学専攻の宮崎雄三助教、西岡純准教授(低温科学研究所)、山下洋平准教授、鈴木光次教授(地球環境科学研究院)らの研究グループは,西部北太平洋での船舶による大気と海水の同時観測から,海しぶきによって海水から大気の微粒子(エアロゾル)へ移行する有機物に著しい組成の変化が起きていることを発見しました。本成果は,温暖化等による海洋表層の微生物の量,組成,活性の変化が,有機物の大気への放出を通して雲の生成に影響することで起こる将来的な気候影響を精度よく評価する上で,重要な知見となることが期待されます。
本研究成果は,2018年10月5日付け(英国時間)でScientific Reports誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
海しぶきで大気に舞う有機物の化学組成は著しく変化する~海洋の微生物が大気を通して気候変動へ与える影響の解明に期待~(PDF)
論文PDFは『Scientific Reports』誌公式サイトからどなたでも無料でダウンロードできます。
Chemical transfer of dissolved organic matter from surface seawater to sea spray water-soluble organic aerosol in the marine atmosphere(PDF)(学外サイト)
2018-09-28
本学院生物圏科学専攻の隅田明洋准教授,地球圏科学専攻の渡辺力教授(共に低温科学研究所)は,龍谷大学の宮浦富保教授と共同で,葉量の年々変動の程度や変動の要因となる気象要因について,常緑樹林として世界で初めて明らかにしました。本成果は,気候変動の影響を予測するための,森林の葉面積指数や 二酸化炭素吸収に関する知見を組み込んだ影響予測モデルへの貢献が期待されます。
本研究成果は,2018年9月11日公開のScientific Reports誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
常緑針葉樹林の葉量の年ごとの変動と気象の関係を解明~地球環境予測モデルへの貢献に期待~(PDF)
論文PDFは『Scientific Reports』誌公式サイトからどなたでも無料でダウンロードできます。
Interannual variability of leaf area index of an evergreen conifer stand was affected by carry-over effects from recent climate conditions(PDF)(学外サイト)
2018-09-28
本学院地球圏科学専攻の力石嘉人教授(低温科学研究所)は,海洋研究開発機構,東京大学,産業技術総合研究所,ドイツ・連邦地質調査所の研究者らと共同で,黒海の深海底に棲息し,温室効果ガスである「メタン(CH4)」を高効率で消費(分解)する微生物から,アミノ酸中央代謝に関する生化学反応及び炭素12を選択的に濃縮したアミノ酸分子の炭素同位体組成を明らかにしました。
本研究成果は,2018年9月24日付け(日本時間)でScientific Reports誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
深海底のメタンを消費する始原的な生命の代謝機構を発見~炭素12の同位体濃縮効果による地球上で最も軽いアミノ酸の形成~(PDF)
論文PDFは『Scientific Reports』誌公式サイトからどなたでも無料でダウンロードできます。
Insight into anaerobic methanotrophy from 13C/12C- amino acids and 14C/12C-ANME cells in seafloor microbial ecology(PDF)(学外サイト)
2015-07-29
平成27年7月14日付で、下記研究成果に関するプレスリリースを行いましたので、お知らせいたします。
昆虫の共生のための細胞がどのようにできるかを解明 −形態形成遺伝子の転用による細胞の発生と進化−(PDF)
2015-07-29
平成27年6月22日付で、下記研究成果に関するプレスリリースを行いましたので、お知らせいたします。
札幌の都市化が気温の長期変化に及ぼす影響の評価(PDF)
2015-07-29
平成27年6月16日付で、下記研究成果に関するプレスリリースを行いましたので、お知らせいたします。
サンショウウオの形態変化を引き起こす分子メカニズムの一端を解明(PDF)