北海道大学 大学院 環境科学院

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水中に突き出した氷が氷河の崩壊を引き起こす~南米パタゴニアで氷河の水中観測に成功~

2019-03-13

本学院地球圏科学専攻の杉山慎教授らの研究グループは,南米パタゴニアで湖に流れ込む氷河の水中観測に成功し,氷河の先端が水中でテラスのように突き出した様子を初めて確認しました。明らかになった氷河の形は,海水中で観測された結果とは大きく異なり,淡水に流れ込む氷河の変動メカニズムを知る上で重要な発見です。水中の氷には浮力がはたらくため,氷河の先端部分に大きな力がかかって崩壊する可能性が高まります。今回観測した氷河でも実際にそのような崩壊現象が起き,浮き上がってきた水中の氷を直接確認することに成功しました。

この研究結果は,これまでほとんど知られていなかった氷河の水中形状を明らかにし,氷河末端の崩壊メカニズムを新しく提案するものです。世界で氷河の融解が進む中,パタゴニアをはじめ多くの地域にみられる,湖に流入する氷河について,その変動メカニズムの理解につながるものと期待されます。

 

本研究成果は,2019年2月12日(火)公開の Geophysical Research Letter 誌に掲載されました。

 

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。

水中に突き出した氷が氷河の崩壊を引き起こす~南米パタゴニアで氷河の水中観測に成功~(PDF)

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