津波を使って氷河から流出する氷山の量を測定~グリーンランドで新しい観測手法を開発~
2019-04-22本学院地球圏科学専攻のEvgeny Podolskiy助教(北極域研究センター),杉山慎教授(低温科学研究所)らの研究グループは,アウストラル大学(チリ)の箕輪昌紘研究員らと共同で,グリーンランド北西部のカービング氷河でカービングによって発生する津波を測定し,高い時間分解能で氷山の流出量を測定することに成功しました。
津波を使ったカービング観測は,同グループによって開発された手法で,今回初めてグリーンランドの氷河に応用しました。観測の結果,氷山の流出量が気温上昇,氷河加速,潮位変化に連動して増加することが明らかになりました。また,氷山の流出は氷河末端で失われる氷総量の20%に相当し,残りの80%は海中での融解によって生じることが示唆されました。これらの研究成果は,これまで困難であった氷山の流出量を測定する新しい手法を提案し,カービング氷河の変動に重要な役割を果たす氷河・海洋相互作用の理解を推し進めるものです。
なお,本研究成果は,2019年4月1日(月)公開のEarth and Planetary Science Letters誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。