会員通信 (Liaison)

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four seasons

 ニューズレター (環境科学同窓会通信)


P 16号 (2021年9月21日)
  1. 「環境科学院で学んだことが、今の自分に繋がっている」 …… 網野智美 (オルガノ株式会社)
  2. 大好きになった北海道、なまら楽しかった研究生活 …… 小林直貴 (信越化学工業株式会社 新機能材料技術研究所)
P 15号 (2021年6月15日)
  1. 楽じゃなかった、けど楽しかった研究生活 …… 岩﨑 藍子 (東北大学大学院生命科学研究科付属浅虫海洋生物学教育研究センター助教)
  2. Thank you for giving me the opportunity to study in Hokkaido University …… Huynh Vuong Thu Minh (Lecturer of College of Environment and Natural Resources, Cantho University, Vietnam)
P 14号 (2021年3月25日)
  1. 環境科学院で魅力的な研究に出会いました …… 漢那直也 (日本学術振興会特別研究員PD)
  2. My study abroad memory …… WEI Zhishun (魏志順) (環境物質科学専攻2017年3月博士修了 湖北工業大学(Hubei University of Technology)講師)
P 13号 (2020年12月20日)
  1. 環境科学院時代の特異的で恵まれた研究環境 …… 小森田智大 (生物圏科学専攻2009年3月修了 熊本県立大学環境共生学部准教授)
  2. My life in Hokkaido University Japan under ABE Initiative Scholarship …… Kariuki Boniface Wainaina (Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology, KENYA)
P 12号 (2020年10月5日)
  1. 改めて思い、考える『研究開発』の仕事 …… 岩﨑 健太郎 (住友化学株式会社先端材料開発研究所・主任研究員)
  2. Hokudai - Colorful Memories and Profound Values …… Roxy Mathew Koll, Dr. (Centre for Climate Change Research Indian Institute of Tropical Meteorology, India)
P 11号 (2020年6月25日)
  1. 環境科学院で学んだ大切なこと …… 出村沙代 (株式会社たがやす取締役 京都精華大学/大手前大学非常勤講師)
  2. Hokudai, the most unforgettable and influential in my life …… Xun Wang (Associate Professor, Sichuan Agricultural University, China)
P 10号 (2020年3月31日)
  1. 大学院時代を振り返って …… 福田朔也 (アジア航測株式会社)
  2. Hokudai, 2012-2015 …… Suherman (Ph. D.)
P 9号 (2019年12月20日)
  1. 研究から行政へ …… 森本 祥子 (兵庫県職員 林学職)
  2. Hokudai, the home away from home! …… Sharmin Shishir (Post-doctoral researcher, Center for Far Eastern Studies, University of Toyama, Japan)
P 8号 (2019年10月17日)
  1. 北海道大学大学院地球環境科学研究科で得たもの …… 川口 俊⼀ (2001年修了 北海道大学大学院国際食資源学院 准教授)
  2. Graduate School of Environmental Science helped me to grow up …… 周丹峰 (キヤノントッキ株式会社 機構設計部)
P 7号 (2019年6月22日)
  1. 環境科学院で学んだことは人生の財産 …… 山田健太 (山田産商株式会社 代表取締役 平成22年3月環境起学専攻修了)
  2. Hokudai, in my life …… Chanita Boonmak (Instructor at Kasetsart University, Thailand)
P 6号 (2019年3月26日)
  1. Hokudai, the unforgettable second place I called home …… Lina Mahardiani, Lecturer and Researcher, Universitas Sebelas Maret, Surakarta –Indonesia
  2. 環境科学院の良き文化を思い出しながら …… 坂崎 貴俊 (京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 助教)
P 5号 (2018年12月25日)
  1. My two-year experience in Hokudai …… Naufal Rospriandana (GIZ Energy Programme Indonesia)
  2. 頭と体をつかった学究への道 …… 赤坂 宗光 (2006年3月修了 東京農工大学 准教授)
P 4号 (2018年9月15日)
  1. Asmaa's Memories in Sapporo …… Ms. Asmaa Elnagar (Academic Researcher, Department of Biochemistry, Faculty of Veterinary Medicine, Zagazig University, Egypt)
  2. 環境科学院で培った考え方で、社会に貢献する …… 近藤 広隆 (積水化成品工業株式会社)
P 3号 (2018年6月13日)
  1. Memories about life in Graduate School of Environmental Science, Hokkaido University …… Chunmao Zhu (Scientist, Japan Agency for Marine-earth Science and Technology)
  2. 研究を次の世代につなぐ …… 吉田 怜 (札幌市立八条中学校 理科教諭)
P 2号 (2018年3月11日)
  1. Memory of Hokudai …… Tika D. Atikah (Research Center for Biology, Indonesian Institute of Sciences)
  2. 学術研究から企業の研究へ …… 杉目 康広 (住化エンバイロメンタルサイエンス㈱)
P 創刊号 (20017年12月25日)
  1. 環境科学院での経験から …… 田原沙弥香 (一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構)
  2. GSES - The Shaper of Environmental Scientists …… Md. Tajuddin Sikder, PhD (Assistant Professor, Jahangirnagar University, Bangladesh)


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(スイス実習でのローヌ氷河観測での1枚。筆者
は写真左、右は同コースの羽月さん)

16.1 環境科学院で学んだことが、今の自分に繋がっている

網野智美 (オルガノ株式会社 2019年3月修了)

 私は、地球圏科学専攻 雪氷・寒冷圏科学コースで修士生活を過ごしました。学部時代、自身の研究テーマと理科教育の2つに取り組んでおり、研究に没頭できなかったことが心残りであったことや、実際に現地に赴き、自然環境を体感できる本格的なフィールドワークへの憧れから本コースへ進学することを決めました。指導教員の飯塚先生には、専門知識のない私を一から丁寧にご指導頂き、本当にお世話になりました。研究ではグリーンランドのアイスコアに含まれる不溶性微粒子の解析に取り組みました。実際に自分でサンプリングした試料を研究することは叶いませんでしたが、野外行動実習やスイス実習、母子里実習と多くのフィールドワークを経験することができました。一方で、低温室でアイスコアの試料処理を行ったこと、分析室で黙々とサンプルを分析し続けたことも、大変ではありましたが今では良い思い出です。

 現在は水処理プラントエンジニアリング会社で働いています。水処理業界に興味を持ったのも研究を進めていく中で超純水のブランク測定に真剣に取り組んだことがきっかけの一つです。現在の仕事と直結していませんが、修士生活で経験したことが今の自分に繋がっていると振り返りながら感じています。これからも修正生活での経験を糧に、水処理技術で社会に貢献できるように日々精進していきたいと思います。


16.2 大好きになった北海道、なまら楽しかった研究生活

小林直貴 (環境物質科学専攻2014年修士課程修了) 信越化学工業株式会社 新機能材料技術研究所

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(小西先生とユタ大学にて)

 私が北海道を大好きになった理由は、土地の空気感、ジンパ、やき弁、ガラナ、サッポロクラシック、など挙げればキリがないのですが、全ては2年間の研究生活が充実したものであり、素敵な思い出として残っているからだと思っています。

 2年間の研究生活で最も印象に残っているのは、論文発表のネタとなる現象を発見したときの高揚感です。当時はM1の中間発表前でしたが、メインテーマの進捗が悪く、何か別のネタを探すために実験を繰り返していました。結果として、行き詰まった時に遊び感覚で試した実験が思わぬ発見に繋がったのですが、その時は嬉しくて深夜4時頃に走って帰宅したことを覚えています。この発見がなければ、その後の研究生活は全く違ったものになっていたであろうし、その後の人生も変わっていたと思うので、私にとって人生最大の発見だったと思っています。先輩方の先行研究に対する感謝と、たまたま引き当てた自分の運に感謝したいです。また、この成功体験を得たことで、現在も研究開発を行う上で”泥臭さ”と”遊び心”は大切にするようにしています。

 小西先生のご好意で沢山の学会に参加させて頂き、国内・海外色々な場所に行けたことも、とても楽しい思い出です。米国・ユタ州や中国・西安にも連れて行って頂きましたが、1番は北見に特急で5時間かけて行った学会が印象に残っています。北海道の広さに圧倒されました。また、論文発表の第一著者を頂けたことは忘れられない思い出であり、小西先生には深く深く感謝しております。

 環境科学院での2年間では、小西先生の学生の自主性を重んじる御指導のおかげで、私に欠けていた柔軟な発想を養うことができたと思っています。現在は民間企業で、半導体材料の開発に携わっています。とてつもないスピード感で研究開発を行なっていますが、小西研で学んだ”面白そうなことは取り敢えずやってみる”の遊び心を忘れず、楽しく仕事ができています。

 最後に、修士の研究生活が楽しく、少しでも博士課程への進学が頭にチラついた学生さんは、博士過程へ進むことをお勧めします。歳を重ねるごとに自由のきくうちに挑戦しておけば良かったと思うこともありますので、恐れずに挑戦してみて下さい。私はいずれ北海道に移住することを夢見て、日々の仕事を頑張っていきたいと思います。


岩﨑 藍子 (東北大学大学院生命科学研究科付属
浅虫海洋生物学教育研究センター 助教
2018年3月 生物圏科学専攻修了)

15.1 楽じゃなかった、けど楽しかった研究生活

 私が野田先生に博士課程に進学したいという相談をしたのは、2011年、修士を卒業して社会人4年目の秋のことでした。その後、2012年から2018年まで、予定よりずいぶん長く環境科学院にお世話になってしまいました。

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恩師と戦友と調査中の宿泊施設にて。
右から3人目が筆者。

 博士課程では、東北地方太平洋沖地震が磯の生物群集に与えた影響を調べており、月の満ち欠けに合わせてフィールド調査とデータ解析という両極端な日々を過ごしていました。フィールド調査は今時珍しい体育会系のチームプレイでした。体力的につらいこともたくさんありましたが、だからこそ一緒に調査した研究室の仲間とは戦友のような強いきずなが生まれました。一方データ解析は基本的に一人でパソコンと格闘するものでした。そこでは昨日できなかったことが今日はできるようになったという小さな小さな手ごたえが支えになっていました。こういった日々を先生に叱咤激励されながら積み上げ、何とか学位をとることができました。
 研究を楽しむということはそれほど簡単なことではないと私は思っています。高い志を持って挑んでも、自然の複雑さは我々の予想を悠々と上回ります。トライ&エラーの過程を最初から楽しめる人はそう多くないのではないでしょうか。さらに私は優秀な学生には程遠く、6年間の研究生活はもちろん順風満帆ではありませんでした。その間ずっと元気に楽しく過ごせたのは、先生と仲間のサポート、そして日々の知的刺激があったからだと思います。
 このような研究生活を通じて、私が環境科学院で学んだことは2つあります。一つは面白い研究をあきらめない姿勢です。研究を楽しめるようになるためのコツがあるとすれば、今面白くなくてもきっと面白くなる、きっと面白くしてやるという気持ちを持ち続けることだと思います。もう一つは、どんな学生も忍耐強く指導する先生の教育姿勢です。改めて不出来な学生にさじを投げずにとことんお付き合いくださった野田先生に心から感謝します。これらは今後の研究・教育活動にとっての財産であり、自身の研究室を持つにあたって私の信条となっています。


漢那直也 (日本学術振興会特別研究員PD)

14.1 環境科学院時代の特異的で恵まれた研究環境

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ソフトボール大会で仲の良い先輩と一緒に
(筆者は写真右)

 私は環境科学院で2015年に博士課程を修了しました。私はもともと沖縄出身で、琉球大学入学時まで、沖縄から外へ出たことがありませんでした。当時、琉大院への進学を考えていましたが、海外での単身バックパッカー旅行に憧れ、一念発起して休学を決意しました。とにかくお金が欲しかった私は、高時給アルバイトを始めました。ある時には、地球深部探査船「ちきゅう」の乗船アルバイト。一ヶ月間の船上生活で、研究の最前線を目の当たりにしました。またある時には、沖縄の某環境研究所の調査アルバイト。マングース罠の設置・回収など、現地調査を経験しました。半年間で貯めた100万円を握りしめ、念願の単身バックパッカー旅行へ出かけました。
 帰国後、海外で経験したことよりも、乗船アルバイトで経験した船上生活と、某環境研究所の現地調査で覚えた高揚感が忘れられず、船上で海の環境学を学びたいと、漠然と考えるようになりました。様々な大学院を調べましたが、「自分でフィールドに行き、自分で環境試料をサンプリングし、自分で分析する」ことの大切さを、当時の私にわかりやすく、明確に発信していた環境科学院に興味を持ちました。興奮冷めやらぬうちにと、環境科学院への進学を決め、大学院ではオホーツク海の流氷が関わる物質循環の研究に取り組みました。初めて流氷を見たときの衝撃は、今でも忘れることができません。海外で目にしたどんな景色よりも、流氷は美しく、ダイナミックでした。現在も、私は流氷が関わる研究を続けています。環境科学院で、魅力的な研究に出会い、刺激のある充実した人生を送っています。


小森田智大
(生物圏科学専攻2009年3月修了
熊本県立大学環境共生学部准教授)

13.1 環境科学院時代の特異的で恵まれた研究環境

 私は2006年から2009年までの3年間、生物圏科学専攻・海洋生物生産環境学コース(現:海洋生物生産学コース)で博士後期課程を過ごしました。当時の所属コースは、主指導教官の門谷茂先生をはじめ、工藤勲先生、久万健志先生、岸道郎先生といった錚々たるメンバーで構成されており、およそ海洋の低次生産に関わる全ての分野が幅広くカバーされていました。当時は、総勢40名程度の学生が同コースに所属しており、大人数で活気のあるゼミや突発的に開催されるジンパなど賑やかなものでした(私はジンパへの参加率がそう高い方ではありませんでしたが)。これらの経験は、私にとっての研究室(当時はコースという括りでしたが)という学びの場作りの原型になりました。
v13k  研究では、道東の火散布沼(「ひちりっぷぬま」と読みます)という汽水湖でアサリが生態系に与える影響を調べていました。今にして思えば、月に1回、車で片道8時間かけて移動するというのは正気の沙汰と言えるものではありません。ただ、当時は特に何の疑問もなかったので、これは私が北海道民から熊本県民に戻ったために発生する感覚のギャップなのかも知れません。(有)シーベックの柴沼氏や(株)西村組の山田氏といった現場調査のプロフェッショナルから調査のいろはをたたき込まれつつ、漁協からお借りしていた番屋で馬車馬のような充実した日々を過ごしたものです。現在は寒地土木研究所の研究員となっている梶原氏と結託して、指導教員の門谷先生には内緒の調査をたくさん画策していました。さして成果の上がらない中で、かなり自由に研究させて頂けたことに感謝しています。
 今になって気づくことは、あの当時に私が享受していた教育・研究環境が自分の研究者人生の中でも特異的であり、相当に恵まれていたということです。あれだけの環境を構築し、維持していくためには先生方の才覚もさることながら、膨大な時間、コスト、強い意思が懸けられていたことは疑う余地がありません。幸いなことに私は大学教員という職務についています。道程は途方も無く長いですが、あの当時を上回る研究・教育環境を学生に提供することが、キャリアを通した私の大きな目標の1つとなりました。


岩﨑健太郎
(地球環境科学研究科物質機能科学専攻
2006年博士後期課程了 指導教官 大谷教授
住友化学株式会社
先端材料開発研究所 主任研究員)
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欧州駐在中の旅行先Zeller湖(オーストリア)にて

12.1 改めて思い、考える「研究開発」の仕事

 貴学入学の志望動機は、私が当時鑑賞していたドラマ「北の国から」のイメージで、ゆったりとした時間を過ごして自然の環境に戯れて生活したいという極めて不純なものでした。が、そんな甘い考えは研究室に入って無残にも打ちのめされ、先生方の厳しい指導の下、ひたすら実験に追われる日々を送り続けました(笑)。ただ、そこは奮起して研究室の中で最も長く居残り粘り強く実験を取り組んだ結果、M1の秋頃に早々と成果が表れ始めました。そこで担当教官の先生(現・名古屋大学 鳥本 司教授)に「この結果をもって博士課程に進め。これからは博士の時代だ」と深夜1時過ぎまで熱く語っていただきました。周囲が就職活動を考え始める一方、私の中では就職先をどうするか、よりも”研究は面白い”という気持ちの方が勝っていたのでしょう。また将来に向けて私の唯一の野望は海外で勝負し、活躍することでした。「その点、博士号は世界に通用する資格だ」と先生談。悩んだ末に博士後期課程に進学することを決めました。初めての学会発表では、光触媒の研究分野において第一人者でおられ、Honda-Fujishima効果で世界的に著名な故・本多健一教授(当時・東京工芸大学学長)から「たいへん面白い研究ですね」と賞賛のお言葉をいただいたこと、またD2の初夏にフランスの国際学会へ申請していたポスター発表の形式から、開催側のミスで急遽口頭形式に変更になってしまい苦労の末、無事にプレゼン、質疑応答を終えたこと等、数々の思い出を今でも忘れられません。
 上記の研究生活はとてもチャレンジングでしたが、これらのかけがえのない経験は私の財産となり就社後もたいへん生かされております。入社して数年後に招集された大きなプロジェクトでは欧州の新工場の立上げや顧客との技術的交渉、また博士号取得者として欧米の学会発表や論文執筆を任されました。約6年の海外赴任生活を終えて国内の研究所に戻り、いまは未来を見据え新しい事業を探索、調査する業務を担当しております。上記プロジェクトは終焉を迎えましたが、一方で企業の中であれ「研究には終焉がない」事実を痛感しています。研究室在籍時に「なかなか結果を見出せない」「やっている研究の大義名分が見つからない」という悩みをよく抱えました。このような悩みは研究開発に関わっている以上ずっと付きまとうことでしょう。しかし「夜は必ず明ける」という精神を養ったおかげで、どんな状況であっても自然と前向きになれます。気候変動、感染症蔓延という未曾有の時代から問われているのは人間個々人のもつ想像力。これから起こり得る事を想像して、考え抜き、自分なりの答えを導いてゆく。そして周囲から批判され、また考え、よりよい答えへ、と思考を醸成し行動していく。これからも当時の初心を忘れず研究開発を通して世界を大きく動かすような人間をめざします。最後に、大谷 文章教授、研究室の皆様、冒頭の通り不純な動機で入学した私を温かく迎えいれて下さり、本当にありがとうございました。


出村沙代 (環境起学専攻2011年3月修了 株式会社たがやす取締役 京都精華大学/大手前大学非常勤講師)

11.1 環境科学院で学んだ大切なこと

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大阪府公民戦略連携デスク主催「環境@創発
ダイアログ」におけるグラフィックレコーディング

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オフィス家具のイノベーションワークショップに
おけるグラフィックファシリテーションの様子

 VUCAの時代において、未来を見通すことは難しい、と頭では理解しながら、研究においても生き方についても悩むことの多い学生時代を送りました。そんな私にとって、環境科学院は、一緒に悩んだり、時に厳しいフィードバックを伝えてくれる仲間や、実践での試行錯誤も見せてくださる先生方と出会えた貴重な場でした。
 持続可能な社会を考える中で、私の関心は、環境教育に向かいました。その中でも「どのようにすれば、人は環境配慮行動や、この社会が持続可能であるための行動とるようになるのか」がテーマでした。とはいうものの、大学院ではたくさんの方に支えて頂いたにも関わらず、社会に貢献できたという実感をもてないまま、悔しい、情けないという気持ちで卒業することとなりました。今、振り返ると、その時の気持ちは私の原動力の一つでもあります。
 学生時代に大切にして、今も自分の助けとなっていることは2つあります。。
1つ目は「探求し続けること」。探求するプロセスそのものが自分を育て、自分の血肉になるからです。2つ目は、「行動しながら考えていくこと」。変化の早い世界では、一歩目を踏み出して小さくでも行動しながら、考え、そこに意味づけて繰り返していく力が求められます。
 環境科学院では、様々な専門、実践をお持ちの先生方がいること、そして、目的、目標の異なる同期と過ごせたことで、「自分の専門から物事を見るとこのように見えるのだ。」「相手の専門から見るとどのように見えるのか。」といった、物事を多角的に捉える素地を習得したように思います。また、考えるだけで行動に移せなかった自分が、行動しながら考えていくことができるようになっていきました。指導教員の小野有五先生をはじめ、藤井先生や山中先生には特にお世話になりました。
 現在、組織開発や、行政の会議での伴走を仕事にしています。話し合う方々の関係性が良くなければ本音では話せません。建前の議論をしても本質的な話にはたどりつかないので、模造紙に議論の内容を絵や図解で見える化するグラフィックファシリテーションの技術を用いながら「関係性を築き」「各々の専門性を受け止め合い」「共通言語をつくり」「方向性や納得解を導き出す」ことを、数年かけて進めていくプロセスをデザインするのが私の仕事です。最近では、SDGs関連の企業案件も増えています。社員の専門性の習得や、売上や社内変革に繋がるような組織開発が求められています。
 答えのないテーマに取り組む際、学生時代に身につけた探究心や行動力が私を支えています。また、異なる分野に来たことで、大学院時代に習得した専門知識や物事の見方との掛け合わせが、自分にしかないオリジナルのスタイルを生み出していると感じます。未来の見えない今の時代、自分一人でできることには限界があります。人生100年時代、過去の経験がどのような形で結びつくか誰もわかりませんが、大切なことを持ち続けていることで生まれることがあると信じ、小さく試行錯誤を繰り返して仲間との共創を続けていきたいと思います。


福田朔也 (アジア航測株式会社 地球圏科学専攻 雪氷・寒冷圏科学コース 2019年3月修了

10.1 大学院時代を振り返って

 私は、北海道大学院地球圏科学専攻雪氷寒冷圏コースで、大気陸面相互作用研究室に所属させていただき、地表付近の乱流について研究していました。指導教員の渡辺先生には、在学時代決して良い学生とはいいがたい私を担当していただき、本当にお世話になりました。
 せっかくの機会なので真剣に修士2年間を思い返してみたのですが、研究室内のことはもちろん、野外での活動のことも多く印象に残っているように感じました。雪氷寒冷圏コースでは、フィールドワークを想定した野外での実習も多く、寒冷地での観測をはじめ、ロープワークなど現地での行動の基礎となる知識まで教えていただくことができました。この時の野外実習での経験が仕事で活かされることが意外に多く、この時の経験が、現場での調査の多い現在の職場につながっているような気がしています。そんな野外実習ですが雪氷寒冷圏コースや環境科学院の学生だけでなく他の学科の学生の参加も多く、全く違う分野の学生の話を気軽に聞ける機会でもありました。普段、触れることのない分野の話は、新鮮でとても魅力的に聞こえ、普段より意識しながら聞いていたことを覚えています。このような他分野の人との交流は、実習に限った話ではなく、談話室で違う研究室の先生と話したり、海外から来た学生をジンパで迎えたりなど、今となっては簡単にできないことも頻繁に行っていたような気がします。そんな中で聞く話は、何気ないものでも興味深ものばかりでした。本当に、周りの人のおかげで楽しい2年間を送ることができたと思います。
 以前職場の上司から、「お前の話し方はフランクすぎるが、人の話を考えながら会話し、相手の理解を意識しながら会話を進める技術は長所だと思っている。」といわれたことがあります。この考えながら会話をしていくという力は間違いなく修士2年間で幅広い分野の人の話を聞いてきたからこそ身についたものであると思っています。入社当時「職場では、学生時代身につけた知識もほとんど使わないかもしれません」と言われたことを今でも覚えています。確かに、仕事(選ぶ仕事にもよるかもしれませんが)では学生時代専門知識を使うことは少なく、入社してから覚えることの方が多いくらいです。ですが、修士時代の知識や経験は、使わないから無駄なのではなく、現在でも考え方の基礎として活かさせていると思っています。これからもこの2年間での経験を忘れず、たまには振り返りつつ活かしていければと思っています。


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[写真] 現職で狩猟免許更新講習の
講師をしている様子 (2018年)

森本 祥子 (兵庫県職員 林学職)

9.1 研究から行政へ

 私は、保全生態学を学ぶために森林圏環境学コースに進学し、2年間エゾシカの分集団構造に関する研究に取り組みました。指導教員の齊藤隆教授をはじめ森林圏環境学コースの先生方、研究室の皆さんには大変お世話になりました。特に齊藤教授には、研究を通して、私に欠けていた“自分自身で考え、その考えや疑問を発信する”姿勢を鍛えていただき、それは現在の仕事をする際にも非常に役に立っていると感じています。また、研究を通して、実験や分析以外にも様々な経験をさせていただきました。例えば、猟友会の狩猟者の方に文書や電話でサンプリングをお願いしたり、エゾシカの管理について学ぶために道庁の有識者会議を公聴させていただいたりする機会等、たくさんのことを勉強させていただきました。本当に2年間が終わってしまうことが惜しいと思うほど、充実した学生生活を送ることが出来ました。
 現在は、兵庫県の林学職員として、森林や鳥獣業務に関する業務に携わっています。現在の施策が未来の自然環境に大きく影響を与えるため、私たち行政マンが自然科学を理解しようとする姿勢が非常に重要であると感じています。多くの研究者の方々が保全に関する研究に注力しています。私自身も学ぶことを止めず、行政と研究を結びつける役割を担える存在になれるよう邁進していこうと思います。


川口 俊⼀ (2001年修了 北海道大学大学院国際食資源学院 准教授)

8.1 北海道大学大学院地球環境科学研究科で得たもの

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写真 開発したワインの風味センサとワインの試飲試験会場

 環境科学院の前身である⼤学院地球環境科学研究科の第一期生として最後の博士号の学位を2001 年に取得しました。大学院設立当初は、専攻ごとのしばりがなく、環境に関する様々な分野の先生の講義を受講することができたおかげで、物質科学のみならず、生物や気象、大気などに関する知見を得ることができました。そのおかげで、現在、北海道大学大学院国際食資源学院で幅広く様々な先生とコラボレーションすることが出来ました。
 物質科学では、高度な化学に関する知識を学ぶことが出来ましたし、指導教員の嶋津教授は様々な技術開発に挑まれて、唯一の博士課程の学生だった私が装置開発などに携わり、工学に関する知識を修得することができました。心残りだったことは、ガラス細工の技術に関しては、3ヶ月間毎日修行したのですが、その技術を習得するに至らなかったことでした。
 化学・工学に関する知識・技術・経験を得たことで、その後の人生において、大きな自信となりました。卒業後に、アメリカ・エネルギー省エイムス研究所に就職して、一見、超高度な技術を持った研究者たちに囲まれて、たいへんな所にきてしまったと思いましたが、北海道大学で学んだ技術の高さが彼らの技術よりも実は優れていたことが分かり、堂々と活躍することができました。
 現在の国際食資源学院では、農業・畜産・水産・水環境・土壌環境に関する研究を推進しています。私の研究室も10名程度の修士・博士の学生たちと博士研究員がおり、数多くの産学連携・国際連携プロジェクトが行われています。国際的な視野を持って、分野にとらわれない幅広い研究活動ができるのも、地球環境科学で学んだ経験が大きく役立っております。今後も環境科学の視点から国際食資源学という新しい学術分野を確立していくことを目指します。


山田健太 (山田産商株式会社 代表取締役 平成22年3月環境起学専攻修了)

7.1 環境科学院で学んだことは人生の財産

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写真:「エコプロダクツ」で大学キャンパスの環境負荷の低減に向けた北大の取組を
紹介したブースでの出典の様子

 2008 年上半期、リーマンショック前ということもありメディアでは毎日のように「地球温暖化」というワードが飛び交い、『不都合な真実』がベストセラーになるなど、とかく地球の環境問題が取り沙汰される時代でした。今となっては少し恥ずかしいですが、その影響を受け環境科学院への進学を決め、修士課程2年間、指導教員の藤井先生をはじめ様々な方々にお世話になりました。修士1年からたくさんの授業を受け、実習にも参加しました。東京ビックサイトで開催された、国内最大級の環境展示会「エコプロダクツ」に研究室の枠を超えて参加したことも、とてもいい思い出です。
 様々なことに自分では懸命に取り組んでいたつもりではありましたが、論文の研究内容がなかなか決まらずとても悩んだことを今でも憶えています。修士2年になりようやく研究内容が決まり書き始めたのが、「大学キャンパスにおける有機性廃棄物の学内循環システムの導入可能性検討」という論文です。この論文では生ごみの排出量など論文に必要なデータをいただきに、北大構内の関係機関はもとより、さまざまな公官庁等に伺うことになるのですが、当時の社会常識のない私にとっては、とてもハードルの高いことでした。
 現在わたしは地元の当別町で家業を継ぎ4 代目の社長として日々奮闘しているのですが、田舎の企業というのは仕事だけでなく、地域の諸課題の解決に取り組まなければならないという使命も持っています。そのために公官庁職員や町長、代議士の先生、農家、NPO 法人などさまざまな方々とコミュニケーションをとらねばならず、その能力は環境科学院時代の研究論文作成を通して鍛えていただき、現在自分の中の財産となっています。
 環境科学院の学生さんには研究とは関係のない就職をする方も多くいらっしゃると思いますが、何事にも自主性をもって積極的に取り組んでいただき、環境科学院で学んだことを将来へと繋げていただきたいと思います。



坂崎 貴俊 (京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 助教)

6.2 環境科学院の良き文化を思い出しながら

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[左] 修士のソフトボール大会にて. [右] D論発表後の打ち上げにて

 学部4年(理学部地球科学科の卒業研究)から博士課程まで計6年間,大気海洋物理学コースに所属し,地球大気の日周期変動についての研究を行い学位を取得しました.一貫してご指導くださった藤原正智先生には本当にお世話になりました.とりわけ,学部生の頃に身近な気象観測を行うことを勧めてくださり,そのお陰で現在も続く研究テーマに巡り合えたことは幸運中の幸運でした.
 北の大地でのびのびと研究に勤しめたのは,研究室での生活が非常に居心地の良いものだったからに他なりません.環境科学院では横の繋がりが非常に強く,研究室の垣根を越えた多くの仲間に恵まれ,ソフトボールにジンパ,時にはキャンプなど,学外でも楽しい時間を過ごすことができました.先生方についても然りで,例えれば御近所の皆さんに手厚く面倒を見て頂いたというような感覚があります(長谷部文雄先生とは毎週晩ご飯にご一緒させていただき,色々なお話を聞かせていただいたりもしました…).
 卒業後は5年間のポスドク生活を経て,御縁あって昨年度から大学教員として働いています.これまでのように自分の研究が最優先というわけにはいかず,教育というもう一本の大きな柱が加わりました.担当する演習等の準備は想像以上に大変ですが,専門外のことも含めて自分自身が勉強し直す良い機会になっています.青二才の暗中模索が続きますが,その根っこには環境科学院の良き文化・雰囲気が理想形としてあります.楽しんで研究・教育を行えるよう,またそんな環境を作れるよう,今後とも日々精進したいと思います.



赤坂 宗光 (2006年3月修了 東京農工大学 准教授)

5.2. 頭と体をつかった学究への道
Akasaka

修士課程・博士課程・博士研究員として地球環境科学研究科に在籍していた併せて6年3カ月の間、「なぜ非在来植物(カラマツ)が在来植物よりも多く分布するか?」という課題に取り組みました。ご指導いただいた露崎先生や同講座の教官陣・諸先輩方からは研究に関わる知識・技術から研究者・教育者としての心得まで本当に多岐にわたることを学ばせていただきました(特に露崎先生の影響は強く、自分が研究室を持った際の机の配置が先生の居室のそれを無意識に模倣していたことには自分でも驚きましたが)。また、多くの先輩・同輩が長期間フィールドに出ていたため当然のように感じていましたが、年によって100日以上を調査地(渡島駒ケ岳)で過ごせたことは、研究室では得られない体験を通して多くのことを学ぶ上で本当に貴重だったと改めて思います。大学の教員になり、学生の柔軟な発想に刺激を受ける日々を送っていますが、野外活動を含め様々な意味での経験・体験が少ない学生が多いことが気にかかっています。近頃の大学生・大学院生は何かと忙しそうですが、いろいろな形で、頭だけでなく体を使って学ぶことの楽しさ・大切さを伝えていきたいと考えています。



近藤 広隆 (積水化成品工業株式会社)

4.2. 環境科学院で培った考え方で、社会に貢献する

Kondo
ジンギスカンパーティ風景 (2012年)

 学士課程において、木材のプラスチック化の研究をしていたこともあり、エネルギー貯蔵や種々の生理作用に関わる多糖類に興味を持っていたため、環境科学院に進学しました。
 修士課程に在籍していた2年間、ワクチン等への応用が期待されている、細菌の一部を構成する天然化合物の合成研究を行っていました。“合成したものを原料に、次の合成をする繰り返しの中、途中で失敗して振り出しに戻ること”や“反応や分離作業が順調に進まず、終電を逃して泊まりになること”など苦い経験をした一方、有機合成をはじめとする専門知識を深め、かつ、チャレンジ精神を養うことができ、とても価値のある時間を過ごすことができました。また、院内で開催されたジンギスカンパーティーでの学生交流や、留学生と一緒に行った海外旅行もいい思い出です。指導教員の坂入先生、環境科学院の皆様には大変お世話になりました。
 現在は民間企業で、プラスチック発泡体の研究開発に携わっています。発泡体は大部分が空気で構成され、高リサイクル率で環境に優しい素材、という点に魅力を感じたためです。大学院では、多くの専門分野に触れる機会があり、環境視点で考えることを知ることができました。それは、どのように使用されるか?その後はどうなるのか?生態系への影響は?など、単にものをつくるだけではなく、広い視野で考えることです。この考え方を大切に、プラスチック素材の力で社会に貢献できるよう、邁進していきたいと思っております。



吉田 怜 (札幌市立八条中学校 理科教諭)

3/2. 研究を次の世代につなぐ

 大学生の時は、理科教育を学びつつ、研究テーマとして大学構内の水質調査を行っていました。ただ、調査をしながらいつかはもっと大きな規模でのフィールド観測を行ってみたいという思いが強くありました。そこで決心して、環境科学院の修士課程に進学をしました。今までと畑違いで専門知識も乏しい中、研究を進めることは大変でした。しかし、熱心にご指導していただいた指導教員の亀山宗彦先生をはじめ、同じ研究室の諸先輩方、環境科学院の先生方や環境研究所など多くの方々に支えられたおかけで、過ごした2年間は本当にかけがえのない経験の連続でした。
 研究では、陸域植物や海洋生物から放出される炭化水素であるイソプレンの研究を行いました。南極航海を含む2回の研究航海に参加し、溶存イソプレンの分布や植物プランクトンの群集組成を比較することにより、イソプレンの分布を制御する要因を調べました。現在は、中学校の理科教員として勤務しています。もちろん研究内容と今教えていることはすべてが一致するわけではありません。しかし、教えるときには私自身が研究を通して学んだことが基礎になっています。そして何よりも学問を探求することの楽しさや難しさ、体験したことを一つでも多く、次の世代の子どもたちに伝えることがこの経験を生かす一番の役目だと思っています。これからも目の前の子どもたちに科学の楽しさを伝えると共に、特に海洋に関する次世代の研究者が生まれるように種をまいていく活動をしていきたいと思います。



杉目 康広(住化エンバイロメンタルサイエンス㈱)

2/2. 学術研究から企業の研究へ

環境科学院には修士、博士課程を通じて5年間在籍していました。指導教員の三浦徹先生(現 東京大)をはじめ、研究室の先輩後輩、生態遺伝学コースの方々と過ごした日々は今でも覚えています。学生の時は、シロアリの兵隊アリに見られる特徴的な形態がどのようにして作られるのか?という疑問に答えるために日々研究していました。研究データは室内での実験により得られるものがほとんどでしたが、実験材料のオオシロアリを採集するために屋久島まで行くこともありました。実際にフィールドに出ることで、自分が扱っている生き物がどのような環境で、どのように生息しているのかを体感することができましたので、年に一度のシロアリ採集は最も印象に残っている思い出の一つです。
 現在私は民間企業で殺虫剤の研究開発をしています。大学で行ってきた研究と大きく異なる点は、実際に「もの」を作るところがゴールであるということです。そのため、今では生物学だけではなく、有機化学、無機化学、分析化学といったこれまでの専攻以外の分野について勉強することが多くなりました。しかし、基本的には昆虫や材料(物質)が示す様々な特徴に着目することから始まり、そこから仮説を立てて実験するという研究の流れになるため、やっていることは根本的に変わらないのかなとも感じています。学生のとき三浦先生には「面白い現象を見つけろ」とよく言われました。活動の場が変わり、生物以外の視点も求められるようになった今だからこそ、この言葉は強く印象に残っており、そしてこれからの仕事に活かせられるようにしたいです。



田原沙弥香 (平成23年3月環境起学専攻修了)

1/1. 環境科学院での経験から

 環境科学院では、専門的な知識をもちながら学外・社会とつながる研究や活動がしたいと思い、研究地を当時JR北海道が運営していた温泉や、夕張の観光ホテルの温泉でデータ収集や測定をさせて頂きました。小さな事ですが、その研究結果は温泉施設でのポスター掲示や新聞へ掲載していただく事ができ、社会とのつながりを感じた経験でした。また、在学中には学外の環境関連施設の見学会を自分で企画する機会があり、ほぼ1人で内容検討から広報、当日の進行まで行いました。この一連の流れを、特に学外の場にて自分で出来た達成感が今の仕事を進める自信と推進力につながっています。
 現在、北海道再生可能エネルギー振興機構にて、地球温暖化防止や地域の活性化に資する再生可能エネルギーの普及支援活動を行っており、北海道に豊富にある資源を活かしたエネルギー循環を地域に広げたいと取り組んでいます。指導教員の藤井賢彦先生をはじめ、環境科学院の先生方を通じて築いた人脈のおかげで今のお仕事をさせて頂いており、私にとって大変貴重な学生生活を送る事が出来ました。
 大学・大学院は自分次第で様々な経験が出来ると思います。是非この環境を活かし積極的に挑戦してください。


環境科学同窓修了生講演会演者の方たちから頂いた感想です。

 HC講演会


2020年 (コロナ対策のため中止)

2019年9月27日

HC
瀧澤 愛美さん

瀧澤 愛美さん (味の素冷凍食品株式会社 関東工場 開発導入グループ)

 この度はホームカミングデーにお招きいただき有難うございました。
 今回の講演を行うにあたり、自身の大学院での生活や就職活動の時の気持ちを振り返ってみると現在の自分のルーツの殆どは北大にあることを改めて実感致しました。
 また、懇親会では卒業前と変わらない先生方、フレッシュな後輩の皆様とお話しでき大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。
 今後も皆様の頑張りに恥じぬよう、冷凍食品事業を通して社会に貢献していけたらと思います。どうも有難うございました。

HC
二階堂 華那さん

二階堂 華那さん (農林水産省 大臣官房広報評価課 企画班総括係長)

 この度は、ホームカミングデーでの講演という、貴重な機会をくださりありがとうございました。
 懇親会も含め先生方や在学生の皆さんとご一緒させていただく中で、自分が卒業した後も、たくさんの学生が後から続いて学びに来て、大学が変わらずにあることがとても嬉しく思いました。
 これからも、環境科学院の卒業生として、良い仕事をしていけるよう頑張りたいと思います。

HC
中谷 理愛さん

中谷 理愛さん (北海道電力)

 学生さんたちの真摯な姿や、久しぶりのキャンパスに身が引き締まる思いでした。
 どんな分野に就職したとしても、大学や大学院での経験は皆さんのこれからの支えになると思います。大学院生活を満喫し、たくさんの事に挑戦してみてください。 またお会いできることを楽しみにしております。

HC
三浦 裕紀さん

2018年9月28日

KS
杉原 幸樹さん

杉原 幸樹さん (1999年修了)

 今回は講演という機会をいただきありがとうございます。少しでも在校生のプラスになれば良いと思います。私にとっては久しぶりの環境科学科で、変わらないところ、変わったところ色々見られて楽しかったです。私が学生時代指導下さった先生も駆けつけていただき、懇親会含めて懐かしい話ができました。今後とも環境科学院の益々のご発展を心よりお祈りしています。


上野 晃生さん (2006年修了)

HT
上野 晃生さん

ホームカミングデーに初めて参加して
 2006年3月に、当時の名称である「地球環境科学研究科」の大学院博士課程を修了しました「上野 晃生」と申します。この度、北海道大学ホームカミングデーに初めて参加しました。実は以前から、北海道大学で同窓会のような公式行事が一年に一度開催されていることは知っておりましたが、現在の職場が札幌市から大変遠い場所にあり、気軽に同窓会に参加できる環境ではないため、ホームカミングデーに参加する機会を逃しておりました。

 仕事の関係で、大学院博士課程在籍時代にお世話なった先生と再び繋がりができ、「北海道大学の卒業生として、環境科学院の在校生に何か話して欲しい」という依頼を受けました。依頼を受けてから過去のホームカミングデーのホームページを拝見すると、偉大な先輩方ばかりが講演をされており、「自分なんかにこのような重要な役が務まるのだろうか?」とかなり心配になってしまいました。卒業後の自分の経験や、大学院の時に学んだことが、社会に出てどのように活かすことができるか。現在、大学院に在籍されている皆さんに少しでもためになる話になればと、発表内容は直前まで悩んでしまいました。

 発表の内容ですが、大学院博士課程時代のこと、研究で一時挫折してしまったことや、休学して青年海外協力隊に参加したこと、指導教官との思い出、卒業後に実際に研究者としてやっていく話、現在の職場での研究テーマなど、内容は多岐に渡り少々まとまりに欠ける内容だったかと思います。立派な内容を話すことは全くできませんでしたが、自分が経験した失敗を、できれば在校生の皆さんにはしてもらわないような内容を心がけてみました。

 夜の懇親会にも参加させていただきました。環境科学院の先生方や大学院の学生の皆様が準備されたこじんまりとした会でしたが、かつて自分も昼食で通ったことのある生協食堂の2階でした。自分の大学院在籍時にお会いしたことのある先生方とお話をする機会もあり、大学院博士課程時代のことを思い出す良い機会となりました。

 今回は講演する立場として、初めてホームカミングデーに参加させていただきました。このような貴重な機会を提供してくださいました環境科学院の先生方やスタッフの皆様に感謝申し上げます。いつになるか分かりませんが、またホームカミングデーに参加できればと考えております。

HT
谷内 秀久さん

AO
岡本 彩加さん

岡本 彩加さん (2014年修了)

 最近の就活生は、売り手市場で有利と言われていますが、就活中の不安は昔も今も変わらないと思います。環境科学院を卒業して社会人となった過程をお話ししただけですが、懇親会で在学生の方から参考になりましたとおっしゃっていただけて良かったです。

2017年9月29日

山田安秀さん
 ホームカミングデーにお呼びいただき、久しぶりにエルムのキャンパスの空気に浸りました。 講演内容がお役に立てたかは分かりませんが、行政官にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。 打ち上げの ビールとジンギスカン、懐かしく、また最高でした。 アレンジいただいた関係の皆様、有難うございました。北大と環科研の益々のご発展を祈念します。
講演の様子
Portrait Portrait Portrait
山田安秀さん(2017年)___中山桃子さん(2016年)___田原沙弥香さん(2016年)
2016年9月23日

田原 沙弥香さん
 現在の再生可能エネルギーに係るお仕事をさせて頂いているのは、指導教官である藤井先生と環境科学院で過ごした日々のおかげなので、とても感慨深かったです。講演の機会を頂き、ありがとうございました。
中山 桃子さん
 ホームカミングデーに参加させていただきましてありがとうございました。簡単ではございましたが、今回はビジネスから見た気象情報についてのお話させていただきました。今後とも環境科学院で学んだことを糧とし、気象を通じた社会貢献を続けていきたいと思います。

 環境科学交流会 -35年の歩み-, 同窓会設立記念祝賀会


10月6日(土) 15:00-19:00 環境科学院D201教室等, ファカルティハウス「エンレイソウ」 参加者96名

 本大学院は、1977年に「環境科学研究科」として設立され、1993年には「地球環境科学研究科」、2005年には現在の「環境科学院」として発展してきました。そして、丁度35周年の節目の年にホームカミングデー2012を迎えることとなりました。
 10月6日(土)は、第1部として本学院講義棟において「環境科学交流会-35年の歩み-」を開催しました。学院エントランスに設けた受付から講義棟に向かう長い廊下には、まず、本大学院の35年間の「年表」を展示しました。「年表」に続く17枚のパネルには、同窓生の皆さまからご提供いただいた、本大学院のこれまでの様々な活動を紹介する「写真」を展示しました。中には現教員の若き日の姿の写真もあり、廊下には明るい笑い声が響いていました。そして、講義棟D101教室では、環境科学院の4専攻のコース紹介(20コース)のパネル展示を行いました。

コースの説明は、現役の学生たちに担当してもらいましたが、ご来場いただいた歴代の科長、院長の諸先生方も熱心に聞き入ってくださり、若い学生たちに温かいエールを送ってくださいました。これに引き続き、D201教室で「35年の歩みを振り返る」と題して「講演会」を開催しました。
 第2部として、ファカルティハウス「エンレイソウ」に会場を移し、本年度より設立しました「環境科学同窓会」の設立記念祝賀会を開催しました。祝賀会では、佐伯 浩総長が祝辞を述べ、三上 隆理事・副学長が乾杯の発声を行いました。OG、OBのみならず、元教員の先生方、現役学生、現教職員も参加し、終止笑顔が絶えない、和やかで、楽しい祝賀会となりました。本学の中では、まだまだ歴史の浅い同窓会ですが、これからの飛躍の第一歩となる素敵なひと時を過ごすことができました。

Talk
講演会の様子

Talk
コース紹介のパネル展示

北大時報

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