北海道大学 大学院 環境科学院

環境科学の座標軸を提示する

巨大な海洋渦が暖かい海水を南極大陸方向へ運ぶ

2021-10-27

東南極で最大級の規模を有するトッテン氷河の周辺域では,近年,氷床質量の減少が報告され,また,将来の大規模な氷床流出も懸念されています。本学院地球圏科学専攻の青木茂准教授(低温科学研究所)は,国立極地研究所の平野大輔助教,東京海洋大学の溝端浩平助教,水産研究・教育機構の佐々木裕子研究員らと共に,水産庁漁業調査船「開洋丸」および南極観測船「しらせ」により実施された大規模な海洋観測で取得した現場観測データと衛星観測データを統合的に解析し,トッテン氷河の沖合に定在する巨大な海洋渦が,比較的温度の高い海水を効率的に南極大陸方向へと輸送していることを明らかにしました。氷河末端に流れ込む暖かい海水は,氷床を下から融解することで氷床流出の引き金となるため,本成果は,氷床の質量損失が加速するトッテン氷河域での質量損失プロセスの包括的理解につながると期待されます。

 

この研究成果は,2021年8月6日付けで「Communications Earth & Environment」誌に公開されました。

 

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。

巨大な海洋渦が暖かい海水を南極大陸方向へ運ぶ 東南極トッテン氷河を下から融かす主要な熱源(PDF)

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