北海道大学 大学院 環境科学院

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【プレスリリース】川の中の藻類が、陸の上の“食う‐食われる”関係まで左右する

2017-10-12

生態系は、別の生態系から運ばれてくる資源に支えられています。例えば、河畔域に生息する陸上捕食者(鳥、昆虫など)は、陸上の生物に加え、河川から羽化してくる水生昆虫をエサとして利用します。しかし、こうした「生態系間のつながり」は広く知られている一方、河川内で生じた変化が、陸上生態系にどれほどの影響力を持つのかはよくわかっていません。今回、本学農学研究院の照井慧研究員、中村太士教授、本学院環境起学専攻の根岸淳二郎准教授、博士後期課程の渡辺のぞみさんからなる研究グループは、河川内の藻類生産(一次生産)の影響に注目し、隣接する陸上生態系(砂礫河原)への波及効果を調べました。その結果、川の中の藻類生産の増加は、羽化昆虫を介して陸上捕食者(オサムシ科甲虫)の増加をもたらすだけでなく、砂礫河原上のエサ資源(人為的に添加したエサ)の減少にまでつながることがわかりました。
以上の成果は、ある生態系の基盤の変化が、隣接する別の生態系の“食う-食われる”関係にまで波及することを野外で示した数少ない研究事例です。
本成果は、生態系生態学に関する国際誌『Ecosystems』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
川の中の藻類が、陸の上の“食う-食われる”関係まで左右する(PDF)

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