北海道大学 大学院 環境科学院

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世界自然遺産・奄美群島の多様性は足元から!全維管束植物のモニタリング起点データを提供

2023-02-06

2021 年にユネスコ世界自然遺産に登録された奄美群島は、その植物相の豊かさや特異性でもよく知られています。今後、世界自然遺産を効果的に管理するためには、植物相の特徴を定量的に評価し、その多様性に影響する要因を明らかにすることが必要です。国立環境研究所、鹿児島大学、北海道大学、琉球大学、九州オープンユニバーシティの研究グループは、奄美群島、沖縄島北部、南九州における計 16 地点の全維管束植物を対象とした植物群落の比較から、奄美群島の植物相の特徴を明らかにしました。本学院からは、生物圏科学専攻の相場慎一郎教授(地球環境科学研究院)が参加しています。具体的には、奄美群島の植物相は、周辺地域と比べると常緑広葉樹やシダ植物が豊富で、熱帯・亜熱帯で多様化している分類群が多くみられるという特徴を持っていました。加えて、草本層は絶滅危惧種・固有種の割合が高く、地域の種多様性を特徴づけるものでした。また、奄美群島の植物相は地史的な要因に加え、気温などの環境要因にも規定されていることが明らかになりました。

本研究は、奄美群島の植物多様性を、草本層を含めて定量的に評価した初めての研究です。そして、今後の世界自然遺産モニタリングの起点データを提供しています。本成果は、2023 年 1 月 11 日付で Wiley から刊行される生態学分野の学術誌『Ecological Research』に掲載されました。また、得られたデータは 2022 年 7 月 19 日付『Ecological Research』に掲載され、公開されています

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
世界自然遺産・奄美群島の多様性は足元から!全維管束植物のモニタリング起点データを提供(PDF)

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