北海道大学 大学院 環境科学院

環境科学の座標軸を提示する

2018年度公開講座 化学物質から読み解く過去・現在・未来の地球環境

2018-06-08

平成30年度公開講座 化学物質から読み解く過去・現在・未来の地球環境

パンフレット

公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 大 原  雅》

 現在,我々は,地球温暖化,オゾン層破壊,大気・水質汚染,生物多様性の低下など,様々な地球環境問題を抱えています。これら地球環境問題の多くは,化学物質に起因し,今後,深刻化すると,我々の日常生活だけでなく,将来の世代にも重大な影響を及ぼす可能性があります。このため,将来の地球環境を守る上で,これまでの環境状況を正しく認識し,変化の要因や機構を理解する必要があります。
 本講座では,地球環境問題に関わる大気,海洋,陸域の化学物質の性質や振る舞い,人間を含む生物活動との関係などについて,本大学院に所属する6名の教員が最新の研究成果を含めてわかりやすく解説し,過去・現在・未来の地球環境に関する理解を深めることを目指します。各講義では,野外調査におけるユニークな研究の方法や出来事なども紹介します。また,地球環境問題に対する地域特有あるいは世界的規模での対策等に関する話題も提供します。多くの皆さまのご来聴をお待ちしています。

【公開講座要領】

  1. 開講時期  平成30年8月21日(火)〜9月25日(火)(毎週火曜日)
  2. 実施場所  北海道大学大学院地球環境科学研究院(札幌市北区北10条西5丁目)
  3. 受講資格  満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴不問)
  4. 定  員   先着70名
  5. 受 講 料   3,500円(既納の受講料はお返しできません。)
  6. 修了証書  全6回の開講のうち,4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
  7. 主  催   北海道大学大学院地球環境科学研究院
  8. 後  援   札幌市教育委員会

【申込要領】

  1. 申込期間 平成30年7月11日(水)〜7月23日(月)【必着】
  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部教務担当

    〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
    電話 (011) 706-2204
    E-Mail kyomu (at) ees.hokudai.ac.jp

  3. 申込手続   申し込みは,下記の手順を全て行うことで完了します。

    1.仮申込【仮申込書】をダウンロードしてご利用下さい.
    2.先着順(定員70名)に本申込みの手続書類を郵送
    3.本申込み(受講料の納付を含む)
    4.手続き完了

  4. 詳細は,別紙「申込方法」を参照願います。

     

【その他】

  1. 会場には、駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
  2. 本公開講座は、平成30年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  3. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能です(受講料も減額となる場合があります)ので、希望される方は上記申込「1仮申込み」の際にお申し出ください。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《化学物質から読み解く過去・現在・未来の地球環境》

 

  ※講義題目をクリックするとテキストが閲覧できます。

第1回 8月21日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 助教 入野 智久
講義題目:「過去300万年間の東アジア気候と日本海化学物質循環の変遷」

概  要:日本海は約1500万年前にアジア大陸東縁部に形成されましたが,以来,その海底には延々と泥が堆積してきました。この長い間の東アジア地域の気候変動とそれに伴う日本海海洋環境の変動は,日本海の中の化学物質循環を変化させ,その変化が泥の堆積物に記録されて残っています。ここでは,最新の日本海海底掘削の成果に基づいて,遠い過去から現在にいたる東アジアの気候・海洋環境変遷史を紹介します。

第2回 8月28日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 山本 正伸
講義題目:「化学の力で古環境を読み解く」

概  要:地球環境と人類社会の将来を予測するうえで,過去の環境変動を知ることが重要です。本講義では,過去の環境をどのように復元し,その変動をどのように解釈してゆくのか,古環境学における方法を解説します。海洋,湖,泥炭地における調査と試料採取,実験室での化学分析,データの解析,他分野との協同等について,講師の実体験にもとづいて説明してゆきます。

第3回 9月4日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 教授 鈴木 光次
講義題目:「化学物質と海洋植物プランクトン」

概  要:海洋に生息する植物プランクトンの多くは,肉眼では見えない微細藻類ですが,光合成活動を通して,地球温暖化の主原因である二酸化炭素を陸上植物と同等の速度で固定し,海洋生態系の基盤を支えています。近年,その海洋植物プランクトンに異変が起きていると騒がれています。本講義では,海洋植物プランクトンの増殖等に影響を及ぼす化学物質に注目して,地球環境変化に対する同生物の応答をわかりやすく解説します。また,最新の研究成果や海洋観測手法なども紹介します。

第4回 9月11日(火) 講師:大学院保健科学研究院 准教授 渡辺 豊
講義題目:「地球温暖化パズルを解き明かす」

概  要:われわれはこの星・地球になぜ快適に住むことができるのでしょうか?奇跡のこの星の気候を支配する温室効果について理解するために,まず以下の項目について解説し,地球温暖化によって引き起こされる諸現象が絡み合った「地球温暖化パズル」を,皆さんと解き明かすことを試みてみたいと考えています。●地球の大きさを確認する●地球のエネルギー源を考える●地球と太陽の関係を知る●温室効果気体を考える●地球温暖化を考える

第5回 9月18日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 亀山 宗彦
講義題目:「雲を作る磯の香り」

概  要:海の近くを通ると潮風に乗ってきた磯の香りを感じた経験がある方も多いかと思います。この磯の香りには,海洋に住む微生物が作り出す気体が含まれている事がわかっています。その中でも硫黄を含む気体である硫化ジメチルは,空気中に含まれる自然由来の硫黄化合物の中で最も放出量が多い気体です。この硫化ジメチルは空気中での変質を受け雲を作る「種」となることが知られています。本講義では,磯の香りが雲の形成を経て大気環境にどのような影響を及ぼすのか,特に地球温暖化に対する負のフィードバック効果に関する研究を紹介します。

第6回 9月25日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 山下 洋平
講義題目:「深海を巡る化学物質」

概  要:深海探査や深海生物など,「深海」というキーワードを耳にする事が多くなってきました。深海の海水中には,塩の他にも様々な化学物質が溶け込んでいます。本講義では,深海の海水中に溶け込んでいる化学物質の中でも特に有機化合物に着目し,それらの炭素循環や気候に及ぼす潜在的影響や,深層大循環に伴う数千年スケールでの変化など,近年の研究から分かってきた事を紹介します。

講義時間は,毎回18:00〜19:30です。

※ 講師の都合により,講義日が変わる場合があります。

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    〒060-0810
    札幌市北区北10条西5丁目
    北海道大学大学院環境科学院/ 地球環境科学研究院
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