氷期最寒期のダスト飛来量を複数の南極アイスコアから復元
2020-03-16本学院地球圏科学専攻の飯塚芳徳准教授(低温科学研究所)は,国立極地研究所,東京大学大気海洋研究所,海洋研究開発機構ならびに英国ケンブリッジ大学等の海外大学の研究者らと共に,南極内陸のドームふじとドームCアイスコアに含まれる微粒子のサイズや形状,化学組成を一粒ずつ電子顕微鏡によって解析することで,最終氷期の最寒期(約2万年前)にドームふじに降下したダスト(陸域を起源とする微粒子)がドームCよりも約3倍も多かったことを初めて明らかにしました。また,同時期にドームCに飛来したダストの方が小さく扁平であることから,より遠くから運ばれてきたこともわかりました。これらの結果は大気大循環モデルによるシミュレーションとも整合的であり,その原因は,氷期のダストの主な起源である南米南部のパタゴニアからの輸送距離の違いであると考えられます。
この成果は「Journal of Geophysical Research -Atmospheres」誌に掲載されました。
詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
氷期最寒期のダスト飛来量を複数の南極アイスコアから復元~ダスト起源のパタゴニアからの輸送距離の違いを反映〜(PDF)