北海道大学 大学院 環境科学院

環境科学の座標軸を提示する

EESセミナー 12月3日

2019-10-29

EESセミナーのご案内です。どなたでもご参加いただけます。様々な見地から幅広い議論をいただけましたらありがたく思います。

  • 日時:2019年12月3日(木)15:00-16:30
  • 場所:地球環境科学研究院 D201

講演題目1「ハエの翅の模様が作られる仕組み 」

15:00-15:45 越川 滋行(生物圏科学専攻、生態遺伝学コース)

ミズタマショウジョウバエの翅 (撮影 越川滋行)

  生き物は様々な模様を持っている。模様がどのように形成されるのか、そして、どのように自然界で機能しているのか、については多くの未解明な点がある。私は共同研究者たちとと共に、翅に模様を持つ小さなハエであるミズタマショウジョウバエを用いた研究を行ってきた。どのような遺伝子の働きによって、またどのような仕組みで模様が作られるのかを理解することを目標としている。これまでに、模様を誘導するシグナルタンパク質の遺伝子と、メラニン合成に関わるタンパク質の遺伝子の働きや発現制御と進化について明らかにしてきた。さらに現在はトランスクリプトーム解析やゲノム編集などの技術を用いて、模様形成に関わる遺伝子ネットワークの全貌を明らかにしようとしている。

講演題目2:「ボルネオ熱帯林の多様な姿:標高・土壌条件による変異」

15:45-16:30 相場 慎一郎 (生物圏科学専攻、多様性生物学コース)

ボルネオ島のキナバル山 (撮影 相場慎一郎)

  マレーシア・ブルネイ・インドネシア3か国にまたがるボルネオ島は、世界でもっとも植物多様性が高い場所のひとつである。多様性には1か所での多様性(アルファ多様性)と場所による種の入れ替わりによる多様性(ベータ多様性)という2つの側面があり、ボルネオ島の熱帯雨林はいずれの多様性も極めて高い。ひとくちに熱帯雨林といっても、まず湿地林と非湿地林に分けられ、さらに非湿地林は標高と土壌条件によって異なる森林タイプに分けられ、生育する植物種は大きく異なる。マレーシア領ボルネオ、サバ州には東南アジア最高峰のキナバル山(4095m)があり、高標高域には熱帯山地林という日本の照葉樹林に似た森林が存在する。また、砂質土壌上に成立する熱帯ヒース林や蛇紋岩地の森林など、多様な非湿地林が存在する。山地や特殊土壌上の熱帯雨林ではしばしばマキ科・ナンヨウスギ科の針葉樹が優占し、通常土壌上の熱帯低地林でフタバガキ科広葉樹が優占するのと対照的である。本講演では、このような多様な熱帯雨林の姿について紹介する。

連絡先:北海道大学大学院地球環境科学研究院 生態遺伝学分野 越川滋行
koshi*ees.hokudai.ac.jp(*を半角@に変えてご入力ください)
 

  • 所在地・連絡先

    〒060-0810
    札幌市北区北10条西5丁目
    北海道大学大学院環境科学院/ 地球環境科学研究院
    【問い合わせ先・相談先】
  • 月別アーカイブ

  • カテゴリー別アーカイブ

北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院