北海道大学 大学院 環境科学院

環境科学の座標軸を提示する

EESセミナー(7月10日17時〜18時、新任教員紹介・目戸綾乃助教)開催のお知らせ

2026-07-03

下記の通り、7月10日(金)17:00〜18:00にEESセミナーを開催します。演者は、今年1月に統合環境科学部門自然環境保全分野に着任した目戸綾乃助教です。ご参加をお待ちしております。

日時:2026年7月10日(金)17:00〜18:00
会場:北海道大学大学院地球環境科学研究院 D101
演者:目戸綾乃助教(地球環境科学研究院 統合環境科学部門 自然環境保全分野)
講演タイトル:脂肪酸で挑む生態学の階層横断的理解
言語:日本語(質疑応答は英語も可)

要旨:
脂肪酸は、生体膜の構成要素、エネルギー貯蔵物質、さらにはシグナル分子の一部として重要な役割を果たす有機化合物である。なかでもドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)は、我々人間を含む多くの動物において、脳や視神経の発達に重要な役割を果たすことが知られている。さらに、餌から摂取するLC-PUFAの量が増えると、魚類や鳥類など様々な動物種の生存、成長、繁殖に好影響を及ぼすことが明らかになってきた。一方で、その存在量は生態系や環境条件によって大きく異なる。これは、LC-PUFAを生産する生物や、それらを取り込み維持する生物の存在量や生理的特性が、生態系や環境条件によって異なるためである。近年、分子生物学、遺伝学、生化学的解析法の発展により、どの生物がどこでLC-PUFAを生産し、さらにどの生物によってどこへ輸送されるのかが明らかになりつつある。また、これらの解析手法を組み合わせることで、生活史や代謝適応など、生態学における重要な課題の解明につながることが期待されている。本セミナーでは、演者がこれまでに取り組んできた、LC-PUFAの食物連鎖を介した生態系内での動態、生態系間を結ぶフラックス、ならびに野生動物の体内における代謝に関する研究成果を紹介する。また、LC-PUFA研究の生態学における様々な階層への応用可能性について展望を述べる。

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