学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
大学院環境科学院は,本学が掲げる4つの基本理念(フロンティア精神,国際性の涵養,全人教育,実学の重視)の下, 自然科学に基礎をおき,地球規模の環境問題の解明と解決を目指す研究者および高度専門職業人を養成することを目的としています。このため,本学院では地球圏科学,生物圏科学,環境物質科学という自然科学の学問分野を基盤とした3専攻と,それらの専門性を統合し環境問題に包括的に取り組む環境起学専攻を設置し,高い専門性とともに,広い視野を有し,他分野の人とも協力し,国際社会で活躍できる人材の養成に努めています。
大学院環境科学院では,この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を修士課程と博士後期課程において専攻ごとに定め,当該能力を身につけ,かつ所定の単位を修得し,学位論文の審査および試験に合格した者に修士または博士の学位を授与します。
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環境起学専攻の学位授与水準
環境起学専攻では,環境科学院の教育目標に基づき,コース毎の特色を活かし,グローバルからローカルまでの環境問題や持続可能な社会に対する課題を研究・解決する上で必要となる,環境科学に関する専門知識および研究能力を備え,それらを研究や社会で活かせる専門家・実務家,もしくは,様々な専門家・実務家と協働して持続可能な社会構築に貢献する人材の育成を目指しており,以下の能力・知識をもつと認められる者に対し,修士または博士の学位を授与します。
- 修士課程
- 幅広く高度な環境科学に関する知識とその深い理解
- 基礎科学に基づく,優れた観察・調査・分析を通じて現状を知る力
- 現状を客観的に報告し,問題解決に向けて論じる力
- 問題解決に向けて,さらに必要となることを学ぶ力
- 博士後期課程
- 自己の専門領域に関する高度な体系的知識と分析力,および,それらに基づいた論文を執筆する力
- 複数の専門領域を通して,俯瞰的な発想力および独創的な問題発見力
- 持続可能な社会に向けて,国際的に貢献する研究力,実務力
地球圏科学専攻の学位授与水準
地球圏科学専攻では,環境科学院の教育目標に基づき,現在の地球環境の成り立ちの理解,並びに地球環境問題を研究・解決する上で必要となる地球科学的基礎を有し,かつ,その分野の研究を推進できる人材,もしくは,その分野の専門性を社会に活かせる人材の育成を目指しており,以下の能力・知識を持つと認められる者に対し,修士または博士の学位を授与します。
- 修士課程
- 地球圏科学を基盤とした幅広く高度な自然科学・環境科学に関する知識とその深い理解
- 修士論文研究を遂行する過程で修得する現象観察力と分析力,および課題発見力と研究推進力
- 地球圏科学の専門知識もしくはそれに用いられる技術を必要とする職業を担うための能力
- 地球圏科学の基礎および専門知識を修得するための,英語文献も対象とする,情報収集能力
- 博士後期課程
- 自己の専門領域に関する幅広く高度な体系的知識と分析力
- 自己の専門に関連する環境問題に関して責任ある発言が可能となる科学的な知見と客観的な視点
- 自立した研究者に必要となる独創的な研究課題を発見する力,困難な問題解決を可能とする洞察力と柔軟な発想力
- 自己の専門・研究を,国際的な場で発信し,英文で論文を執筆する能力
生物圏科学専攻の学位授与水準
生物圏科学専攻では,環境科学院の教育目標に基づき,陸域(森林・草原・耕作地)および水圏(河川・湖沼・海洋)のフィールドにおける地球環境問題・生態系の保全を研究・解決するため,生化学や分子生物学から生態学に関する基礎的・応用的な知識と技術を有し,その分野の研究を科学的論拠に基づき自立的に推進できる人材,もしくは,その分野の専門性を社会に活かせる人材の育成を目指しており,以下に示す知識・理解や能力を持つと認められる者に対し,修士または博士の学位を授与します。
- 修士課程
- 生物圏科学を基盤とした幅広く高度な自然科学・環境科学に関する知識とその深い理解
- 修士論文研究を遂行する過程で修得する現象観察力と分析力,および課題発見力と研究推進力
- 生物圏科学の専門知識もしくはそれに用いられる技術を必要とする職業を担うための能力
- 博士後期課程
- 自己の専門領域に関する幅広く高度な体系的知識と分析力
- 自己の専門に関連する環境問題に関して責任ある発言が可能となる科学的な知見と客観的な視点
- 自立した研究者に必要となる独創的な研究課題を発見する力,困難な問題解決を可能とする洞察力と柔軟な発想力
- 英語論文を書く能力および海外に研究成果を発信する能力
環境物質科学専攻の学位授与水準
環境物質科学専攻では,環境科学院の教育目標に基づき,化学を基盤とした環境科学に関する幅広く深い学識を備え,高度な専門知識および研究能力を備えた人材あるいは地域や国際社会の持続的発展に貢献できる人材の養成を目指しており,以下の能力・知識を持つと認められる者に対し,修士または博士の学位を授与します。
- 修士課程
- 化学を基盤とした環境科学に関する豊かな知識と理解力
- 研究を遂行するための情報収集能力,分析力および問題解決能力
- 化学を基盤とした環境科学に関する専門知識および技術を必要とする職業を担うための能力
- 博士後期課程
- 化学を基盤とした環境科学に関する研究者としての活動に必要な専門的かつ先端的な研究能力
- 高度な専門性を必要とする職業を担うことのできる知識と問題解決能力
- 英語論文を書く能力および自己の研究を国際的に発信できる能力