【プレスリリース】金星大気に未知のジェット気流を発見
2017-08-31本学院地球圏科学専攻の堀之内武准教授(地球環境科学研究院)らの国際研究チームは、金星大気の分厚い雲を透かして観測できる探査機「あかつき」の観測データを使って金星大気の風速を求めました。その結果、2016 年のある時期に、中・下層雲領域(高度45〜60km)の風の流れが赤道付近に軸をもつジェット状になっていたことがわかり、これを赤道ジェットと命名しました。これまで、この高度帯の風速は水平一様性が高く、時間変化も少ないと考えられてきましたが、予想外に大きな変動があることが、「あかつき」の観測による今回の研究ではじめて明らかになりました。
金星の大気の流れは地面から雲頂(高度約70km)にかけて急激に増加し、自転をはるかに上回る速さで流れる「スーパーローテーション」と呼ばれる状態になっていますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。今回発見された赤道ジェットの形成を理論や数値計算に取り入れることで、その謎に一歩迫れると考えられます。
本成果は、英科学誌『Nature Geoscience』に掲載されています。
詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
金星大気に未知のジェット気流を発見(PDF)