北海道大学 大学院 環境科学院

環境科学の座標軸を提示する

南アジアのモンスーン降雨の過去と未来を解明

2021-06-09

本学院地球圏科学専攻の山本正伸教授,ブラウン大学地球惑星環境科学科のスティーブ・クレメンス教授らの研究グループは,過去150万年間の南アジアのモンスーン降雨の変動を復元し,モンスーン降雨が日射量の周期的変動だけでなく,大陸氷床量と大気中二酸化炭素濃度の周期的変動に応答していることを明らかにしました。

 

地球温暖化の進行に伴い,人口稠密なアジア南部の人々の生活や農業に大きな影響を与える南アジアのモンスーンがどのように変化するのか注目されています。

 

研究グループは,インド東部のベンガル湾で採取した海底堆積物コアに含まれている有孔虫殻の酸素同位体比,植物ワックスの組成や同位体比,化学組成を分析し,ベンガル湾の過去150万年間の塩分,河川からの泥の流出量,雨水の同位体比の変動を復元しました。その結果,モンスーンによるインド東部の降水量は日射量の周期的変動だけでなく,大陸氷床量と大気中二酸化炭素濃度の周期的変動に応答していることを明らかにしました。

 

これは,二酸化炭素の増加による温暖化に伴い,降雨が増加するという気候モデルによる予測を支持します。

なお,本研究成果は,2021年6月4日(金)公開のScience Advances誌にオンライン掲載されました。

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。

南アジアのモンスーン降雨の過去と未来を解明(PDF)

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