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アジアにおける海洋環境保全と持続可能な沿岸社会の両立の実現に向けた研究


経済成長著しいアジア諸国ではほぼ例外なく、海洋環境も著しい速度で劣化しています。とりわけ、フィリピンなどの東南アジアでは動物性タンパク質の相当量を海洋水産資源に依存し、漁業が社会のセキュリティ・ネットとしての機能を保持する一方、台風などの災害に対して社会インフラが極めて脆弱です。途上国では地球温暖化に代表される全球規模の環境問題に対して緩和策もさることながら、どうやって適応策を講じていくかがより喫緊の問題として重要です。しかし、対策の指針づくりに必要な基礎的なデータやノウハウが揃っていないことがしばしばです。このような現状に鑑み、本研究では、沿岸社会を対象に社会調査を行うとともに、環境問題に対する地域社会の脆弱性や復元力に関する統合指標の構築と地理情報システム(GIS)を用いた解析、そして地域社会に対する研究成果の還元を介して、地域が主体となって持続可能な沿岸社会の実現を通じて、結果として海洋環境保全と海洋生物資源の持続的利用の両立につながる研究を目指しています。


Updated on 2014/03/20