IFES-GCOE グローバルCOEプログラム 「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻
参加組織:環境科学院 (環境起学専攻、 地球圏科学専攻、 生物圏科学専攻、 環境物質科学専攻)、 農学院環境資源学専攻、 国立環境研究所(連携)
本拠点は、実践的・分野融合型研究、社会科学的視座にたった研究活動を通 して、人類が直面する地球環境の問題に科学・技術・行政・教育、そして企業活 動において、多方面から取り組むことのできる環境リーダーを輩出することを目 的としています。
地球環境問題の解決には、地球システム科学を推進し、諸問題に対し分野横 断的に取り組むことが求められています。本拠点は、「統合フィールド環境科学」 をサイエンスとして確立し、地球システム科学の中核となることを目指します。
拠点内には海外観測留学生推進室、国際プロジェクト推進室、環境教育研究 交流推進室および統合モデリングタスクフォースを設置し、次のような教育・ 研究活動を推進します。
全地球規模で起こりつつある環境変化は、地球温暖化に代表される大気・海 洋・陸面の変化が、生態系の劣化を引き起こし、さらにそれが地球温暖化を激化 させるというフィードバック機構の解明が研究の柱となります。しかし単に全球 規模で見るだけでは核心にせまることはできず、各地域特有の自然環境プロセス や住民の意識を併せて理解しなければなりません。例えば熱帯泥炭地なら、地下 水位の低下と乱開発による乾燥化のために火災が起こりやすくなっている状況を モニタリングし、火災の影響を把握することに加え、乱開発に至った住民の経済 状況を理解しなければなりません。また草原劣化や砂漠化が進行するモンゴルで は、降水量の減少や水循環過程の変化に加え、市場経済化に伴い地域住民の意識 が利潤追求へと移行していることも考える必要があります。統合フィールド科学 とは、現場で集めたデータを詳しく分析し、地域に固有で重要なプロセスを抽出 して解明することから始まります。社会学的視座を含んだモデルによる理解と将 来予測は、地球システムの挙動を指し示し、解決策と適応策への提言を行う基盤 を提供します。