スイスアルプス野外実習 2017年度実習報告
--北海道大学環境科学院 地球雪氷学実習--
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スイス実習・9/4


午前:Zermatt (8:00) → Gornergrat (8:33)
午後:自主研修プログラム

~ 本日のメニュー ~
・Gornergrat展望台からGorner氷河の観察
・Gorner氷河の谷をトレッキング
・自主研修:花のTrift谷トレッキング

a.m.8時30分、山岳鉄道に乗車。ZermattからGornerglart展望台へ向かいます。目的は、Gorner氷河と地形の観察です。 あいにくの曇り空でしたが、車窓からはMatterhornをはじめとするアルプスの山々や、Zermattの街並みが見えました。



標高3089mのGornargrat駅にて下車。鉄道で一気に高度を上げたため、高度障害が心配です。みんな、息を確かめながらゆっくり歩きます。


Gorner氷河が見えてきました!Gorner氷河はスイスで2番目に大きな氷河ですが、融解が進み、著しく後退しているそうです。 本流は写真の左側ですが、右側から流入してくるGrenz氷河から「ちぎれ」かかっています。


Gornergrat展望台で、Gorner氷河の観察。杉山先生、白岩先生からGorner氷河、氷河地形、そしてアルプスの成り立ちについて解説を受けました。




氷河を拡大してのぞいてみると…
上流から流されてきたメディアルモレーン、幾多に重なるクレバス、大きく蛇行する融水河川が見えます。



わずかな自由時間を過ごした後は、Gorner氷河の谷へトレッキング。Rotenbodenへ向かいます。


道中、エーデルワイスなどの高山植物にも出会えました。


Gorner氷河を見ながらランチ!氷河に削られてできた羊背岩をテーブルにして、パンとハムとチーズでピクニック。 なんと贅沢なことでしょう。スイスは食べ物が本当に美味しいです。


ランチを食べて体力が回復したところで、下山再開。



道中、美しい文様をした変成岩を見つけ、白岩先生から解説を受けました。第三紀、アルプスの山々ができたときに、 強い変性作用を受けてできたのでは、とのことでした。 このような岩石からも、地球のプレート活動のダイナミックさを感じます。 白岩先生曰く、この石たちを「うちの庭に置きたい」のだそうです。


トレッキングの終着地、Rotenboden駅に到着。みんなよく歩きました。この後は再び山岳鉄道に乗り、Zermattへ戻りました。 学生は自主研修のため、それぞれの目的地へ向かっていきました。次に会うのは2日後、9月6日の13時にETHで!


僕はZermattでもう1泊することにして、今日はZermatt市街地の西にある花の名所、Trift谷へ向かいました。 Trift谷は、ケイ酸質の岩石と石灰岩が複雑に入り組んでできており、数 mごとに植生が変わるのだそうです(案内板に書いてありました)。


さすが花の名所と呼ばれるだけあって、多様な種を確認することができました。 なかには、北海道に生育する種によく似たものもあり、最終氷期の名残を感じさせられました。


Trift谷はかなり急勾配で、登りはしんどかった…。谷は典型的なV字谷。氷河が削ったダイナミックなU字谷とは風景がまた違っていて、面白かったです。


帰りがけに、谷の出口にあるPension Edelweissでコーヒーを飲みました。 テラスで座っている彼は、翌日、Gorner氷河の源流部にある、Monte Rosaという山を登るそう。 こうした旅先の出会いも楽しいものです。


Zermattの街に戻り、Zermatt残留メンバーで夜ごはんを食べました。中華料理!待ちに待ったアジアの味!アジア人でよかったと心から思えました。 こうして自主研修初日が終了。僕は、明日はMatterhornのヘルンリ小屋まで行きます。みんなはどう過ごすのかな。

文責 伊藤 大雪

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