北海道大学大学院環境科学院 ガイア 本文へジャンプ
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研究紹介

どんな機会も積極的に活用して研究を深めていきたい
佐藤 友徳 (北海道大学大学院地球環境科学研究院・ GCOE 特任助教) 



---生いたち〜雪を身近で感じて

 新潟県十日町市という豪雪地の田舎町に生まれ、高校卒業までを過ごしました。雪の中で遊ぶのが大好きで、小学校時代は授業をろくに聞かず、教室の外でしんしんと降る雪を眺めていました。当時から天気には関心がありましたが、大学では素粒子の勉強をしたいと思い筑波大学に入学しました。入学後しばらくして、大学に気象学の先生が居ることを知り、幼少時代の少なからぬ影響があったと思いますが、地域気象をターゲットとする研究室に所属することになりました。

---大学〜モデリングの研究を通じて
 大学院では降水の日周期性(具体的には夏季の夕立)についての観測とモデリング研究を行ってきましたが、生活費のためのアルバイトで研究時間が削られるという悪循環に大変悩みました。

 時を同じくして、筑波大学を中心に北東アジアの水循環と生物・大気圏の相互作用についてのプロジェクトが立ち上がります。私は大学院を中退し、支援員という立場でプロジェクトに参加することになりました。担当はモンゴルの気候モデリングということで、モンゴルにおける温暖化予測や砂漠化による気候変化の予測を行いましたが、プロジェクト全体のサポートも重要な任務であり、集中観測のため何度も現地を訪れました。水・生物・大気の相互作用という旗印のもと、集中観測期間中には(当時思うに)専門分野の全く異なる研究者や学生の方々と寝食を共にし、交流の楽しさを体感することができました。


モンゴルにて

---研究での目標や夢〜テーマは「自由奔放」
 幸いな事に日本学術振興会の特別研究員に採用され、東京大学の気候システム研究センターに籍を置くこととなりました。在籍した3年間のうち、2年は学振ポスドクの自由な立場として、残りの1年はスタッフとして、アジアモンスーンや気候モデリングの社会応用について研究活動を行いました。

 北海道大学への異動を機に、気候モデリングの研究をさらに発展させたいと考えています。現在関心を持っているのは、人間活動による気候変化、あるいは、気候に影響される人間活動など、人と気候との(相互)作用についてです。フィールド観測にも関心があります。人手不足の際には声をかけてください。観測とモデリングの究極の接点でもある、古気候の研究にも魅力を感じます。

 「研究者として職があることは幸せ」という思いから、職が変わるたびに研究対象を微妙に変化させてきましたが、地球環境の研究をする仕事であることには変わりはなく、アプローチの仕方が違うだけと感じるようになってきました。これからの自分の興味や、人との出会い、偶然などの要因で将来の研究内容は変わってくると想像します。そのような意味で、自分の将来は予測不可能であるといえます。


佐藤 友徳 特任助教
  • 筑波大学大学院中退。東京大学気候システム研究センター・
    特任助教などを経て現職
  • 「札幌への転居を機に昔やっていたクロスカントリースキーを
    再開したいです。」

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