本文へスキップ
HOME 研究内容 スタッフ 学生紹介 発表論文 問合せ 写真館
研究内容
面白く、役に立つ有機化合物をしっかり作る
地球上の生物はさまざまな化合物を使って様々な生命活動を営んでいます。例えば、フグはその猛毒で自分の身を守っている、メスはフェロモン物質を用いてオスを呼び寄せています。例を挙げればきりがありません。これらのなかには、人類にとって非常に有用な化合物(薬になったり、未知の生命現象を解き明かすカギとなったり、あるいはある生物に対する防御物質になったり)が知られています。それらの中には、非常に複雑な構造を有する有機化合物が存在します。そういったものはごく微量で作用するため、生物から採取できる量は限られてきます。もっと欲しいという時は、人間の手で全く同じ機能を持つ全く化合物を合成(全合成)します。私たちの研究室では、このような複雑な構造の化合物を効率的に合成する研究を主に行っています。また、合成のための新しい方法の開発や、開拓した合成ルートを応用して更なる機能(生体内で光ったり、水に不溶のものを溶解させたり)を持たせる化合物の合成も行っています。

付着阻害化合物の合成

 船底にフジツボなどが付着すると、燃費が悪化し、化石燃料を浪費します。これまで、付着を防止するため、スズ化合物が使われましたが、毒性のため、現在は禁止されています。一方、海洋生物から、付着阻害活性を持つ化合物が様々得られています。私たちは、これらが環境にやさしい新規阻害剤として利用できると考え、これらの合成を達成しました。次の研究テーマとして、生化学の手法を用いてこれら化合物の付着阻害の分子レベルでのメカニズムを解明するための、誘導体合成を展開しています。
 下の写真は、合成した付着阻害蛍光化合物をフジツボの幼生に用いたときの写真です。赤印は、化合物を取り込んでいない幼生です。黄色印は、青く光っており化合物が取り込まれており、一部の器官にのみ存在していることがわかりました。現在、この器官について詳しく調べています。

     


SmI2を用いた新反応

全合成を進めるうえで、炭素炭素結合形成は最も重要な課題です。このような背景から、これまでに多数の反応が開発されてきました。しかしながら、反応点周辺の立体障害の大きい化合物や、中員環(7-9員環)形成に適用できる反応は限られていました。私たちの研究室では、2ヨウ化サマリウム(SmI2)を用いることで、これらの課題を一挙に解決できると考え、新反応の開発を進めています。また、開発した反応を駆使して、全合成を行っています。

              


褐藻類の性フェロモンの合成研究

コンブをはじめとする褐藻類の生殖活動において、メスがオスを誘因する性フェロモンは極めて重要な役割を担っています。40年以上前に初めて構造式が決められましたが、なぜ誘因できるのかというメカニズムなどは分かっていません。私たちは性フェロモンの1つを合成し、共同研究先でオスの挙動がフェロモンの添加によって変化することを明らかにしました。他のフェロモン分子も知られているので、合成を進めています。また、これらフェロモンの生合成経路にヒントを得て、新規環化反応の開発も進めています
              
 
                 


その他の生物活性を有する化合物の合成、新反応の開発

鎖状中に含まれる不斉炭素原子の構築は、一般的に環状中のものより困難です。特に、連続不斉中心においては、精密な分子設計が求められます。私たちは、この複雑な化合物の合成にも挑戦しています。また、この鎖状構造を効率的に合成するための、Horner-Wadsworth-Emmons(HWE)反応を独自の方法で改良しました。遊泳するbrine shrimp内で薄い緑色に光る化合物も合成しました。

     

アクセス

060-0810 
札幌市北区北10条西5丁目
北海道大学大学院環境科学院 C棟6階

JR札幌駅 徒歩15分
地下鉄北12条駅 徒歩5分

TEL&FAX:011-706-2358
umezawa @ ees.hokudai.ac.jp

地図はこちら