Graduate School of Environmental Science

環境科学の座標軸を提示する

2022 Public Lecture

2022-05-12

令和4年度公開講座 自然との共生 - 北海道の未来を見据えて

パンフレット

公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 谷本 陽一》

北海道は,自然豊かな大地として知られていますが,その自然は,様々な撹乱により維持されていることは意外と知られていません。一方,撹乱も噴火,地震,台風,洪水など大規模なものとなると,それらの自然との共生のためには防災・減災という側面も考慮する必要があります。さらに,気候変動がもたらす自然の変化や海岸漂着ごみ問題のようにヒトの影響により自然が大きく変わりつつあります。

このような自然の成り立ちと変化を知ることは,私たちに自然の多様さを気づかせ,人間活動が自然に及ぼす影響の理解や,自然との共生への糸口を得ることができます。

本講座では,北海道の陸海空を,自然との「共生」をキーワードに,様々な時間と空間のスケールの中で取り上げ,自然の成り立ちと変化,ヒトはどのようにそれらの自然と将来にわたり付き合っていくのかを考える上でのヒントを,本大学院に所属する6名の教員が最新の研究成果を含めて紹介します。多くの皆さまの受講をお待ちしています。

【公開講座要領】

  1. 開講時期  令和4年8月22日(月)~9月26日(月)(毎週月曜日※第5回のみ火曜日開催)
  2. 実施場所  オンラインで実施
  3. 受講資格  満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴不問)
  4. 定  員  先着70名
  5. 受 講 料   無料
  6. 修了証書  全6回の開講のうち,4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
  7. 主  催  北海道大学大学院地球環境科学研究院
  8. 後  援  札幌市教育委員会

【申込要領】

  1. 申込期間 令和4年7月8日(金)~7月20日(水)【必着】
  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部教務担当
    • 〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
    • 電話 (011) 706-2204
    • E-Mail kyomu (at) ees.hokudai.ac.jp
  3. 申込手続 申し込みは,下記の手順を全て行うことで完了します。
    1. 申込URLから申し込むあるいは申込書【様式】をダウンロードしてご提出ください.
    2. 先着順(定員70名)に受講許可の通知を送付
    3. 手続き完了
  4. 詳細は,パンフレット内「申込要領」を参照願います。

【その他】

  1. 本公開講座は、2022年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  2. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能ですので、希望される方は上記申込手続の「1申込み」の際にお申し出ください。
  3. 次回の講義資料はこちらからダウンロード願います。(後日更新) 資料のパスワードは、受講者の皆様宛郵送しております、受講許可通知文に記載しています。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《自然との共生 - 北海道の未来を見据えて》

※講義題目をクリックするとテキストが閲覧できます。(講義終了後に掲載します)

第1回 8月22日(月)

講師:大学院地球環境科学研究院 教授 露崎 史朗

講義題目:「自然との共生の可能性 – 北海道に未来はあるのか」

概要:「自然との共生」…と口にするのは簡単だが,果たしてどこまで可能なのでしょう。さらに,気候変動が,自然との共生をますます困難にしているようにも思えます。共生を可能とするためには,その共生のメカニズムを知る必要があります。ここでは,本講座のイントロダクションを兼ね,北海道の自然の代表格である「火山」,「湿原」での遷移や「温暖化とスキー場植生」などを例にあげ,北海道の自然との共生を見据える切り口をいくつか紹介できればと思います。

第2回 8月29日(月)

講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 早川 裕一

講義題目:「過去から未来へ〜俯瞰してみる自然災害と人々の暮らし〜」

概要:地震や火山,洪水といった自然災害に関して,何千年あるいは何万年というスパンで,人は自然現象と付き合ってきました。北海道でも,縄文時代の景観から,現代の防災対策まで,ジオパークや世界遺産といった枠組みでも目にする機会があると思います。そこに,UAV(ドローン)やレーザといった計測技術が広まり,私たちが地上から目にする景観を,俯瞰的な3次元情報として覗き見ることができるようになりました。身近な地域の自然を,立体的な視点でひもといてみましょう。

第3回 9月 5日(月)

講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 佐藤 友徳

講義題目:「多様な気象が創り出す自然環境 ~気象の恩恵と脅威~」

概要:日本の最北端に位置する北海道では,北極の寒気と熱帯の暖気が隣接することで多様な気象が生み出されます。猛暑の夏が終わったかと思えば,ドカ雪の冬。このように季節とともにめまぐるしく変化する気象は自然環境や我々の暮らしにどのような形で影響を与えるのでしょうか? 本講義では大雨や大雪などの特徴的な大気現象を詳しく掘り下げて,その仕組みや長期変化傾向について,観測データやシミュレーションを駆使してみてみましょう。

第4回 9月12日(月)

講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 根岸 淳二郎

講義題目:「見えない自然を守る?:河原の下の生態系とその保全意義」

概要:近年,大きな洪水の発生が多く報告され,さらに気温上昇傾向に伴う水環境の変化も懸念されています。環境変化への抵抗性を高め適応するには,恵みに重要な領域を十分に理解し,上手く管理に取り入れる必要があります。河川は地下水の一部が表面水と混合したものですが,直接見えない地下領域の姿には未だに多くの不明点が残ります。魚類や無脊椎動物にとっての河川地下生態系の調べ方,現状,恵みへのつながり,保全上の課題をお話します。

第5回 9月20日(火)

講師:低温科学研究所 准教授 白岩 孝行

講義題目:「世界自然遺産 知床が抱える海岸漂着ごみ問題」

概要:北海道の北東部に位置する知床半島は,流氷の海と陸をつなぐユニークな生態系の存在,そして生物多様性の豊かさの点で世界的な価値を有する貴重な存在です。しかし,その知床の海岸に多くの漂着ごみが堆積し,それが回収されずに放置されていることはあまり知られておりません。知床の漂着ごみはどこからやってくるのか,なぜ回収が進まないのか,回収するためにはどのような対策が必要かという点について3年間の調査結果から紹介します。

第6回 9月26日(月)

講師:大学院地球環境科学研究院  助教 先崎 理之

講義題目:「北海道の鳥類の昔と今,そして将来:減った鳥と増えた鳥」

概要:野生動物の宝庫・北海道。鳥類も例外ではなく,北海道ではこれまで470種類以上の鳥類の記録があります。これは日本産鳥類の80%以上に匹敵します。一方,道内の鳥類相は,年々少しずつ,しかし確実に変化しています。例えば,過去数十年の間にも,ダイサギやカワウのように身近になった種類,エトピリカやアカモズのように急激に数を減らしてしまった種類がいます。こうした変化は,いつ・どこで・なぜ生じたのでしょうか?現在も続く気候変動や土地開発などは,道内の鳥類に差し迫った脅威なのでしょうか?本講演では,最新の研究成果を交えながら,こうした疑問に答え,近代・現代における北海道の鳥類相の変遷についてお話します。

講義時間は,毎回18:00~19:30です。

※講師の都合により,講義日が変わる場合があります。

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