オショロコマと外来カワマスの交雑を確認~希少在来魚の保全政策に貢献~

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オショロコマと外来カワマスの交雑を確認~希少在来魚の保全政策に貢献~
投稿者 :  投稿日時: 2021-03-16 19:46:17 (241 ヒット)

本学院生物圏科学専攻博士後期課程(在籍時)の福井翔さん,同博士前期課程(在籍時)の澤田史香さん,小泉逸郎准教授と北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場の春日井潔研究主幹らの研究グループは,日本では北海道だけに生息する絶滅危惧種であるオショロコマ(サケ科イワナ属魚類)と北米原産の外来カワマスが野外で交雑していることをDNA解析から明らかにしました。また,両者の雑種(雑種第1世代)は妊性があり,雑種第2世代目以降も存在していることも確認されました。さらに,ある交雑個体は同じ河川に生息する別種であるイワナ(アメマス)のミトコンドリアDNAを保有していました。今回の調査ではカワマスとアメマスの交雑個体は確認されませんでしたが,過去には複数の河川で報告されています。

 

これらの事実から,人為的に移入されたカワマスが北海道の在来イワナ属2種の純粋な遺伝子を撹乱する(遺伝子汚染)可能性が示唆されました。オショロコマとカワマスは外見が似ており,特に雑種2世代目以降では判別が難しく,知らない間に遺伝子汚染が広がることも考えられます。カワマスは美しい魚で味も良く,一部の地域では釣魚としても人気が高いですが,在来生態系に与える影響も考慮して適正に管理する必要があります。本研究成果は希少在来種の保全政策を立てる際に有用であるのはもちろん,水産資源やレクリエーションとしての需要がある外来種の管理を考える上でも重要になります。

 

なお,本研究成果は,タカラ・ハーモニストファンド助成を受け,2021年2月25日(木)公開のZoological Science誌にオンライン掲載されました。

 

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。

オショロコマと外来カワマスの交雑を確認~希少在来魚の保全政策に貢献~(PDF)



北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院