2019Public Lecture

令和元年度公開講座 生物の「変化」:理由、メカニズム、そして影響

パンフレット

公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 大 原  雅》

 多くの生物は,生息する多様な環境に適応して自らの体の形や,生き方を変化させます。このような生物の変化を詳しく観察することは,私たちに生物の生き方の多様さと柔軟さを気づかせ,さらにその理由やしくみや影響を探求することは,私たちを気候変動や人間活動が野生生物に及ぼす影響の理解や,生物の進化についての洞察へと誘います。 本講座では,生物に見られる「変化」をキーワードに,森林や都市,さらには水溜りなどの様々な環境に生息する多様な生物,具体的には樹木,昆虫,両生類,哺乳類などを取り上げ,これらの生物が環境や生息状況に応じてどのように体の形や生き方を変化させ,適応しているのかを,本大学院に所属する6名の教員が最新の研究成果を含めてわかりやすく解説します。多くの皆さまの受講をお待ちしています。

【公開講座要領】
  1. 開講時期  令和元年8月20日(火)~9月24日(火)(毎週火曜日)
  2. 実施場所  北海道大学大学院地球環境科学研究院(札幌市北区北10条西5丁目)
  3. 受講資格  満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴不問)
  4. 定  員  先着70名
  5. 受 講 料   3,500円(既納の受講料はお返しできません。)
  6. 修了証書  全6回の開講のうち,4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
  7. 主  催  北海道大学大学院地球環境科学研究院
  8. 後  援  札幌市教育委員会
【申込要領】
  1. 申込期間 令和元年7月11日(木)~7月23日(火)【必着】

  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部教務担当
    〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
    電話 (011) 706-2204
    E-Mail kyomu (at) ees.hokudai.ac.jp

  3. 申込手続   申し込みは,下記の手順を全て行うことで完了します。
    1.仮申込【仮申込書】をダウンロードしてご利用下さい.
    2.先着順(定員70名)に本申込みの手続書類を郵送
    3.本申込み(受講料の納付を含む)
    4.手続き完了
  4. 詳細は,別紙「申込方法」を参照願います。

     

【その他】
  1. 会場には、駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
  2. 本公開講座は、2019年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  3. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能です(受講料も減額となる場合があります)ので、希望される方は上記申込「1仮申込み」の際にお申し出ください。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《生物の「変化」:理由、メカニズム、そして影響》

 

  ※講義題目をクリックするとテキストが閲覧できます。(最終講義終了日以降に公開します)

第1回 8月20日(火) 講師:北方生物圏フィールド科学センター 准教授 内海 俊介
講義題目:「バランス・オブ・ネイチャーと身近な生物進化の驚きの関係」

概  要:自然界は、多様な生き物たちの関わり合いによって形作られています。古くから、そうした網の目のような関わり合いを通して、自然はうまい具合に「釣り合い=バランス」が保たれていると信じられてきました。しかし近年、急激な地球環境変化によってそのバランスが崩れてきているという懸念を私たちは共有しつつあります。この問題を解決する鍵の一つとして、生き物の進化、それも私たちのすぐ目の前で今起きている進化、があります。それらについての最新の知見をお話します。

第2回 8月27日(火) 講師:低温科学研究所 助教 長谷川 成明
講義題目:「枝分かれが作り出す樹木の形とふるまいの変化」

概  要:成長した樹木は巨大で、枝や葉の茂る樹冠部は複雑な構造をしています。そのため環境条件や成長にあわせて樹木の内部でどのような変化がおきているのかを把握することは困難です。しかし毎年作られる小さな枝に着目すると、このような枝を繰り返し生産することで樹冠部は形作られていることに気付きます。ここでは小さな枝を単位として調べることで見えてくる樹木の形とふるまいの変化について紹介します。

第3回 9月3日(火) 講師:低温科学研究所 准教授 隅田 明洋
講義題目:「環境に応じて形や大きさを変える樹木たち:なぜ、どのように、どうやって」

概  要:地球上の様々な環境に生育する樹木が環境に適応する方法のひとつは、形や大きさを変えることです。同じ樹種でも、山の尾根近くでは背が低く、谷間では高くなります。ある条件下では、幹の横断面のいちばん内側の年輪の位置が横断面の中心からずれてしまいます。樹木の形や大きさは風の強さによっても変わります。環境に応じてどのように樹木の形や大きさが変わるのか、なぜ変えることができるのか、なぜ変える必要があるのか、そんな科学についてお話します。

第4回 9月10日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 小泉 逸郎
講義題目:「都会で上手く生きていくためには:エゾリスの大胆な行動変化」

概  要:都市は本来の自然とは最もかけ離れた環境です。都市化にともない多くの生物が姿を消した一方で、一部の生物は都市で上手く生きています。さまざまな生物で、都市にすむ個体は本来の環境にすむ個体と比べて、行動や生活リズムが変わっていることが報告され始めてきました。本講演では北海道帯広市近辺のエゾリスがどのように都市環境に順応しているのかをお話しします。

第5回 9月17日(火) 講師:北方生物圏フィールド科学センター 准教授 岸田 治
講義題目:「個体の変化:臨機応変に生きるエゾサンショウウオとエゾアカガエル」

概  要:エゾサンショウウオとエゾアカガエルは、その名のとおり北海道を代表する両生類です。卵やオタマジャクシが人家近くの池で見られるなど、2種はとても身近な存在ですが、実は驚くべき生態の持ち主だということをご存知でしょうか? なんと彼らは、オタマジャクシの時期に周囲の餌生物や捕食者の存在に応じて姿かたちを変えてしまう「変身術」の使い手なのです。本講演では、2種の多様な変身術について調べた研究を紹介し、動物のしたたかな生きざまについて知っていただきます。

第6回 9月24日(火) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 越川 滋行
講義題目:「生き物の形の進化と、その仕組み」

概  要:地球上には、いろいろな形の生き物が住んでいます。一見すると全く違うようですが、それらを構成する細胞の成り立ちは、驚くほど似ています。さらに近年の生物学の発展により、細胞がどのように連絡し、協調して形を作り上げるかがよく理解されるようになり、形が全く異なる生物でも、かなりの程度、同じ仕組みを使っていることがわかってきました。多くの生物に見られる、そのような共通性と、種類ごとの違いを生み出している原因について、ヒト、哺乳類、昆虫などを例に挙げながらお話しします。

講義時間は,毎回18:00~19:30です。

※講師の都合により,講義日が変わる場合があります。

Graduate School of Environmental Sceince, Hokkaido University