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第四回松野環境科学賞受賞者決定!

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 2018/8/30 12:00
環境科学院では在学中に行った優れた研究を学術論文として発表した在学生および元在学生を表彰する松野環境科学賞を設けています。

厳正な選考の結果、第四回の受賞者は以下の4名に決定いたしました。
※授賞理由、論文概要などはリンク先をご覧ください。また、北大リポジトリHUSCAPへの登録があるものについては、論文全文もご覧いただけます。

樋口ゆかり 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要(学外サイト)】

Astrid Müller 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要と全文(オープンアクセス:学外サイト)】
【論文全文(HUSCAP)】

朝倉一星 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要(学外サイト)】

小原怜子 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要(学外サイト)】


授賞式は2018年9月28日(金)15時より行われる学院ホームカミングデーにおいて執り行われます(詳細は同窓会ホームページ)。

参考:「松野環境科学賞の創設について

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本学北極域研究センターの漢那直也研究員,本学院地球圏科学専攻の杉山慎教授,深町康准教授(低温科学研究所)らの研究グループは,グリーンランドの氷河の融け水による湧昇流(プルーム)が,フィヨルドの中層(深さ 200 m)から栄養塩を汲み上げるポンプとして機能していることを,初めて定量的に明らかにしました。

プルームによって表層へ運ばれた栄養塩は,その後,亜表層(深さ 10~50 m)に水平的に広がっていきます。プルームの真上では,植物プランクトンがこれらの栄養塩を利用して大増殖を起こす様子が明らかとなりました。本研究は,氷河の融解が著しいグリーンランドにおいて,氷の融け水がフィヨルドの基礎生産(光合成等によって有機物が生産されること。食物連鎖の基底をなす)に果たす重要な役割を明らかにしたものです。

なお,漢那直也研究員をはじめ,共著者の大橋良彦研究員(低温科学研究所),榊原大貴研究員(北極域研究センター),野村大樹助教(水産科学研究院)はいずれも本学院を修了し、活躍されている方々です。

本研究成果は,2018年5月23日(水)公開のJournal of Geophysical Research–Biogeosciences誌にオンライン掲載されました。また,米国地球物理学連合の Research Spotlightに選ばれ,機関誌 Eos(オンライン版)に取り上げられました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
フィヨルドの生態系を支える「氷河ポンプ」を発見~プルームによる栄養塩輸送が植物プランクトンを育む~(PDF)
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本学院環境起学専攻のJorge García Molinos助教(北極域研究センター)と藤井賢彦准教授,山中康裕教授(地球環境科学研究院)は,国立環境研究所,国立極地研究所の研究者らとともに,国内の温帯で急速に進行している海藻藻場の分布縮小と造礁サンゴ群集の分布拡大の全貌を初めて明らかにし,気候変動と海流輸送,海藻を食害する魚類の影響を組み込んだ解析によって,海藻藻場からサンゴ群集への置き換わりが進行するメカニズムを世界で初めて解明しました。今後も温帯では海藻藻場の減少とサンゴ群集の増加が進行するという予測結果が得られており,生態系機能・サービスも大きく変化すると予想されます。本研究は,海藻藻場やサンゴ群集への気候変動の影響の大きさを実証し,海藻を食害する魚類の個体数管理など,海藻藻場やサンゴ群集を保全していくための具体的な気候変動適応策の立案に貢献するものです。
本研究成果は,2018年8月20日(月)公開のProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。

詳細については,以下のプレスリリースをご覧ください。
生態系の“熱帯化”:温帯で海藻藻場からサンゴ群集への置き換わりが進行するメカニズムを世界で初めて解明-気候変動,海流輸送,海藻食害による説明-(PDF)
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本学院地球圏科学専攻の杉山慎教授(低温科学研究所)は,山梨大学,国立環境研究所,千葉大学,国立極地研究所,東京農業大学,国立遺伝学研究所,マドリード工科大学の研究者らと共同で,世界各地の雪氷環境に生息する雪氷藻類に対して遺伝子解析を行い,特定の藻類種が北極と南極の両極から共通で検出されること,またそれらは現在も分散,交流している可能性があることを明らかにしました。

本研究成果は、2018年8月6日(月)付けのNature Communications誌にオンライン掲載されました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
北極と南極の雪を赤く染める藻類の地理的分布の解明(PDF)
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堀之内武准教授がCOSPAR2018にて招待講演

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 2018/7/27 13:28
本学院地球圏科学専攻の堀之内武准教授(地球環境科学研究院)が、米国パサデナで開催されたCOSPAR2018(2018年7月14〜22日)にて招待講演を行いました。COSPAR(国際宇宙空間研究委員会)は宇宙科学に関する国際組織で、2年に1度開催される国際会議は宇宙科学分野で最大規模です。今回、堀之内准教授は、COSPAR総裁や事務局長らによって選出されるLatest Resultsセッションの4講演のうちの1件として講演を行いました。このセッションは、世界トップクラスの研究者による最先端の研究成果が発表される場です。堀之内准教授は昨年にも本学からプレスリリースを行った金星探査機「あかつき」による金星大気の研究で国際的に高く評価され、世界をリードしています。



詳細については、COSPAR2018の公式サイトをご覧ください。
COSPAR2018(※学外サイトが開きます)

過去のプレスリリースについては以下をご覧ください。
金星大気に未知のジェット気流を発見(PDF)
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本学院生物圏科学専攻の三輪京子准教授(地球環境科学研究院)と博士後期課程の相原いづみさんらの研究グループは、シロイヌナズナのホウ素輸送体タンパク質である BOR1の発現が、今までに見つかっていたタンパク質「分解」による制御に加えて、タンパク質を「合成」する翻訳の段階でも環境に応じて制御されることを明らかにしました。

植物は必須栄養素であるホウ素を土壌から吸収しますが、ホウ素は多すぎると害になるため、ホウ素を取り込む量を厳密に制御する必要があります。BOR1はホウ素が少ない環境で積極的にホウ素を体内に取り込むための輸送体タンパク質です。ホウ素が十分存在する環境では BOR1はタンパク質分解を受けて量が減少することがわかっていました。本研究ではこのタンパク質分解制御に加えて、タンパク質を合成するステップである翻訳の段階においても BOR1が制御されることを示し、その機構を解明しました。輸送体の発現量の調節機構において、翻訳における制御の例は今までほとんど示されていませんでした。

また、BOR1の翻訳の制御は、分解による制御よりもホウ素濃度が高い環境で引き起こされることが明らかになりました。これは、BOR1が明らかに必要でない環境で、BOR1タンパク質を作っては壊すという制御よりも、そもそもの合成を抑制しようとする働きであると考えられます。さらに、翻訳と分解の二つの制御を失った植物体を利用して、これら二つの制御が過剰なホウ素の取り込みを防ぎ、植物の高濃度ホウ素環境への適応に貢献することを実証しました。

本研究は、植物が幅広い無機栄養環境に適応するために緻密な応答機構を獲得してきたことを示す一例となります。また今回の知見は、無機栄養の輸送の調整を通じた、栄養が少ないやせた土地や栄養が過剰に存在する不良な土壌環境にも耐える作物品種の開発への貢献が期待されます。

なお、本研究成果は、米国東部時間 2018年5月4日(金)にPlant Physiology誌にオンライン掲載されました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
植物が過剰な栄養の取り込みを防ぐ仕組みを解明〜環境に応答して栄養輸送体の量を多段階で微調節〜(PDF)
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6月7日(木)EESセミナーのご案内

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 2018/5/23 10:50
6月7日(木)10:30-12:00にEES seminarを開催します。
演者は、都市における生物の進化についてSCIENCE誌に昨年論文を発表したトロント大学のMarc Johnson博士です。
場所は、北方生物圏フィールド科学センター研究棟2F大会議室(農学部裏に隣接する建物、農学部を通って入れます)になります。
どなたでも奮ってご参加ください。
ポリコムも使用できるようにしますので、ポリコムを通じて参加される方は内海(下記連絡先)までご連絡ください。

EES seminar

Date&Time: 7 Jun 2018, 10:30-12:00
Place: Meeting Room 207, Research Laboratory, Field Science Center for Northern Biosphere (see the attached map)

Title: Evolution in life in cities

Speaker: Prof. Marc T. J. Johnson (University of Toronto, Mississauga)

Abstract:
Urban areas represent the fastest growing ecosystem on earth, in which the development of cities dramatically changes the biotic and abiotic environment to create novel ecosystems.
Despite the importance of urbanization, we have little understanding of how urbanization affects the evolution of species that live in cities.
In this talk, I will review our current knowledge of about the effects of cities on multiple evolutionary processes, including mutation, gene flow, genetic drift and natural selection.
I will then describe our work examining how these evolutionary processes affect the ability of plants to adapt to urban environments.
I will conclude with a discussion of existing gaps in our knowledge and a description of the first global study of urban evolution, in which we are looking for Japanese collaborators.

Relevant literature:
Johnson MTJ, Munshi-South J. (2017) Evolution of life in urban environments. Science 358, aam8327.
Thompson KA, Renaudin M, Johnson MTJ. (2016) Urbanization drives the evolution of parallel clines in plant populations.
Proceeding of the Royal Society B: Biological Sciences 283, 20162180.
Santangelo JS, Johnson MTJ, Ness RW. (In Press) Modern spandrels: the roles of genetic drift, natural selection and gene flow in the formation of parallel clines. Proceeding of the Royal Society B: Biological Sciences (https://www.biorxiv.org/content/early/2018/03/27/289777)
Johnson MTJ, Thompson KA, Saini HS. (2015) Plant evolution in the urban jungle. Am. J. Bot. 102, 1951-1953.

【Contact】:
Shunsuke Utsumi
Field Science Center for Northern Biosphere
Kita 9 Nishi 9, Sapporo, Hokkaido 060-0809
Tel : 011-706-2589
Email : utsumi@fsc.hokudai.ac.jp
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本学院地球圏科学専攻の三寺史夫教授(低温科学研究所)らの研究グループは、水深約 5,500m の深海におけるわずかな海底起伏が、実は海の表面の海流や水温前線をコントロールしている、という新たな海流形成 メカニズムを発見しました。

2000 年代になって、北海道の東方 1,000 kmの沖合に黒潮を源とする海流(通称・磯口ジェット)が見出されました。温かい黒潮水を運ぶ磯口ジェットは、親潮による亜寒帯海水との間に強い水温前線を作るため、その周辺海域は好漁場となっています。またその変動は、北半球規模の気候変動を引き起こす要因であることも最近の研究でわかってきました。しかし、磯口ジェットがなぜ岸から 1,000kmも離れた海域に安定して存在するのか、その形成メカニズムは謎のままでした。

本研究では、従来見過ごされてきた、水深約 5,500mの深海底における500m程度の低い緩やかな海底地形(北海道海膨 かいぼう)が、渦−地形相互作用を通して海洋表層の磯口ジェットと海面水温前線を驚くほど効率的に生み出すという、新たなメカニズムを発見しました。背の低い緩やかな海底地形は 世界中の海のいたるところにあるため、中高緯度の様々な海で、今回発見した海流形成メカニズムが働いていることが予想されます。本研究を基礎にした海洋学、水産学、気候学の進展が期待されます。

本研究成果は、2018年3月22日(木)公開のNature Communicationsに掲載されました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
深海底の緩やかな起伏が表層海流と海面水温前線を生む〜亜寒帯の表層海流と強い海面水温前線をつくり出す新メカニズムを発見〜(PDF)
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本学院地球圏科学専攻の飯塚芳徳助教(低温科学研究所)が参画する国際共同研究グループが、日本の南極地域観測隊により南極ドームふじで掘削されたアイスコアを分析することで、過去72万年間の南極の気温と周辺海域の水温変動を復元しました。本研究のように、海水温も含めてアイスコアから復元したデータとしては、過去最長だった 42 万年間の記録を 30 万年延長するものです。地球温暖化をはじめとする気候変動を正確に予測することが社会的にも大きな課題となっています。今回の研究は、環境が大きく異なっていた過去について、二酸化炭素濃度や日射量の変動と気温変動との関係を明らかにしたもので、地球の気候変動のメカニズムの解明に役立つと期待されます。

本研究成果は、2018年3月6日(火)付けのNature Communications誌にオンライン掲載されました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
南極の気温と二酸化炭素変動の不一致は日射量が引き起こす‐過去 72 万年間の南極と周辺海域の温度変動を復元‐(PDF)
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本学院生物圏科学専攻の鍵谷進乃介さん(博士後期課程)と内海俊介准教授(北方生物圏フィールド科学センター)らの研究グループは、樹木の遺伝的な違いから、その樹上に生息する多様な昆虫の種の組合せを予測する法則を発見しました。

生物種の集合において、「どの種とどの種が同じエリアに生息するか(種の組合せ)」は場所や年によって異なるのが一般的です。また、種の組合せの違いによって、地域全体の生物多様性の豊かさは大きく変わってきます。つまり、種の組合せは、生物多様性を効果的に保全するうえで極めて重要な情報です。しかし自然生態系では、気象条件や多様な生物のつながりなど複雑な要素が影響するため、種の組合せの予測は一般に困難と考えられてきました。

そこで、内海准教授らは、樹木のゲノム情報からその樹上に集まる昆虫種の組合せの違いを予測するというアプローチによってこの問題に取り組みました。その結果、昆虫種の組合せは樹木の遺伝的な変異が大きいほど異なっており、その予測精度は、位置情報や周囲環境の効果をはるかに上回っていることがわかりました。また、年による虫の変化パターンも、樹木の遺伝的な変異から説明できました。樹木の遺伝的な変異は、昆虫―植物間や昆虫間の様々な生物間相互作用を通して昆虫群集全体に大きな波及効果を持っていたのです。これは、複雑な自然生態系において、植物の遺伝子が従来考えられていたよりはるかに強く生物の集合に影響していることを示す結果です。同時に、種内の遺伝的変異の損失という一見小さな事象でさえ、その地域の生物間の関係性に甚大な影響を及ぼすリスクが潜んでいることも示しています。

本研究成果は、2018年3月6日(火)公開のMolecular Ecology 誌(進化生物学・生態学の国際トップジャーナル)に掲載されました。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
樹のゲノムは虫のコミュニティを左右する〜樹木の遺伝的な違いから昆虫種の組合せを予測〜(PDF)
Research Press Release (英語版)
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北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院