北海道大学大学院環境科学院 ガイア
はじめに
目次
研究紹介
北海道と地球環境
学生生活
27号までのガイア
グローバルCOE
プログラム
21世紀COEプログラム Newsletter
ガイアインタビュー
問い合わせ
リンク
研究紹介
身近な科学「ケミカルライト」
山田 幸司(物質機能科学部門・准教授)
---ケミカルライトとは
コンサート会場などでよく使われているケミカルライトは、棒を折り曲げるだけで色とりどりの光を発することができる手軽な照明器具です。このケミカルライトはどのような原理で光るのでしょうか?
ケミカルライトを折り曲げる前に分解すると、ポリエチレンのチューブの中に、透明な液体と液体が封入されたガラスのチューブが入っていることが分かります。外側の液体は、どの色で光るケミカルライトも共通の透明な溶液ですが、ガラスのチューブに入っている内側の液体の色は、光る色によって違っています。
---ケミカルライトのしくみ
外側の液体は、酸化剤の入った溶液で、内側の液体は、化学発光色素と蛍光色素が入った溶液です。酸化剤と化学発光色素を混ぜると青い光を発することができます。この現象を化学発光といいます。ケミカルライトは、酸化剤か化学発光色素が使い尽くされると光らなくなってしまうので、使いたいときから光らせることができるように、薄いガラスで2つの液が混じらないように作られていますが、力を加えてガラスを折り、2つの液体が混じると6〜8時間光るようになります。また、化学発光色素だけですと青い光しか出すことができないので、内側の液体には光らせる色に合わせて蛍光色素も混ぜられています。蛍光色素は、化学発光色素から出る光エネルギーを吸収して、さまざまな色に光るものが使われています。そのため、使用前でもブラックライトなどの光をあててエネルギーを吸収させれば、折り曲げた時に光る色を予測することができます。
※ケミカルライトを分解したところ。上のビンに入っているの
は、ポリエチレンチューブに入っていた透明な液体。
---ケミカルライトの使いみち
ケミカルライトは、もともと宇宙で火花が出ない安全な照明器具として開発されたものですが、一般に広まるにつれて、さまざまなアイディア商品が生み出されています。例えば、魚が光に集まる性質を利用して、夜釣り用のウキにされたり、2つの液が混じると光る性質を利用して、結婚式のセレモニーに利用されたりしています。最近では、光るサッカーボールやバレーボールなども市販されています。化学発光の現象は、鉄分で化学発光反応が速くなる性質を利用して血痕を青白く光らせるルミノール反応や、ホタルなどが光を放つ生物発光反応などにも利用されています。最近は、短時間しか持たないものの非常に明るく輝くケミカルライトや、時間が経つと光る色が変わるケミカルライトも売られています。これらの仕組みを考えてみるのもいかがでしょうか?
※ ケミカルライトは化学薬品ですので、中の液体を皮膚につけたり、目に入れたり、飲み込んだりしないように気をつけてください。また、ガラスチューブも折れやすいので、怪我をしないように気をつけてください。
---クイズ
【問題】
これらのケミカルライトを折り曲げると何色に光るでしょうか?
【解答】
左から白・青・ピンク・緑・黄色・赤です。ブラックライトをあてることで、折り曲げる前から光る色を予測することができます。
過去の記事
身近な科学「ケミカルライト」 山田 幸司(物質機能科学部門・准教授)
(2008年夏)
森の土壌が地球を救う?柴田 英昭(北方生物圏フィールド科学センター・准教授)
(2008年秋)
未来を見据えて、永久凍土のデータを残したい。
石川 守 (北海道大学大学院環境科学院・准教授)(2009年春)
生態系機能を評価するために、長期的観測と国際的な連携をすることが目標です。
福澤 加里部 (北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・GCOE特任助教)
(2009年春)
どんな機会も積極的に活用して研究を深めていきたい
佐藤 友徳 (北海道大学大学院環境科学院・GCOE特任助教)
(2009年秋)
自然と人間の共生に向けた社会に役立つ研究をめざして
根岸 淳二郎 (北海道大学大学院環境科学院・GCOE特任助教)
(2009年秋)
All Rights Reserved, Copyright 2008 Geia, Graduate School of Environmental Science, Hokkaido University