IFES-GCOE グローバルCOEプログラム 「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
         北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

GCOEセミナー 「地球温暖化における海の役割」

3月28日 (水) GCOEセミナー 眞鍋淑郎 名誉教授(プリンストン大学)


開催日時:平成24年3月28日 (水) 17:00-18:00(講演後、懇親会を予定しております)
開催場所:環境科学院 D201室
講演者:眞鍋淑郎 名誉教授(プリンストン大学)
講演タイトル:地球温暖化における海の役割

講演要旨:
今回の講演では、1990年頃に大気・海洋結合モデルを用いて行った研究をもとに、地球温暖化における海洋の役割を考察する。モデルの結果は、海水が対流や混合によって深層まで良く混じるような所では、海洋は温暖化を弱め、また遅らせることを示している。例えば南半球の極周辺の広い海域において、また北大西洋の北部海域において温暖化が大幅に遅れまた小さくなっているが、そこでは熱が非常に深いところまで混ぜられている。対照的に温暖化が顕著で海氷が急速に減少する北極海は、塩分の濃度が急に変わる塩分躍層の存在が表層の海水が深くまで混合するのを妨げている。この研究は20年以上前になされたものであるが、予測されたこのような大規模な変化が実際の観測で確認され始めた事は、大へん勇気づけられるものである。最後に、南極周辺海域での海水の二酸化炭素吸収に対する温暖化の影響について、大気・海洋間炭素交換を直接取り扱った結合モデルによって検討する。

 

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