IFES-GCOE グローバルCOEプログラム 「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
         北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

公開レクチャー「環境と、なにか」第5回:
これからの社会と企業と広告

公開レクチャー「環境と、なにか」第5回:これからの社会と企業と広告
永井一史(博報堂『広告』編集長)
中野民夫(博報堂/ワークショップ・プロデューサー)

日時:2011年10月13日(木)18:30〜20:00
会場:北海道大学大学院環境科学院D201大講義室(札幌市北区北10条西5丁目)
対象者:GCOE5専攻の学生および北海道大学や他大学の学生だけでなく、一般社会人
(GCOE5専攻の所属の場合、参加登録不要)

講義概要:
広告は、この社会の中で企業と個人をつなぐ、重要なコミュニケーション手段として機能してきました。
その役割は、これまで「商品(サービス)を売る」ことに主眼が置かれていました。しかし、今や社会状況が大きく変化する中で、企業とNPO・NGOとの連携により社会問題の提起を促すメッセージが広告表現の形を借りて流通し始めるなど、広告表現も新しいはたらきが現れつつあります。
環境問題をはじめとする社会の様々なテーマに対して、広告のようなコミュニケーション・デザインは、これまでどのような可能性を切り開き、これからどのような方向へと進もうとしているのでしょうか? 実際に様々な広告表現に携わってきた永井一史さん、ワークショップの第一人者としても知られ、企業の社会貢献やNPO・NGOとの連携に関するプロジェクトに関わってきた中野民夫さんのお二人と一緒に、考えてみたいと思います。

講師プロフィール:
永井一史(ながい・かずふみ)
1961年生まれ。1985年多摩美術大学卒業後、博報堂入社。2003年、(株)HAKUHODO DESIGNを設立。2007年より、ソーシャルな課題に取り組む、+designプロジェクトを立ち上げる。2008年11月、雑誌『広告』編集長に就任。
日経広告賞グランプリ、クリエイター・オブ・ザ・イヤー、ADC賞グランプリなど受賞多数。
中野民夫(なかの・たみお)
1957年東京生まれ。東京大学卒業後、博報堂入社。7年目で休職し、カリフォルニア統合学大学院(CIIS)に留学。組織開発・変革やファシリテーション、ディープエコロジーなどを学び帰国。復職し、人材開発や企業の社会貢献、NPO・NGOをつなぐ仕事などに従事。2005年の「愛・地球博」では「地球市民村」を企画・プロデュース。
著書に『ワークショップ 新しい学びと創造の場』(岩波新書)『ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ』(共著、岩波書店)など。

●公開レクチャー「環境と、なにか」 とは
北海道大学 環境科学院が2010年から行っている新しい講義シリーズ
http://epoch-lec.blogspot.com/

◎レクチャーのねらい
この公開レクチャー「環境と、なにか2011」は、環境科学や環境活動に関わりの深い異分野(社会起業、地域活性化、メディア、デザイン…など)の知見を導入し、異分野の人々との連携や協働による実践の可能性や課題について議論するこころみです。

この議論の場を通して、多様な人々・組織からなる環境活動を自ら立案し、真に社会の中で有効に機能させていくために不可欠な、異分野の発想や方法を総合的に理解し、将来の実践につながる「姿勢」や「構え」を形成するための知識と視点を獲得できるようにするのがねらいです。

各回ごとに多彩な学外のゲスト講師を招き、様々な分野の実践実例やその背後にある手法、発想の源泉について、受講者を巻き込んだ対話型の講義により進行します。特に議論の焦点とするテーマは、「関係性」。人間と人間、あるいは人間とモノ、地域、情報…など、多様な関係のもとで、文字通り「環境」(人と取り巻くものすべて)をめぐる関係性を組み換え、よりよい社会を構築する可能性について考えていきます。

北海道大学や他大学の学生だけでなく、一般社会人にも開放した公開形式で実施するため、異なる世代や分野の人々との対話を通して刺激や触発が得られることも大きな特色です。

●今後の予定

第6回:復興へのリデザイン(11月17日)
本江正茂(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻/せんだいスクール・オブ・デザイン校長)
http://sendaischoolofdesign.jp/

第7回:「ファブラボ」がもたらす新たな自給自足社会(12月15日)
田中浩也(慶應義塾大学環境情報学部 准教授/マサチューセッツ工科大学[MIT] 客員研究員)
http://fab.sfc.keio.ac.jp/blog/

第8回:ウェブ上の集合知を活かした環境コミュニケーションの可能性(1月19日)
江渡浩一郎(産業技術総合研究所社会知能技術研究ラボ 研究員)


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