嶋津研究室

③新ナノ構築技術の開発で新機能を持ったデバイスを創造

ナノ制御界面による新しい電力貯蔵技術の開発

 太陽光発電や風力発電の蓄電性能の向上を目的として、以下のような新しい電力貯蔵技術の開発を行っています。

①ハイブリッド車に使われている実用的な二次電池の性能向上を目指しています。ここでキーになるテクノロジーは、これまでに無い電極界面の構造をナノメートルサイズで設計することのみならず、基板を溶液に漬けるだけで原子が自ら組織化して蓄電機能を持ったナノ構造を作る技術を開発しています。

②従来の二次電池に替わる次世代の電力貯蔵庫として、大容量かつ高速充放電が可能なスーパーキャパシタを、生体機能物質による自己組織化単分子膜を使って作製する研究を行っています。この研究は、実験室段階から実用化試験までを行うことを目指しています。

キーワード:エネルギー、ナノテクノロジー、電池、スーパーキャパシタ、自己組織化、電気化学

環境センシング技術の開発

 環境関連物質を超高感度かつ高速に検出することができる実用的な多機能マクロチップの開発を行っています。

①ナノ・マイクロ構造制御技術を用いた多機能マイクロチップを開発しています。マイクロチップ上へサブマイクロメートルスケールで、濃縮/分離/混合/反応/精製/検出などの機能を流体力学/化学/電気化学的な相互作用を応用したデバイスを設計しています。検出部については、センサ表面の構造を原子/分子レベルで制御することにより、抗原抗体反応/酵素補酵素反応/DNAハイブリダーゼーションなどの生化学反応に基づく選択的な検知機能の向上のみならず、ナノ界面の電磁場を制御して、これまでに無い新しいセンシング技術を作り出すことを目指しています。

②バイオセンシングデバイスの工業的な生産技術の開発を行っています。現在、バイオチップの生産は手作業で行われています。そのため、できあがった製品にはエラーが多く生じるため、実用化、商業化することが難しい状況にあります。さらには、手作業で行っていることから、大量生産も出来ない上に、人件費などのコストがかかりすぎてしまう問題もあります。そこで、自動化したロボットシステムを設計、試作することで、安定したバイオチップの生産技術を確立することを目指しています。

キーワード:環境、センサ、マイクロチップ、バイオチップ、μTAS、Lab-on-chip、レーザー、表面プラズモン共鳴、電気化学、リソグラフ、マイクロファブリケーション、ナノファブリケーション、生化学、生産工学、ロボット工学