研究内容
クリーン化学プロセスのための
水中固体酸の設計

化学プロセスは様々な廃棄物を産出しているが、究極には廃棄物ゼロのクリーン化学プロセスを目指すべきである。無害な溶媒である水の中でうまく働く固体酸が開発できれば、この目的が達成できる。

掲載雑誌 (27 KB) 固体酸による水中反応 (28 KB)
最近、奥原教授の書いた総説が、Chem. Rev. (2002) に載りました。ヘテロポリ酸の水中触媒反応の図が表紙を飾っています。

現在の硫酸プロセスを固体プロセスに変換することが夢
硫酸を必要とするプロセス1 (2 KB)
硫酸を必要とするプロセス2 (2 KB)
硫酸を必要とするプロセス3 (2 KB)

要求される水中固体酸とは

ヘテロポリ触媒の進化

Heteropolyacid (3 KB)
Heteropolyacid
-1- Stronger acid (1 KB)
-1- Stronger acid
-2- Thin-layers (4 KB)
-2- Thin-layers
Tetralone
Dipentaerythritol
-3- Bifunctional catalyst (5 KB)
-3- Bifunctional catalyst
Alkane isomerization
【A】 Pd/WO3-ZrO2
Acetic acid
-4- X2.1H0.9PW12O40 (7 KB)
-4- X2.1H0.9PW12O40
Shape selective reaction
-5- Cs2.5H0.5PW12O40 (Cs2.5)
Water-tolerant
solid acid (7 KB)
-5- Cs2.5H0.5PW12O40 (Cs2.5)
Water-tolerant
solid acid
α-Olefin oligomers
【B】 Zr(HPO4)2PO43-/Zr(OH)4
【C】 MoO3-ZrO2
WO3-ZrO2
Selective hydration
-6- Nanocomposite (8 KB)
-6- Nanocomposite
【D】 (VO)2P2O7 nano-plates (1 KB)
【D】 (VO)2P2O7 nano-plates
Maleic anhydride

水中固体酸ランキング

1. 酢酸エチルの加水分解とエステル化

Chem. Rev. 102 (2002) 3641より

酢酸エチルの加水分解
酢酸エチルの加水分解 (1 KB)
エステル化
エステル化 (1 KB)
触媒反応Aの速度反応Bの速度
A : 酢酸エチル加水分解(10-3 min-1 g-1)、
B : エステル化(10-3 mol-1 dm3 min-1 g-1)。○は当研究室で開発したもの。
Nafion-SiO24.59.4
H-ZSM-5 (Si/Al = 40)3.53.2
○ Cs2.5H0.5PW12O403.510.2
Nb2O5nH2O1.00.6
SiO2-Al2O300.1
○ 9 at% MoO3-ZrO21.43.5
○ 23 at% MoO3-ZrO21.61.8
○ 9 at% WO3-ZrO21.52.2
○ 23 at% WO3-ZrO21.21.0
2. α-ピネンの水和

Chem. Lett. 35 (2006) 1346より

α-ピネンの水和
α-ピネンの水和 (3 KB)
触媒α-ピネン転化率 / %選択率 / %
選択率 : α-テルピネオールと1,8-テルピンの合計。○は当研究室で開発したもの。
○ Cs2.5-(SiO2-APS)8671
H-β (Si/Al = 25)6932
H-ZSM-5 (Si/Al = 30)30
H-mordenite (Si/Al = 20)0-
SiO2-Al2O30-
Amberlyst 154445
Nafion-H1639

水が関与する触媒反応

新しい固体酸の分野に広がる可能性
WO3-ZrO2はエチレン水和に有効であることを発見(W. Chu)
MoO3-ZrO2は水があった方が高活性