研究内容
水を清浄化するための
固体触媒の開発
様々な廃水の混入によって、生活圏の汚染が深刻になってきた。その廃水に含まれる有害成物を完全に無害にする必要がある。地下水中にNO3-が増え、人間に害を与える。これをN2に無害に変換できる固体触媒の開発を行っている。
- 硝酸イオン汚染水を飲むと
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- 乳児 → チアノーゼ
- 大人 → 糖尿病やガンの恐れ
- ターゲット
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- 高濃度硝酸イオン汚染水(工業廃水)の高速浄化
- 低濃度硝酸イオン汚染水(地下水)の完全無害化
- 水素を使った硝酸イオン還元反応
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- 2NO3- + 5H2 → N2 + 2OH- + 4H2O(N2生成 → 望ましい)
- NO3- + 4H2 → NH3 + OH- + 2H2O(NH3生成 → 望ましくない)
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北海道における井戸水の硝酸・亜硝酸汚染状況(1999-2001年)
北海道環境生活部環境室環境保全課Webサイトより許可を得て転載
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図1 調査結果の概要
- 青 → 環境基準値以内(10 mg/dm3以下)
- 赤 → 環境基準値を超過(10 mg/dm3を超える)
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図2 高濃度井戸の分布状況
- 橙 → 30 mg/dm3を超え、50 mg/dm3以下
- 赤 → 50 mg/dm3を超える
濃度は窒素原子基準。1 dm3は1リットルのこと。ちなみに1 mg/dm3は1 ppm。
(図をクリックすると拡大図が表示されます。)
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地下水を飲料水化するシステム
- 一段法(理想)
- 二段法
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これまでにない新規な浄化法として『固体触媒による浄化』を提案する。
- これまでの成果
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- Pd-Cu合金のための活性炭担持の開拓
- 新規Zr-Ni触媒の開発
- 超高速除去触媒Pt-Niの発見
- 特異的な選択性の合金クラスターの発見
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課題
- 飲料水のための水浄化では99.5%の選択性が必要
- 工業廃水の浄化では、廃水中の共存金属イオンの影響を克服することが必須