第3回シンポジウム COE研究発表セミナー


030530研究科アワー


日時: 2003年5月30日(金) 17時より 
場所: 研究科2階講堂


講演者:長谷川成明(地域生態学講座:COE研究員)

演題:樹木形態進化のCubic Module Modelを用いたシミュレーション


座長:甲山隆司(地域生態学講座)



生態地球圏システムを構成する系の一つである森林生態系は様々なレベルの構成要素が階層的な構造を形作り、複雑な系となっている。従って環境変動に対する森林生態系の変動を予測する上で、これら森林生態系の構成要素の相互作用に着目した研究が望まれる。COEプログラムにおいて、演者は樹木の構成要素であるモジュール(基本単位)に着目し、モジュールの振る舞いが環境変動にどのように対応し、それがどのような森林動態をもたらすのか研究を行うことで生態地球圏システム変動予測に寄与してゆきたいと考えている。

本発表では、COEプログラムにおける今後の研究計画および演者が過去に作成した樹木モデルについて紹介する。

樹木は一般に、生産を行なう樹冠とこれを支持する幹に大別できる。このような樹木の形態およびその空間的配置は、進化過程において光をめぐる競争の結果選択されてきたと説明されている。しかしながらこの仮説に対する実証的な研究は行われていない。樹木はモジュールの繰り返しにより構成されていることに着目し、キューブ(立方体)を繰り返し単位とする仮想植物を考えた。この仮想植物の進化過程をコンピュータ上でシミュレートし、樹木の形態について考察を行う。


北海道大学 大学院地球環境科学研究院・低温科学研究所
21世紀COEプログラム「生態地球圏システム劇変の予測と回避」
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