◇◆◇21世紀COEプログラム拠点形成に伴う博士研究員の公募◇◆◇



北海道大学大学院地球環境科学研究科では、平成14年度より5年計画で文部科学省21世紀COEプログラム拠点として「生物地球圏システム劇変の予測と回避」の研究を推進します。その一環として以下の要領で博士研究員を公募します。募集する課題・研究内容・担当教官名は以下の通りです。研究全体の趣旨をご理解頂き、研究チームの一員として生物地球圏の変化の予測につなげる議論に積極的に加わることのできる研究者を募ります。


1.応募資格 博士号取得者あるいは平成15年3月31日までに取得見込みの方
2.着任時期 平成14年度のなるべく早い時期あるいは平成15年4月1日。
3.着任場所 北海道大学大学院地球環境科学研究科または低温科学研究所
4.任  期 平成16年3月末まで。契約は単年度ごとです。
5.募集人員 下記各課題につき1名
6.給与・保険・諸手当等の条件は当大学の規定に従います。
7.応募書類 
    (1) 履歴書、
    (2) 研究業績目録(原著論文、総説、著書、特許、その他参考となる事項)
    (3) 主要論文別刷り(複写でも可)(3編以内)、
    (4) これまでの研究の概要(1500字程度)、
    (5) 着任後の研究に対する抱負(1500字程度、希望する課題名[下記課題名・研究内容を参照]を明 記)
8.応募締切 平成14年12月9日(月)(必着)。封筒には「PD応募書類」と朱書してください。応募書類の (1)、(2)、(4)、(5)は電子メールにて送付いただいてもかまいません。その場合も(3)は別途郵送下さい。
9.応募書類送付先
  060-0810 札幌市北区北10条西5丁目 北海道大学大学院地球環境科学研究科 
  岩熊敏夫 TEL/FAX: 011-706-2240 


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COEの目的

自然科学に基礎をおいた地球環境科学の研究教育組織を確立し、地球環境の保全と改善に貢献するために、次の目的を掲げる。

(1) 『地球温暖化・オゾン層破壊』の将来予測を行い、環境破壊にともなう『生態機能低下』の解明を目指す。特にフィールド科学を基盤にして、地球環境変化における寒冷圏の役割り及び熱帯域との対比に注目し、地球圏と生態系の相互作用が鍵となる劇的変化を予測する。

(2) 劇的環境変化を回避する方策を立案し、現場実験でその試験と評価を行い、地球環境の保全と改善に関する提言を行う。


COE計画

北海道の自然に基礎を置いた自然科学、とりわけフィールド科学に秀でた本学の特長を生かし、寒冷域に軸足をおく地球環境科学研究の中心となる。

(1)寒冷域研究及び地球圏・生態系研究の実績を基礎に、北東アジアと北西太平洋の観測を進める。熱帯域との対比を軸に生態地球圏システムの解明をめざし、全球環境変化モデルの開発、検証、改善をおこなう。

(2)生態系・地球圏の統合プロジェクト研究を通じて、広い視野をもつ若手研究者を育成する。地球環境システムの基盤学問分野から、地球環境問題解決を目指す目的追求型研究へと、若手研究者を導く。


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各課題の研究内容と問い合わせ先

課題名(1) 地球温暖化研究のための水圏・陸圏観測
研究内容:  地球温暖化の影響評価、将来予測を目指した、大気・海洋・陸域間をつなぐ生物地球化学システムの解明。水圏および陸圏の野外観測、地球化学試料分析、データセット構築と解析などをおこなう。
担当教官: 南川雅男・乗木新一郎(mas@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(2) 北太平洋炭素循環の観測
研究内容:  地球温暖化にともなう海面二酸化炭素フラックスおよび海洋への二酸化炭素取り込み量を、北太平洋の生態系の変化が及ぼす影響にも注目して、船舶観測と試料分析および解析を行なう。
担当教官: 吉川久幸・乗木新一郎・渡辺 豊(hyoshika@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(3) 成層圏を含む気候モデルによる温暖化予測
研究内容:  成層圏が対流圏の気候に及ぼす影響、オゾン減少が対流圏の気候に及ぼす影響、およびそれらの相互作用を調べるために、成層圏を十分に分解する大気海洋結合モデルにオゾン反応を含んだモデルをもちいて、温暖化オゾン予測実験をおこなう。
担当教官: 山崎孝治・長谷部文雄・渡部雅浩(yamazaki@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(4) 北半球大気海洋結合モデル研究
研究内容:  大気モデルに簡略な海氷海洋モデルを結合し、10年以上の時間スケールをもつ変動場を再現を通じて、気候変動や地球温暖化のメカニズムを解明する。大気海洋結合システムに重要なメカニズム、たとえば海面熱フラックス定式の検証をおこなう。
担当教官: 池田元美・渡部雅浩(mikeda@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(5) 地球温暖化の海洋への影響評価モデル研究
研究内容:  海洋物質循環および生態系を組み込んだ日本近海領域モデルを用いて、海洋に関する観測グループとの連携を重視した広範囲な研究をおこなう。海洋物理学・化学・生物学に広範囲の知識をある程度持ち、観測の経験あるいは興味を持つ、モデル研究経験のある人材を募集する。
担当教官: 山中康裕・南川雅男・渡辺 豊(galapen@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(6) 海氷衛星リモートセンシング
研究内容:  衛星リモートセンシングによって、気候変動に大きな影響を与える、オホーツク海域および北極・南極両極域の海氷の生成・移動・分布・消滅などの実態を明らかにし、気候システムと海氷との関係の理解を試みる。
担当教官: 江淵直人・若土正暁(ebuchi@lowtem.hokudai.ac.jp)

課題名(7) 寒冷陸域における水循環過程と森林系
研究内容:  寒冷地域では雪氷の関係する現象、樹冠積雪の昇華、積雪の融解抑制、土壌凍結、アルベド低下による気温上昇など特有の現象が存在する。地球温暖化過程に敏感な雪氷と、急激に変化する水循環が森林系に与える影響について、観測ないしモデルによって研究する。
担当教官: 大畑哲夫・隅田明洋(ohata@lowtem.hokudai.ac.jp)

課題名(8) オゾン層破壊にともなう海洋生態系の観測
研究内容:  オゾン層破壊にともなう紫外線量の増加による生産と物質循環の中でも、特に海洋生態系における微生物ループに着目し、細菌プランクトンによる溶存有機物利用への紫外線影響を評価する。
担当教官: 東正剛・岩熊敏夫・鈴木仁(hisemato@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(9) オゾン層破壊と地球温暖化にともなう土壌の観測および試料分析
研究内容:  地球環境の紫外線量の変化や温暖化がもたらす陸上物質循環系の変化を検出し、その影響を評価するために、化学分析や微生物生態の手法を野外と実験室の両面に応用することによって研究を行う。
担当教官: 豊田和弘・南川雅男(kazuhiro@ees.hokudai.ac.jp)

課題名(10) 北方森林生態系のモデルと理論研究
研究内容:  環オホーツク陸域における「大気−雪氷−植生」相互作用に関し、特に北方林・陸域生態系を中心とする理論モデルを開発し、この地域におけるこの相互作用系の実態解明と、地球温暖化などの環境変化がこの相互作用系に及ぼす影響の将来予測を行う。
担当教官:原登志彦・大畑哲夫(t-hara@lowtem.hokudai.ac.jp)

課題名:(11)森林生態系の野外観測研究
研究内容:森林を構成する樹木の枝先シュートレベルの生理応答から、シュート集団
レベルの樹冠形成過程、そして個体の成長・繁殖過程における、さまざまな環境との
間のフィードバック系を、野外観測を中心に解明する。
担当教官:甲山隆司・隅田明洋・久保拓弥(kohyama@ees.hokudai.ac.jp)

課題名:(12)陸水生態系の野外観測研究
研究内容:森林流域の陸水生態系の諸過程と生物多様性の、環境変化に対する応答機構を機能的に解明する。特に熱帯域で、陸水生態系の内的過程と陸上の植生・土壌生態系由来の外的過程で環境変化への応答に質的・量的な違いが生じることに注目して観測を行い、今後起こりうる地球環境変化の影響予測と評価を行う。
担当教官: 岩熊敏夫・甲山隆司・蔵崎正明(iwakuma@ees.hokudai.ac.jp)

課題名:(13)森林-河川-海洋の物質循環系に関する地球化学的研究
研究内容:東シベリア〜中国東北部における過去数10年〜数百年にわたる森林の人為的改変(伐採、火災、農地化、砂漠化等)により河川へ流出する腐植物質や微量金属を対象に、地球化学的手法により、流域の地表面変動が引き起こす物質循環系の変化と、その海洋生態系への影響について、定量的評価を試みる。
担当教官:中塚武・若土正曉(masaakiw@lowtem.hokudai.ac.jp)

課題名(14) 低濃度環境汚染物質の探索、影響評価、低減化に関する研究
研究内容:  低濃度環境汚染物質を探索し、その影響を評価するとともに、化学的・生命科学的手法に基づく低減化法の開発を行う。汚染物質の探索と影響評価に必要とされる広範な知識を有する人材を求める。
担当教官: 田中俊逸・蔵崎正明(shunitz@ees.hokudai.ac.jp)





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