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平成14年度 21世紀COEプログラム 拠点形成計画調書 概要


拠点形成の目的・必要性

 地球環境の現状は大きな問題をはらんでいる。科学研究の成果がはっきりと示すように、下記の諸問題がある。
(1)気候変化政府間会議(
IPCC)、世界気候研究計画(WCRP)、地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)の答申では、温暖化進行にともなう海洋と陸域生態系の二酸化炭素吸収量は不確実である。
(2)オゾン減少の科学評価によれば成層圏オゾン層破壊がピークを迎えるのは2015年以降であり、1970年代のレベルに回復するのは困難と予測されている。
(3)人類活動による生物種の絶滅が地球環境破壊によってさらに加速化されている。
(4)人間の精子数がこの50年間で半減したのは、エストロゲン類似作用のある合成化学物質が主な原因とされている。

 これらを解決するために日本の科学的主導性が問われており、積極的な貢献をすることは責務である。当拠点は自然科学に基礎をおいた地球環境科学の研究教育組織を確立し、地球環境の保全と改善に貢献するために、次の具体的目的を掲げる。
(1)『地球温暖化・オゾン層破壊』の将来予測を行い、環境破壊にともなう『生態機能低下』の解明を目指す。特にフィールド科学を基盤にして、地球環境変化における寒冷圏の役割及び熱帯域との対比に注目し、地球圏と生態系の相互作用が鍵となる劇的変化を予測する。
(2)劇的環境変化を回避する方策を立案し、現場実験でその試験と評価を行い、地球環境の保全と改善に関する提言を行う。
(3)新たに起こる環境問題に、自然科学から迅速にアプローチする。観測によってその本質を理解し、モデルによる将来予測を行うことで課題解決への端緒を開く。
(4)北東アジアと北西太平洋域に特有な地球環境問題に関する国際共同研究を提案し、立ち上げる。




研究拠点実施計画

 北海道の自然の中で基礎を築いた自然科学、とりわけフィールド科学に秀でた本学の特長を生かし、寒冷域に軸足をおく地球環境科学研究の中心となる。科学技術基本計画が環境分野に期待している、「人類の生存基盤や自然生態系にかかわる地球変動予測」と「人類の健康や生態系に有害な化学物質のリスクを極小化する技術の開発」を担う。
(1)低温科学研究所の日本に冠たる寒冷域研究及び地球環境科学研究科の地球圏・生態系研究の実績を基礎に、北東アジアと北西太平洋の観測を進める。熱帯域との対比を軸に生態地球圏システムの解明をめざし、全球環境変化モデルの開発、検証、改善をおこなう。
(2)『地球温暖化・オゾン層破壊』研究チームと『生態機能低下』研究チームを核にして目的追求型の大学院組織改革を進め、気候変化、物質循環、生物多様性という国際共同研究の統合に取り組む。
(3)北海道に大気海洋相互作用と陸域生態系の定常観測に適したステーションを建設し、収集した資料をアルカイブするとともに、将来の解析に備えて保管する。
(4)生物資源系部局と連携し、本学で計画中の学院・研究院構想の中で、持続型システム研究の始動に主導的役割を果たす。学内共同研究機構をプラットフォームにするとともに、総合地球環境学研究所などの学外機関、学内部局との協力によって、広く共同研究に参画していく。



教育実施計画
 実学の重視と国際性の涵養をモットーにして、若手研究者と高度の専門家を育成するのはもちろんのこと、広い意味の教育を通じて地球環境問題への理解を深める。具体策は次の通りである。
(1)客観評価とそれに応じた処遇を行う拠点体制を確立する。
(2)生態系・地球圏の統合プロジェクト研究を通じて、広い視野をもつ若手研究者を育成する。地球環境システムの基盤学問分野から、地球環境問題解決を目指す目的追求型研究へと、若手研究者を導く。
(3)環境問題に関わる多くの分野を統括し、異なる分野からアプローチする環境教育を実践する。
(4)社会への情報発信と公開講座を通じて、地球環境問題の理解を深める。




活動のまとめ(2004年度作成)
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北海道大学 大学院地球環境科学研究院・低温科学研究所
21世紀COEプログラム「生態地球圏システム劇変の予測と回避」
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