スイスアルプス野外実習 2011年度実習報告
--北海道大学環境科学院 地球雪氷学実習--
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スイス実習・8/30

午前:Zurich (9:00) → Grindelwald (11:39)
午後:Untere Grindelwald氷河へ Grindelwald (16:47) →
   Kleine Scheidegg (17:20)
夕食後:スライドショー


ホテルでの朝食風景。今日からスイス国内の本格的な移動が始まるので皆さんしっかりと腹ごしらえです。 部屋に備え付けてあったテレビを見ると、本日の天気予報は晴れ、好天に恵まれうれしい限りです。荷物をまとめ、9:02分発の電車に間に合うようにホテルを出発、Zurich駅へと向かいます。



Zurich駅にて。大荷物のため移動も一苦労です。同行するETHの留学生とも合流。ZurichからGrindelwaldまでは約2時間半、途中BernとInterlaken Ost.で電車を乗り換えます。



Zurichから離れるにつれ牧歌的な景色に変わっていきます。道中、ゴールデンパスと称される景勝が特に美しいルートの一部を通過するため素晴らしい風景が車窓から見えました。



Interlaken Ost.で乗り換え。待ち時間はほぼ皆無。列車のダイヤ接続が素晴らしい。



スイスの車窓から. Grindelwaldに近づくにつれ, 景色がどんどん雄大になり、遠くにはついに氷河が見えてきました。



昼前にGrindelwaldに到着。目の前に広がる風景はまさに圧巻、伝統的な建物と壮大な氷河地形が調和し一枚の絵のようです。南方には有名なアイガーの北壁も見えました。バックパックを麓の駅に預け、ロープウェイと徒歩でUntere Grindelwald氷河を目指します。



ロープウェイ頂上駅Pfingsteggのレストランの風景。眼下にパノラマビューが広がります。



Untere Grindelwald氷河へのハイキングコースの入り口で昼食。麓で購入したパン、チーズ、サラミをナイフで切り分け広げます。目の前に広がる大パノラマを見ながら食べるご飯は格別おいしく感じました。やがてカランコロンと鐘の音を響かせながらヤギが崖の下から登ってきました。そのまま脇を抜けてどこかに行くのかと思いきや。



ヤギ襲来。広げられた昼食をしつこく狙ってきました。こいつら絶対常習犯です。



一際体格の良いリーダーぽい一頭。カメラを向けるとドヤ顔でポーズを決めてくれました。実に営業の仕方を心得ているヤギです。



昼食後。地図を開き平川先生による青空教室。地図上での自分の位置の確認や目の前に広がる地形の特徴、地質年代や成り立ちについて学びます。



Untere Grindelwald氷河が見える山小屋までは全長約2km、高低差およそ400mの道のりです。照りつける日差しが非常に暑い。サングラスと日焼け止めは必須です。脱水対策として小まめに水分を補給しながら崖沿いの道を歩きます。後ろを振り返ると麓の町が遥か遠くに見えました。



そして、ついにUntere Grindelwald氷河に到着。人生初となる氷河との対面。感動のあまりしばらく見惚れていたと思います。疲れなど一気に吹き飛びました。冷やされた風が気持ちよく、融解した水が流れる音が遠くから響きます。谷底には氷河湖が形成されていて、氷河末端は岩屑に覆われた、いわゆるデブリ氷河になっていました。



杉山先生による本日の青空講義その2。Untere Grindelwald氷河は後退が観測されている氷河の一つ。氷河の支えを失ったため岩壁が次々に崩れているらしい。地図と照らし合わせてみると眼前に見えているのは下流の極々一部でここから見えない山の上には広大な氷河が存在していました。



スイスの国旗と国花であるエーデルワイス。エーデルワイス(Edelweiss)はドイツ語で高貴な(Edel)白(Weiss)という意味らしい。写真は鉢植えで栽培されていたもの。現在では乱獲のため野生種は滅多に見ることが出来ないそうだ。



昼間からビールで一杯。日本だったら怒られそうな光景ですね。ビールは水と言ったのはどこの国の人だったか。ジュースを頼むよりビールの方が安い。値段は山小屋料金、若干割高でした。あとはのんびり下山するだけです。本日の宿泊地であるKleine Scheideggに行くには麓の駅Grindelwald、17時47分発の列車に乗る必要がある。ちなみに現在の時刻は16時。はて?ここに来るまで何分かかったっけ。



あせらず急がず、でもゆっくり出来ずに下山。なんとか駅に到着、預けていた荷物を引き取ります。時計を見ると17時30分。危ない所でした。本来ならここで明後日以降の昼ごはんの買い出しをする予定でしたが、時間がなく後日に行くことになりました。



路線に歯車をかませ、急勾配を上り下りしながら進む登山列車に揺られること30分。Kleine Scheideggに到着です。標高は2061mあります。北海道だったら十勝岳(2077m)の山頂と同じくらいの高さ。鉄道だけでここまで登れるとは。スイスの鉄道網と技術の高さが伺えます。



駅から本日の宿Grindelwaldblickまでは砂利道を少し歩きます。晴れていればEiger、Mönch、Jungflauの三山の眺望が素晴らしいのですが、あいにくと山頂には雲がかかっていました。しかし、ときどき雲が途切れることがあり、雄大な姿を垣間見ることが出来ました。明日の天気に期待です。



宿に到着。部屋に荷物を置き、シャワーで汗を流したら、一階のレストランへ。とりあえずビールで。注文したのはRugen Bräuという銘柄。本日乗り換えた駅Interlakenの地ビールらしい。地域ごと違ったビールが飲めるのもスイスの魅力。夕食はパンにスープ、メインはカレーと盛りだくさんでした。



夕食後。平川先生によるスライドショー。 内容は東日本大震災について。映し出される現地の被災風景。皆、真剣に聞き入ります。


就寝前。星空が素晴らしいと聞き、幾人かでヘッドライトを手に小屋の外へ。 周囲に人工的な明かりは一切なく、手にした明かりを頼りにデッキテラスへ向かいます。 ライトを消し、夜空を見上げると一面に星が煌めいていました。 天の川がはっきりと浮かび、10分に一回くらいの割合で流れ星も見ることが出来ました。 カメラの性能限界のため写真に収められなかったことが悔やまれます。 仕方ないので明日は早起きして朝日を写真に収めることを心に決め、部屋へと戻り就寝。 朝から真夜中まで、心が躍りっぱなしの一日でした。
文責  安田 貴俊

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