Graduate School of Environmental Science

環境科学の座標軸を提示する

2013 Public Lecture

2013-06-18

平成25年度公開講座 東日本東北沖大地震と北海道

パンフレット

公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 嶋津克明》

  北海道では,将来の巨大地震の発生により,大きな災害の発生が想定されています。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波の災害は,決して道民の皆さんにとっても他人事ではありません。本公開講座では,津波災害の状況,大気中・海洋中の放射性物質の拡散の現状,土壌汚染の現状などについて,皆さんが普段あまり見ることのできないデータを多用しながら,東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波がもたらした影響について議論します。さらに,津波に対する観光・地域開発の考え方,原発との付き合い方,津波避難のあり方,土壌の除染方法など,皆さんが東北地方太平洋沖地震・津波から学ぶべきことについても取り上げます。本公開講座は,地球環境科学研究院を中心としたさまざまな分野の教員が,6回シリーズで開講します。御来聴をお待ちしています。

【公開講座要領】

  1. 開講時期  平成25年8月21日(水)〜9月25日(水)(毎週水曜日)
  2. 実施場所  北海道大学大学院地球環境科学研究院(札幌市北区北10条西5丁目)
  3. 受講資格  満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴不問)
  4. 定  員   先着70名
  5. 受 講 料   3,500円(既納の受講料はお返しできません。)
  6. 修了証書  全6回の開講のうち,4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
  7. 主  催   北海道大学大学院地球環境科学研究院
  8. 後  援   札幌市教育委員会

【申込要領】

  1. 申込期間 平成25年7月16日(火)〜7月26日(金)【必着】
  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部教務担当

    〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
    電話 (011) 706-2204
    E-Mail gakujutu (at) ees.hokudai.ac.jp

  3. 申込手続   申し込みは,下記の手順を全て行うことで完了します。

    1.仮申込【仮申込書】をダウンロードしてご利用下さい.
    2.先着順(定員70名)に本申込みの手続書類を郵送
    3.本申込み(受講料の納付を含む)
    4.手続き完了

  4. 詳細は,別紙「申込方法」を参照願います。

【その他】

  1. 会場には、駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
  2. 本公開講座は、平成25年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  3. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能です(受講料も減額となる場合があります)ので、希望される方は上記申込「1仮申込み」の際にお申し出ください。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《東日本東北沖大震災と北海道》

第1回 8月21日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 教授 渡邉 悌二
講義題目:「観光産業への被害と観光のこれから」

概  要:地震ならびにその後の津波が与えた観光産業への被害状況について,甚大な被害を受けた地域から地形の効果によって大きな被害を免れた松島まで,現地での写真を使って紹介し,被災地がもっている観光開発のポテンシャル,観光と環境教育・防災教育・地学教育,観光の進むべき道などについて議論します。さらに,東北地方太平洋沖地震から北海道の沿岸部の観光地が学ぶべき視点について述べます。

第2回 8月28日(水) 講師:北海道大学 名誉教授 小野 有五
講義題目:「福島第一原発事故とこれから〜泊原発を考える」

概  要:福島第一原発事故から2年以上が過ぎました。新聞やテレビではほとんど報道がありませんが,事故はまだ収束するめどさえたっていない,というのが現実ではないかと思います。そうした現状を把握しながら,泊原発にどのような危険があるのかを,活断層との関連でお話したいと思います。日本の食糧基地であり,私たちの暮らす北海道を安全な地域にするためにはどうすればいいのか,そのための課題についても,みんなで考えたいと思います。

第3回 9月4日(水) 講師:大学院文学研究科 教授 橋本 雄一
講義題目:「デジタル地図で考える津波危険地域の住民避難」

概  要:デジタル地図や空中写真,さらに講演者が被災地域で撮影したビデオや写真を使って東日本大震災の被災状況を解説します。さらに,昨年発表された北海道太平洋沿岸の津波想定を用いて,沿岸自治体における住民避難の現状と問題点をお話しします。最後に,東日本大震災後の宮城県で策定された避難計画と,北海道釧路市などで策定されつつある避難計画とを比較し,積雪寒冷地の避難計画に関する課題について論じます。

第4回 9月11日(水) 講師:北海道大学 名誉教授 平川 一臣
講義題目:「2011, 3.11津波に学び,正しく畏れる」

概  要:東北地方太平洋沖地震超巨大津波はまさに想定外の破壊的な浸水,遡上をもたらしました。このような超巨大津波は,過去数千年の履歴の中で理解してこそ,自然の真実に迫ることができます。3.11津波痕跡を可能な限りつぶさに観察,記録するとともに,過去の津波の痕跡(津波堆積物)の理解が肝要なこと,過去の超巨大津波の履歴およびそれらの意味することなどについて,津波の地層の調査方法の工夫を織り交ぜながら検討します。

第5回 9月18日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 教授 田中 俊逸
講義題目:「放射性物質で汚染された土壌の修復は可能か」

概  要:福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質により,広い地域の土壌の汚染が生じています。土壌からの放射能の影響を避けるために,様々な除染法が提案されていますが,いまだ効果的な除染法は確立されていません。本講義では,放射性物質による土壌の汚染状況や現在実施されている除染法について説明するとともに,土壌から放射性物質を取り除く土壌修復技術の幾つかについて紹介し,土壌の修復が可能か考えてみます。


第6回 9月25日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 渡辺 豊
講義題目:「放射能は世界を巡る」

概  要:福島第一原発事故により環境へ放出された放射性物質が,大気を通してどのように広がったのか,また,海洋を通してどのように広がっていったのか/広がっていくのかについて,観測や数値計算の結果を紹介するとともに,議論します。また,福島県周辺に残留する放射性物質の今後についても紹介し,北海道・日本に暮らす我々がどのようにこの問題に向き合うべきかについて議論します。

講義時間は,毎回18:30〜20:00です。

※ 講師の都合により,講義日が変わる場合があります。

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