2015Public Lecture

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平成27年度公開講座 北海道の野生生物:自然史と環境変化への応答

パンフレット

公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 久保川 厚》

  自然豊かな大地と言われる北海道でさえ,多くの市民にとって野生の生き物に直接触れる機会は数多くありません。ましてや,彼らの一生や環境変化にともなう彼らの変化なぞ,知る由もないことでしょう。しかし,彼らは微妙な環境条件の変化にさえ反応して生き様から姿形までをも変えています。雪解け時期の早さや耕作地の増大,外来種の侵入から津波の影響まで,環境は千変万化の存在だからです。  このような生き物の変化は,多くの市民にとっては,つぶさに調べなければ気づかないような代物です。この公開講座では,北海道を象徴する生き物たちの最近について,日頃から野生生物研究に携わる6人の研究者たちが最新の研究成果をわかりやすく紹介します。多くの皆様の御来聴をお待ちしています。

【公開講座要領】
  1. 開講時期  平成27年8月19日(水)〜9月30日(水)(毎週水曜日) ※9/23(水)は除く
  2. 実施場所  北海道大学大学院地球環境科学研究院(札幌市北区北10条西5丁目)
  3. 受講資格  満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴不問)
  4. 定  員   先着70名
  5. 受 講 料   3,500円(既納の受講料はお返しできません。)
  6. 修了証書  全6回の開講のうち,4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
  7. 主  催   北海道大学大学院地球環境科学研究院
  8. 後  援   札幌市教育委員会
【申込要領】
  1. 申込期間 平成27年7月13日(月)〜7月24日(金)【必着】

  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部教務担当
    〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
    電話 (011) 706-2204
    E-Mail gakujutu (at) ees.hokudai.ac.jp

  3. 申込手続   申し込みは,下記の手順を全て行うことで完了します。
    1.仮申込【仮申込書】をダウンロードしてご利用下さい.
    2.先着順(定員70名)に本申込みの手続書類を郵送
    3.本申込み(受講料の納付を含む)
    4.手続き完了
  4. 詳細は,別紙「申込方法」を参照願います。

【その他】
  1. 会場には、駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
  2. 本公開講座は、平成27年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  3. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能です(受講料も減額となる場合があります)ので、希望される方は上記申込「1仮申込み」の際にお申し出ください。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《北海道の野生生物:自然史と環境変化への応答》

  ※講義題目をクリックするとテキストが閲覧できます。

第1回 8月19日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 小泉 逸郎
講義題目:「北の淡水魚アラカルト」

概  要:本講義では北海道の魚達の謎に満ちた興味深い生態をお話しします。例えばオスとメスで協力して石を運び,巣作りするヤツメウナギ。雌雄共に巣作りする魚類はほとんど知られていません。また,世界でほとんど例がない海に降りるコイ科魚類ウグイ。北海道では完全に雑魚扱いですが,その生態は謎に満ち溢れています。今回は図鑑や教科書には載っていない最新の研究例を紹介し,不思議な生態について一緒に考えてみましょう。

第2回 8月26日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 鈴木 仁
講義題目:「「小さな哺乳類が語る北海道の自然と進化」」

概  要:自然豊かな北海道にはアカネズミなど多くの小型の哺乳類が生きています。彼らは氷河-間氷期サイクルを含む太古からの環境変動の中でどのように生き抜いてきたのでしょうか。そもそも大陸や本州からいつ頃渡来してきたのでしょうか。また時として,黄色いクロテンや白いヤチネズミといった変異個体もみられますが,どのような進化的意味があるのでしょうか。本講義では,遺伝子の配列の比較に基づき生物の進化の歴史を推察するという手法について紹介するとともに,北海道の小さな哺乳類の環境適応の歴史をひも解いていきたいと思います。

第3回 9月2日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 野田 隆史
講義題目:「磯の生き物たちと東日本大震災」

概  要:磯浜の干潮時に干出する部分である岩礁潮間帯には,様々な海藻や底生動物(たとえば貝類やフジツボ)が生息しています。東日本大震災では津波が東北の人々の暮らしに甚大な被害を及ぼしましたが,岩礁潮間帯の生物たちの暮らしはどのような影響を受け,その後どのように変化・回復してきたのでしょうか?本講義では,これらの生物の個体数への津波の影響を低気圧時の激浪の影響と比較した結果を紹介し,続いて地震に伴って生じた海岸の沈降が生物の数と分布に及ぼした影響について説明します。

第4回 9月9日(水) 講師:北方生物圏フィールド科学センター 特任教授 上田 宏
講義題目:「サケが生まれた川に帰る謎」

概  要:「我国に生息する4種類の太平洋サケ(カラフトマス・シロザケ・ベニザケ・サクラマス)は,稚幼魚が生まれた川(母川)のニオイを記銘して降海し,大海原を数年間索餌回遊して成長し,親魚は記銘したニオイを頼りに母川に回帰し,繁殖して子孫を残したあと死亡します。ふ化場から放流されふ化場に回帰するシロザケを主な材料として行っている,ベーリング海から北海道までの回遊行動,稚魚の降河回遊時と親魚の遡河回遊時の神経内分泌ホルモンおよび脳内記憶分子の動態,母川水のニオイ成分の分析などに関する最新の研究成果を紹介します。

第5回 9月16日(水) 講師:北方生物圏フィールド科学センター 准教授 岸田 治
講義題目:「池の中は過激な世界〜両生類のドラマチックな生き様を知る〜」

概  要:エゾサンショウウオとエゾアカガエルは春先に池で産卵し,幼生(オタマ)の時期を池の中で過ごします。池を悠々と泳ぐ幼生たちは一見すると平和に暮らしているように思われますが,実はそこは恐怖の世界,エゾサンショウウオは生まれて間もなく激しく共食いし,時にはカエルのオタマを食ってしまいますし,ヤゴやゲンゴロウなどの肉食者も両生類を襲います。本講演では池の生態系が「食う-食われるの関係」によっていかに支配されているのか,また恐怖の世界を生き抜くために両生類幼生たちがどんな手段を講じているのかをお話しします。

第6回 9月30日(水) 講師:大学院地球環境科学研究院 准教授 工藤 岳
講義題目:「高山植物と気候変動」

概  要:高山生態系は寒冷気候に適応した生物群で構成されており,地球温暖化に対して大変脆弱です。豊富な積雪によって特徴づけられる高山生態系では,様々な高山植物が短い夏の間に次々と花を咲かせていきます。高山植物群落の開花パターンは,花を利用する昆虫の生活とも深く関わっています。気温上昇や雪解け時期の早まりは高山生態系のバランスを変化させ,急速な植生変化や生物多様性の減少を引き起こす可能性があります。本講座では,北海道大雪山系を中心とした高山生態系の仕組みと,現在進行している生態系変動について紹介します。

講義時間は,毎回18:00〜19:30です。

※ 講師の都合により,講義日が変わる場合があります。
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Graduate School of Environmental Sceince, Hokkaido University