2008Public Lecture

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平成20年度公開講座 ヒトと地球にやさしい化学技術

◎公開講座開催にあたって

《北海道大学大学院地球環境科学研究院長 岩 熊 敏 夫》

 私たちは化学製品の存在はよく知っていますが、毎日の人間のくらしを支えている化学の働きは十分に理解していないようです。生物は太陽の膨大な光エネルギーを利用して今日の生態系をつくりあげてきました。化学においてもクリーンな光エネルギーは注目され、環境浄化やエネルギー変換に役立つ光触媒や、光の吸収や発光を利用した分析技術、あるいは光合成により生産されるバイオマスの利用などが研究されています。一方、化学物質による生態系や環境の破壊を抑えるために、より環境負荷の低い物質の生産方法、天然の有用物質の探索が行われています。さらに、環境にやさしい化学技術とともにこの公開講座では、水銀汚染や薬品の流出事故などにより、汚染された環境をいかに修復し守っていくかについても取り上げます。ご来聴をお待ちしています。

【公開講座要領】
  1. 開講時期 平成20年8月19日(火) - 9月30日(火) 18:30-20:00
    [9月23日(火)は、祝日のため開講しません。]
  2. 実施場所 北海道大学大学院地球環境科学研究院C棟104講義室
  3. 受講資格 満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。(学歴は問いません。)
  4. 定  員 50名程度
  5. 受講料  3,500円 (既納の受講料はお返しできません。)
  6. 修了証書 4回以上受講した方には、最終講義終了時に修了証書を交付します。
【申込要領】
  1. 申込期間 平成20年7月28日(月) - 8月6日(水)
  2. 申込先  北海道大学環境科学事務部 (学術助成担当)
            〒060?0810 札幌市北区北10条西5丁目
            電話(011)706?2204,2205
            E-Mail gakujutu (at) ees.hokudai.ac.jp
  3. 申込手続 申し込みは、直接窓口で行うか、郵送で行ってください。
    直接窓口で申し込む場合、郵送で申し込む場合、ともに、あらかじめ受講料を金融機関窓口で払込みのうえ(ATMによる振込みは不可)、受講申込書にE票(受付証明書)を貼付して申し込んでください。
【その他】
  1. 会場には、受講者のための駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
  2. 本公開講座は、平成20年度前期道民カレッジ連携講座(環境生活コース9単位)の指定を受けています。
  3. 本公開講座は特定の回のみの受講も可能です(受講料も減額となる場合があります)ので、希望される方は上記申込先までお問い合わせください。

北海道大学大学院地球環境科学研究院 公開講座
《ヒトと地球にやさしい化学技術》

第1回 8月19日(火) 講師: 触媒化学研究センター 教 授 大谷 文章
講義題目: 「光による環境浄化とエネルギー変換?光触媒反応の応用」

概  要: 光合成を考えてもわかるように、光は生物が生きていくのに不可欠なものですが、太陽からふりそそぐ膨大な量の光は、環境浄化やエネルギーの創出にもつかうことができます。その代表例が光触媒反応です。すでに、日常生活のなかにも光触媒の応用製品がふえてきています。たとえば、ガラスや壁にコーティングした光触媒薄膜がそうです。これらは、光触媒反応によって屋外では汚れをふせぎ、室内では汚染空気を浄化します。また、光触媒によって水を分解し、燃料として利用できる水素をとりだす研究もさかんに行われています。ここでは、これらの光触媒の可能性についてやさしく解説します。

第2回 8月26日(火) 講師: 大学院地球環境科学研究院 准教授 神谷 裕一
講義題目: 「化学の力で環境をきれいにする?触媒による環境浄化?」

概  要: 環境ホルモンやダイオキシンなど、化学が悪者であるかのような報道が多くなされてきました。しかし化学は化学製品を作り出すことを通じて、私たちの生活を豊かにすることに大きく貢献しています。また、空気や水をきれいにするのにも化学は大活躍しています。これら化学製品の製造や化学による環境浄化には、化学反応を促進させる物質"触媒"が欠かせません。本講義では空気や水を浄化する触媒技術を紹介するとともに、触媒を使った余分な廃棄物を出さないクリーンな化学合成について解説します。

第3回 9月2日(火) 講師: 大学院地球環境科学研究院 准教授 沖野 龍文
講義題目:「船にフジツボをつけない技術」

概  要: 船舶に防汚塗料を用いなければフジツボやイガイなどの生物が付着し、燃費の低下を招きます。古くより防汚技術は存在していましたが、有機スズを用いる自己研磨型塗料は 画期的なものでした。しかしながら、環境ホルモンの一種として報道された有機スズは、今年9月以降船舶表面に存在することが国際条約により禁止されます。 そこで、鮫の表面構造を模すことによってフジツボをつきにくくしたり、海の中で他の生物に覆われていない生物のもつ化学物質を利用する新しい技術について解説します。

第4回 9月9日(火) 講師: 電子科学研究所 教 授 太田 信廣
講義題目: 「発光を観測することにより細胞や材料を調べる」

概  要: 光と物質の相互作用は、環境問題においてよく話題となるオゾンホ?ルやCO2による地球温暖化といった問題と密接に関係します。また植物の生命現象においても必要不可欠な問題です。この相互作用に基づいて物質は光(電磁波)を吸収するわけですが、吸収された光の一部は、異なる波長(異なる色)の発光として外に放出されます。このような発光を検出することにより、直接触れること無く(非侵襲といいます)いろいろな物質を調べたり、あるいは生細胞の状態を調べたりする研究についてご紹介します。

第5回 9月16日(火) 講師: 大学院地球環境科学研究院 教 授 田中 俊逸
講義題目: 「汚染された環境をレメディエート(修復)する」

概  要: 私たちの周囲や世界各地には、土壌や湖沼・河川、大気などが様々な化学物質で汚染されている地点がたくさん存在します。このような汚染された環境をレメディエート(修復)するとはどういうことなのか、またどのような手法が考えられるかについて解説します。鉛汚染土壌、インドネシアにおける水銀汚染、中国松花江のニトロベンゼンによる汚染、女性ホルモンによる河川の汚染など幾つかの汚染事例を示しながら、化学的手法による修復技術開発の現状について紹介します。

第6回 9月30日(火) 講師: 大学院地球環境科学研究院 教 授 坂入 信夫
講義題目: 「身近なバイオマス糖質資源の利用」

概  要: デンプンやセルロースなどの糖質は古くから私たちの衣食住に深くかかわってきた身近な材料です。また、化石資源の枯渇にともなって、糖質は再生可能な資源として近年注目されています。緑色植物によって二酸化炭素と水と太陽エネルギーより常に生産される糖質はカーボンニュートラルとみなされ、地球温暖化対策としても鍵となる資源といえます。本講義ではこのような糖質の機能性材料、ファインケミカルズおよびエネルギー源としての新しい利用について解説します。

講義時間は,毎回18:30-20:00です。


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Graduate School of Environmental Sceince, Hokkaido University