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平成28年度授業アンケート集計結果

平成28年度に実施された授業に関する学生アンケートの集計結果を公表します。

平成28年度授業アンケートの評価について
平成28年度授業アンケート集計結果

【プレスリリース】北海道最高峰の旭岳を染める彩雪の謎を探る〜藻類と細菌が織りなす生態系〜

北海道最高峰である旭岳では、雪解けが進む春、低温環境でも生育できる氷雪藻(ひょうせつそう)が作る色素により雪面が鮮やかに染まる、彩雪という現象が起こります。例えば、氷雪藻の光合成色素(葉緑素)は緑色に、補助色素(カロチノイド色素)の細胞内蓄積はオレンジや赤色に、それぞれ雪を彩ります。氷雪藻は日本の高山でも長く観察されていますが、旭岳の彩雪がどのような微生物群集(氷雪藻などの集まり)によるものかは明らかになっていませんでした。
本学院生物圏科学専攻の寺島美亜助教、博士後期課程の梅澤和寛さん、小島久弥助教、福井学教授(低温科学研究所)らの研究グループは、今回、旭岳で雪を採取し、次世代シーケンスによる微生物群集の解析と氷雪藻の単離を行いました。微生物群集解析からは、ベータプロテオバクテリアと呼ばれる種類の細菌が高い割合で氷雪藻と共存していたことが明らかになりました。また、単離に成功した氷雪藻を培養したところ、やはりベータプロテオバクテリアの細菌が検出されました。
本研究は、旭岳彩雪の原因となる微生物群集を確認しただけではなく、氷雪藻とベータプロテオバクテリアが互いに助け合っている可能性を明らかにしました。また、観光客が少ない融雪期の山岳地帯(旭岳「姿見の池」周辺)ならではの彩雪現象は、新たな観光資源にもなり得ます。

本成果は、微生物に関する専門誌『Frontiers in Microbiology』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
北海道最高峰の旭岳を染める彩雪の謎を探る〜藻類と細菌が織りなす生態系〜(PDF)

第三回松野環境科学賞受賞者が決定しました

環境科学院では一昨年度より、在学中に行った優れた研究を学術論文として発表した在学生および元在学生を表彰する松野環境科学賞を創設しております。

厳正な選考の結果、第三回の受賞者は以下の4名に決定いたしました。
※授賞理由はリンク先をご覧ください。

Md. Shariful Islam 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要】

佐伯立 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要】

Venus Leopardas 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要】

藤田彩華 氏
【対象論文と授賞理由(PDF)】
【論文概要】

授賞式は2017年9月29日(金)15時より行われる学院ホームカミングデーにおいて執り行われます(詳細は同窓会ホームページ)。

参考:「松野環境科学賞の創設について

【プレスリリース】金星大気に未知のジェット気流を発見

本学院地球圏科学専攻の堀之内武准教授(地球環境科学研究院)らの国際研究チームは、金星大気の分厚い雲を透かして観測できる探査機「あかつき」の観測データを使って金星大気の風速を求めました。その結果、2016 年のある時期に、中・下層雲領域(高度45〜60km)の風の流れが赤道付近に軸をもつジェット状になっていたことがわかり、これを赤道ジェットと命名しました。これまで、この高度帯の風速は水平一様性が高く、時間変化も少ないと考えられてきましたが、予想外に大きな変動があることが、「あかつき」の観測による今回の研究ではじめて明らかになりました。
金星の大気の流れは地面から雲頂(高度約70km)にかけて急激に増加し、自転をはるかに上回る速さで流れる「スーパーローテーション」と呼ばれる状態になっていますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。今回発見された赤道ジェットの形成を理論や数値計算に取り入れることで、その謎に一歩迫れると考えられます。
本成果は、英科学誌『Nature Geoscience』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
金星大気に未知のジェット気流を発見(PDF)

【プレスリリース】北極海の夏の海氷が激減したメカニズムを解明―黒い開水面が吸収する日射の効果―

北極海の夏の海氷面積はこの 40 年で半減し、北極海は一年中海氷に覆われる多年氷域から、夏には海氷がなくなる季節海氷域へとシフトしつつあります。この海氷の激減については、いくつかの要因が指摘されています。柏瀬陽彦研究員(国立極地研究所)と本学院地球圏科学専攻の大島慶一郎教授(低温科学研究所)が中心となり実施された本研究では、海氷−海洋アルベドフィードバックが重要な要因であることを、衛星観測による海氷データ等の解析から明らかにしました。海氷−海洋アルベドフィードバックとは、日射に対する反射率(アルベド)が黒い開水面では白い海氷表面より小さいため、海氷域で水開き(開水面)が一旦広がると、開水面から吸収された日射による熱により海氷が融解され、さらに開水面を広げ、海氷融解を加速するというものです。融解初期に海氷の発散量(海氷が拡がる方向に動く割合)が大きいと、このフィードバックが有効に働き、融解が進みます。2000 年代以降、多年氷などの厚く動きにくい海氷が減ることで発散量が増加し、フィードバックが働きやすくなったことが海氷激減の一因と考えられます。 本成果は、英科学誌『Scientific Reports』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
北極海の夏の海氷が激減したメカニズムを解明―黒い開水面が吸収する日射の効果―(PDF)

【プレスリリース】冷温帯林の地表付近からの有機物放出が雲の生成を抑える証拠を発見

大気中の浮遊微粒子(エアロゾル)は雲の生成に大きな役割を果たしていますが、非常に多くの自然発生源をもちます。特に温暖化等の影響を受けやすい寒冷域の陸上生態系で発生する有機物は、雲の生成等を通して気候の変化に影響を与えるため、その起源や気候影響の理解が近年、特に重要視されています。本学院地球圏科学専攻のAstrid Müllerさん、宮崎雄三助教、生物圏科学専攻の日浦勉教授らのグループは冷温帯林の代表的な植生を有する北海道大学苫小牧研究林において長期的な大気観測を行い、大気エアロゾルが雲を生成する能力は微粒子に含まれる硫酸塩と水溶性有機物の質量比によって制御されることを明らかにしました。雲の生成を促進する硫酸塩と比べ、有機物の存在割合が相対的に大きくなる秋に、この生成能力が最小となることを発見し、この季節に土壌や落ち葉など森林内の地表付近から大気へ放出される有機物がエアロゾルの雲粒生成能力を抑制する可能性を初めて示しました。 従来、大気に対する影響要因としては植物の葉から放出される有機物が主要であるとの考えが主流でしたが、雲粒の生成能力に対する地表付近の有機物の重要性を初めて指摘した本研究の成果は、温暖化等による植生・土地利用の変化に伴う将来的な気候への影響を精度よく予測する上で重要な知見となることが期待されます。 本成果は、英科学誌『Scientific Reports』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
冷温帯林の地表付近からの有機物放出が雲の生成を抑える証拠を発見(PDF)

【プレスリリース】日本産ハツカネズミのルーツをはじめて特定〜日本人の起源を考える上で重要な発見〜

本学院の鈴木仁教授(生物圏科学専攻)らのグループはこれまで30年以上にわたり、日本列島を含むユーラシア産ハツカネズミの遺伝的多様性の調査を行ってきました。今回、遺伝子塩基配列の解析により、長年不明であった日本産ハツカネズミの起源と渡来の時代背景を明らかにしました。野生ハツカネズミは、有史以前の人類の農耕技術の革新的発展とともに、約4000年前に中国南部から一度、そして、約2000年前に朝鮮半島より2度目の移入があったことが示されました。これら2つの系統は西日本で最初に混合しましたが、北日本では西日本より1000年ほど遅れて混合していたことも明らかとなりました。さらに、これら2系統の移入以前にも、南アジア起源の系統が日本列島に移入した可能性があることも示唆されました。 本成果は、生物学分野の英国学術誌『Biological Journal of the Linnean Society』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
日本産ハツカネズミのルーツをはじめて特定〜日本人の起源を考える上で重要な発見〜(PDF)

【プレスリリース】身の周りの「コケ」を利用して都市の大気環境を診断

福井県立大学の大石善隆講師と本学院の日浦勉教授(生物圏科学専攻、苫小牧演習林)の研究グループは、コケ植物を利用して、都市の大気環境を効率よく評価する方法を開発しました。単純な構造の体をもつコケは環境の変化に敏感に反応し、特に、大気環境の影響を強く受けることが知られています。本研究成果から、コケに含まれる窒素重量やその安定同位体比を解析することで、都市で深刻になりつつある窒素汚染の状況を評価できることが明らかになりました。またコケの形(生育形)を利用して、ヒートアイランド現象に伴って生じる乾燥化の程度が把握できることもわかりました。なお、これらのコケ指標を同時に利用することで大気環境問題の相互関係を考察することもできます。
本成果は、景観生態学の専門誌『Landscape and Urban Planning』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
身の周りの「コケ」を利用して都市の大気環境を診断(PDF)

大原雅教授、山崎健一准教授が全学教育科目エクセレント・ティーチャーズに選出

本学の高等教育推進機構は、全学教育科目にかかる授業アンケートの総合評点上位の教員の中から「全学教育科目に係る授業アンケートにおけるエクセレント・ティーチャーズ」を選定しています。

今回、昨年度の授業に対するエクセレント・ティーチャーズ32科目が発表され、本学院の大原雅教授と山崎健一准教授(ともに生物圏科学専攻)が選出されました。大原教授は5年連続の選出です。

選定対象となった授業
基礎科目(第2位)「生物学供彗膰恐躑擬
基礎科目(第5位)「生物学機彁該蠏魄貊擽擬

詳細については、以下の高等教育推進機構ホームページをご覧ください。
http://educate.academic.hokudai.ac.jp/center/enquete/enquete.htm

【プレスリリース】北海道の栄華をかつて極めたニシンはコンブをも育てていた〜ニシンが栄養源として寄与、100 年以上前のコンブから検証〜

北海道の日本海側ではコンブ等の大型海藻類が消失し、それを餌とするウニやエゾアワビ等の生産が減る「磯焼け」が喫緊の課題です。磯焼けの一因としては、海の天然肥料である栄養塩との関連性が指摘されていますが、磯焼けが発生する以前(1930 年頃)の栄養塩の状態を知ることのできる科学データはこれまで存在しませんでした。

この問題を解決するため、栗林貴範博士(本学院で社会人学生として学位取得。北海道原子力環境センター)は、本学総合博物館の阿部剛史講師、本学院生物圏科学専攻の門谷茂特任教授とともに、本学総合博物館が所蔵する 1881 年から 134 年分のコンブ標本の窒素安定同位体比を調べ、この海域の過去の栄養状態の復元を試みました。

その結果、1881〜1920 年(明治から大正期)の日本海側の栄養状態が他の年代や海域と大きく違っていたことがわかりました。明治から大正期の北海道では、現在の 500 倍から 1000 倍に及ぶ大量のニシンが漁獲され、その90%以上は日本海側のものでした。このことから沿岸に押し寄せたニシンの卵や精液、水産加工で出る煮汁などがコンブの栄養源となっていたことが考えられます。本成果は、科学誌『PLOS ONE』に掲載されています。

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。
北海道の栄華をかつて極めたニシンはコンブをも育てていた〜ニシンが栄養源として寄与、100 年以上前のコンブから検証〜(PDF)

論文PDFは『PLOS ONE』誌公式サイトから無料でダウンロードできます。
Historical δ15N records of Saccharina specimens from oligotrophic waters of Japan Sea (Hokkaido) (学外サイト)

北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院