IFES-GCOE グローバルCOEプログラム 「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
         北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」
北海道大学大学院環境科学院/農学院環境資源学専攻

「ステレオペア画像から地形図を作成するシステムのセットアップと運用スキルの育成」のお知らせと参加者募集

GCOE人材育成自由企画A:「ステレオペア画像から地形図を作成するシステムの
セットアップと運用スキルの育成」のお知らせと参加者募集

企画担当,地球圏科学部門・陸域環境ダイナミックス分野
平川一臣・渡邉悌二・石川守・澤柿教伸

下記の要領でLeica Photogrammetry Suiteを用いたデジタルマッピングシステムに関
する導入レベルの実習を行います.使用する機器の都合上,一度に受講できる人数が
限定されますが,実習を2回に分けて実施します.参加を希望される方は,2月28日
までに澤柿助教(sawagaki"at"ees.hokudai.ac.jp "at"=@)までご連絡ください.

<日程・場所>
3月5日:A309
 10:00~12:00 ガイダンス(今後の日程調整)
 13:00~16:00 レクチャー

実習1回目
3月8~10日:A307
 9:00~17:00 図化実習

実習2回目
3月15~17日:A307
 9:00~17:00 図化実習

<実習の目的>
野外観測を実施する上で,地形図は基礎情報として不可欠です.本国では国家エー
ジェントが国土地理情報を整備しており,ユーザーは資金さえあれば整備された情報
を購入することが可能ですが,アジア地域など自然環境の劣化が深刻な途上国では,
そのような基礎情報が整備されていない場合も多く,また国家機密として公表すらさ
れていない場合もあります.たとえ入手できたとしても,精度・解像度・カバーエリ
ア等が不十分だったり,元データの年代が古かったりするなど,実際の調査・研究に
適さないものも多く見られるのが現状です.

これらの問題を克服するため,空中写真や衛星データから,研究目的に即した地形図
を独自に作成して対応することが求められてきました.しかし,地図の作成に用いる
「解析図化機」という機器を使いこなすには,時間をかけて機会の操作に習熟する必
要があり,専門職員等に操作を依頼せざるを得ない状況にありました.ここ数年,こ
の旧式で職人技を要求される解析図化機に代わって,PCを使ってより簡単にデジタル
マッピングできるシステムが普及しはじめています.このシステムを使えば,ごく一
般的な基礎技術を習得するだけでオリジナルの地形図を作成できるようになります.

オリジナル地形図を作成できるスキルがあれば,GCOEで推進しているフィールド観測
計画に不可欠なベースマップ作りにも役立ちますし,さらに海外からの留学生にとっ
ては帰国後における母国の技術高度化にも寄与できます.また,国内においても,国
土地理院・ESRI・Leica・北海道地図・環境コンサルタントなど,これまでの修了生
の就職先をみても,デジタル図化機のスキルが要求される職種は決して少なくありま
せん.

研究に適用できる例としては,氷河変動解析・流域水循環解析・植生や地形変動解
析・防災マップ作成・地表リソース解析などが想定されます.地形図をデジタル化す
ることによって,他の数値解析モデルへの組み込みも容易になることから,モデル計
算の基礎データとしても応用可能です.直接,修論やD論に用いる地形図の作成を実
習の題材として採用することも可能ですので,興味のある方はふるってご参加くださ
い.

北海道大学グローバルCOEプログラム「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」