スイスアルプス野外実習 2006年度実習報告
−−北海道大学環境科学院 地球雪氷学実習−−
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スイス野外実習1日目


札幌集合:6時。普段これだけ早く起きない私はむしろ時差を考えてほぼ寝ず の集合。眠気よりもむしろ、これから行く、ハイジや世界の車窓からの世界に 胸をわくわくさせるのであった。関西国際空港:10時ごろ。スイスの通貨はス イスフラン。日本円は使えないのでここで両替。あっさり出国手続。バイバイ 日本。

飛行機にて:イギリスまでの飛行時間はおよそ12時間。みんな思い思いの暇つ ぶしをします。映画を見る人。隣の人としゃべる人。お酒を飲む人。そして、 ゲーマーになる人・・・。9時間もゲームをやり続けるとは不健康な。

飛行機の下では:飛行機から見た、ロシアに広がるツンドラ地帯。通常、ツン ドラという用語は、地下土壌が融けることのない氷を含む永久凍土である地域 だけを指す。ツンドラの生物多様性は低い。種は少ないが、それぞれの種毎の 個体数は多い。北極ツンドラ地帯の主な生物は、カリブー、トナカイ、ジャコ ウウシ、レミング、シロクマ等である。 地球温暖化はツンドラにとって大きな脅威である。基本的に永久凍土は凍った 湿地であり、夏には表面付近の氷だけが融ける。もし凍土が完全に溶けてしま ったら生態系全体が壊滅してしまうだろうし、北極圏の生物たちは急激な変化 に対応できないだろう。また、世界の土壌中の炭素の3分の1はタイガとツン ドラに存在するが、永久凍土が溶けると土壌に吸収される炭素より放出される 炭素のほうが多くなってしまう。この現象はアラスカで実際に観測されている。 ツンドラは、1970年代には炭素の処理場の機能を果たしていたが、今日では炭 素の供給源になっているのである。これは、温暖化の問題をさらに悪化させる 要因になっている。

ロンドン:もう時間がわからなくなってきた。チューリッヒ行きまでの乗換え で結構な時間がある。ぶらぶら、さすがにほとんど日本語は見ない。唯一見た 日本語は、電話の日本への国際電話はこちらという文字。外国に来た感じがす る。

チューリッヒ: 着いたのは向こうの時間で9時くらい。もうここまでくると、 時間の感覚がなくなってくる。7時間遅れらしい。したら、日本時間で朝の4時。 24時間くらい移動に費やしたことか。この時点で、スイスに来たことをようや く実感するのであった。写真の銅像の人物はスイスの鉄道王アルフレッド・エッシャーである。

スイスってどんな国? 特に有名なのは、永世中立国であること。それと、国 際連合や赤十字発祥の地。首都:ベルン 言語:ドイツ語、フランス語、イタ リア語、ロマンシュ語。面積:4.1万km2。九州よりもやや小さい。人口:739 万人。通貨:スイスフラン物価:高め。マックが10スイスフラン位する(日本 円で\1,000)。今回の実習の日程は下に記したようになっている。 スイスのことをもっと知りたい方はこちら→ http://www.myswiss.jp/

今回の実習での調査地の一つであるAletschgletscher。アルプス最大の氷河であり、 世界遺産に登録されている。全長24km、深さ1000mもある。氷河の出発地点であ る、ユングフラウヨッホには、ヨーロッパで最高高度にあるユングフラウヨッホ 駅があり、絶景スポットとして観光客に人気がある。私たちは今回、観光客は眺 めることしか出来ない、アレッチ氷河の上に立ち、氷河の流動調査や、氷河の 層の調査を様々な機器を使用し、観測することを目的としている。 写真はGoogle EarthのAletschgletscherの写真

実習で向かうもう一つの氷河であるGornergletscher。ゴルナーグラートの展望台 から見下ろす。この氷河は減り方が早く、200年前の氷河の表層だった位置にはモ レーンと呼ばれる地形がある。写真はGoogle EarthのGornergletscherの写真
文責  新井 剛

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