南極学特別講義I

南極氷床や凍土の融解、山岳氷河の後退や北極海の海氷面積の減少など、雪氷圏は気候変動の影響を強く受ける地域です。またその変動が海洋循環や地球環境に大きな影響をもたらすため、地球システムの重要な要素と認識されています。本講義では、南極や北極など極域の変動を観測成果に基づいて理解し、極地という自然環境の窓を通じて地球環境システムの理解を目指します。特に、極域に特徴的な気候システム・生態系の基礎的なメカニズムと近年の変化を学び、極地から地球環境の現状を考えることを目標とします。また南極観測等、フィールドの最前線で研究に携わってきたエキスパートの体験に触れ、そのフロンティア・スピリットに学ぶ機会でもあります。

・主な講義内容
1. 極域の大気 -大気大循環とオゾンホール-
2. 極域の海洋と海氷 -海洋深層循環と地球環境のセンサー-
3. 氷床・氷河 -氷床のダイナミクスと海水位変動との関わり-
4. 極地の生物 -極限の生命と生態系-
5. 南極と人間 -南極観測の歴史と南極条約-

本講義は集中講義形式にて7-8月頃開催します。開講日程はHPや掲示板などを通じて事前に通知します。

南極学特別講義II

本講義では、雪氷寒冷圏科学の分野をリードする世界の研究者を講師として招き、極域に関する最先端の研究について学ぶことを目標とします。降雪、海氷、南極氷床や山岳氷河の振る舞いなどの雪氷学から、寒冷圏の将来変動予測まで、講義は広範囲にわたるトピックをカバーします。英語による講義の聴講、質疑応答を通じた海外の研究者とのコミュニケーションは、将来世界を舞台にして活躍するための良い経験になることでしょう。

・主な講義内容
1. 寒冷圏と気候との関係
2. 陸氷と雪
3. 海氷
4. 氷河と氷床
5. 寒冷圏の過去と未来

本講義は集中講義形式にて10-11月頃実施します。開講日程はHPや掲示板などを通じて事前に通知します。

遠隔講義

南極学カリキュラムでは、海外の講師による講義を無理なく開催するため、また北大の優れた講義を世界に発信するため、インターネット回線を用いた遠隔講義を開講しています。お互いの声と姿をスピーカーとモニターで確認しながら、通常の講義と同様に質疑応答を交えた講義が展開されます。スイス連邦工科大学と北海道大学を回線で接続し、Heinz Blatter教授による「南極学特別講義II」をスイスから札幌へ、本堂武夫教授による「雪氷物性学特論」を札幌からスイスへ、それぞれ開講しています。